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e-ビジネス・オンデマンド: 開発者用ロードマップ

e-ビジネス・オンデマンドのすべて、そしてそれが開発者にとって意味すること

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レベル: 初級

Alfredo Gutierrez (fredgz@us.ibm.com), Manager, IBM developerWorks Developer Skills Program, IBM 

2003年 2月 17日

IBMではe-ビジネス・オンデマンド を、「顧客からの要求、市場でのチャンス、または外部の脅威に対して迅速に対応できるようなビジネス・プロセス (社内で、また主要パートナー、取引先、および顧客との間でエンドツーエンドで統合されているプロセス) を採用している企業」と定義しています。自分にとってそれは何を意味することになるのだろう、と思われるでしょうか?開発者とIT技術者にとっては、e-ビジネス・オンデマンドの統合ビジネス・プロセスをサポートするための技術的インフラストラクチャーを構築することが求められることでしょう。そのような期待に速やかに対応するため、この記事ではe-ビジネス・オンデマンド環境について説明し、その実現のためのテクノロジー・ロードマップを提供します。

ここで考えるのは、投資収益率の問題です。当初、インターネットは大学、政府、そして研究所の科学者たちを結び付けました。その後、電子メール、そしてワールド・ワイド・ウェブ (WWW) を利用できるようになりました。それらは、市場のメッセージの交換には便利ですが、ビジネス上の価値はそれほど高くありませんでした。技術は速い勢いで発展し、インターネット上のコンピューティングが可能になり、ビジネス・プロセスに拍車がかかっています。しかし、その機能にはコストもかかります。テクノロジーの面で大きな投資が求められてきました。情報技術 (IT) の面で企業が投資した場合、当然、その投資からの収益を期待します。いかにしてコストを削減するかという問題は、決してなくなりません。

何が問題なのか?

ITの約束するものと、それが実際にもたらすものとの間には、ギャップがあります。開発者であれば、複数の異なる異種システムやネットワークを統合する作業が簡単でないことはよくご存じでしょう。その複雑さこそ、現在CIOを悩ましている一番大きな問題です。さまざまなテクノロジーがうまく連携するようにするための作業だけでも、IT予算の40%以上を占めています。つまり、IT投資のほぼ半分は、ビジネス価値に直接寄与するわけではないことに費やされているのです。その複雑さゆえに、IT投資が何らかの利益を生むまでに何か月も、場合によっては1年かかることでしょう。その複雑さゆえに技術者が不足しており、さまざまなテクノロジーを統合し、実現し、維持する人材を確保することは、ますます難しくなることでしょう。複雑であるということは、コストがかかるということです。

おまけに、使用コストもかかります。次の事実をご存じだったでしょうか。

  • メインフレームの場合、稼動時間の40%はアイドル状態です。
  • UNIXサーバーの場合、稼動時間の90%はアイドル状態です。
  • ほとんどのPCの場合、稼動時間の95%はアイドル状態です。

もちろん業界では、インターネットとe-ビジネスがコンピューティングの新たな分野を切り開くはるか昔から、所有と利用のコストの問題に取り組んでいます。今やWebの時代になりましたが、完全なビジネス統合の効率の実現は、e-ビジネスの次世代技術インフラストラクチャーにおいてなされることになっています。そこで、開発者の出番になります。

この記事では、e-ビジネス・オンデマンド環境を一巡りし、技術インフラストラクチャーに多くを求めているのは、どんなビジネスなのかを探ることにします。その後、下記のようなテクノロジー里程標を含むロードマップを使用することによって、異種システムや異種プラットフォームを統合する方法について考慮します。

  • Javaとオープン・スタンダード
  • Linux
  • Webサービス
  • グリッド・コンピューティング
  • オートノミック・コンピューティング
  • ユーティリティー・コンピューティング



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e-ビジネス・オンデマンドとは?

e-ビジネス・オンデマンド環境であると言えるのは、イントラネット、エクストラネット、およびWebを使用することによって企業のコア・ビジネス・システムが主要顧客層に接続されていて、次のことが可能になっている場合です。

  • ネットワーク・ベースのさまざまな技術を注意深く使用することによって、ビジネス相互関係を構築および拡張する
  • さまざまなインターネット技術を利用して顧客、取引先、パートナー、および従業員の間の取り引きや交渉を実施することにより、競争力を高め、それを維持する

e-ビジネス・オンデマンドの実現は、多くの場合、次のような段階を経た自然な発展の過程です。

  • アクセス: 簡単なWebパブリッシングおよび単発的ソリューションにより、コア・ビジネス・システムに対するトランザクションを可能にする。
  • 企業統合: Webを利用して、複数の企業の間でビジネス・プロセスを統合する。企業間で、さらに企業の枠を超えて、社内システムと社外システムを結合する。
  • e-ビジネス・オンデマンド: Webを利用して、顧客の要求や市場の要求に柔軟に適応させる。ビジネスを変更する。人、技術、そしてプロセスを新しい形で結合する。

図1. 自然な発展




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e-ビジネス・オンデマンドの発展の段階

e-ビジネス・オンデマンドは、いくつかの段階を経て発展していきます。それぞれの段階では、インターネットによってビジネス・プロセスの形が変わります。

  • デジタル情報へのアクセス: この段階は、コンテンツのパブリッシングということです。そのほとんどは、なんらかの形による静的な「検索」です。銀行口座の残高照会、飛行機のフライト情報の検索、パック旅行の行き先の確認などは、簡単なデータベース照会によって実現できます。この段階までは、ごく簡単に実現できます。企業に必要なのは、ホーム・ページを用意することだけです。利用者側に必要なのは、ブラウザーだけです。
  • 実際の取り引き、実際のe-ビジネス: 銀行口座の残高を照会するだけでなく、実際に預金を移動するということです。フライトの出発時刻を確認するだけでなく、実際に座席を予約します。株を取り引きしたり、書籍を購入したり、ローンを申し込んだり、免許を更新したり、大学の講座を受講したりします。そのためには、Webサイトの設置以上のことが必要です。舞台裏での技術やビジネス・プロセスの統合が必要になります。
  • e-ビジネスのさらに高度な段階: 顧客、取引先、パートナー、および従業員からなる流動的なシステムにおいて、通信、取り引き、そして接続の主要な手段はインターネットです。ビジネス・プロセスは、手作業から自動処理へと移行していきます。1つの関係が1回の取り引きだけで終わることも珍しいことではありません。リアルタイム・コンピューティング環境になります。企業で次のことを可能にするため、ネットワーク・コミュニティーを形成します。
    • さらに短時間で新製品や新サービスを用意する
    • 新規顧客を開拓し、新しい経済上の関係を追加する
    • 既存の関係を動的に変更する
    • 複数のe-ビジネス・モデルに同時に携わる
    • それらの関係の各構成者からの情報アクセスを改善する
今、あなたの会社はどの段階か?
全企業の75%は段階1です。20%は段階2であり、すでに収益を上げています。それら20%の企業は、キー・プロセスを特定しており、原材料の調達から製造ライン、出荷、顧客サポートに至るまで、ネットワーク技術によってそれらを移行しつつあります。それらの企業は、独立したプロセスの移行は始まりに過ぎず、ゴールではないということに気付いています。

これらの段階に沿って発展する企業にとって、投資収益は何から得られるのでしょうか。消費者の消費共有の拡大、総資産収益率の上昇、新たな収益の機会、そして株主への配当の増加です。

どんな産業分野においても、製品、サービス (民営および公営)、請求書、画像、決定、および回答がすべてオンデマンドで入手できるように、エンドツーエンドを統合するための共通の要件があります。その中で、だれが競争に勝つでしょうか。最初にそれを達成した企業、またそれを達成する方法をわきまえたソフトウェアそしてサービスを提供するプロバイダーです。

世界的な規模でつながった企業では、顧客の好みや競合作用の変化、株式市場の変動、労働環境、自然災害、あるいは政情不安など、直面するあらゆる事態に対処する能力が求められます。進んだe-ビジネスにおいては、予想外の事態や不慮の出来事に対応しなければならず、インフラストラクチャーは常に信頼できなければなりません。

では、オンデマンド・ビジネスには、どんなコンピューティング環境が必要でしょうか。企業が購入したりコンピューティング技術を管理したりする方法に関して、オンデマンドとは何を意味するのでしょうか。これらの問題に取り組む前に、オンデマンド・ビジネスの4つのビジネス特性について見ておきましょう。




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オンデマンド環境のビジネス特性

オンデマンド・ビジネスには、次のような特性があります。

  • 即応性: 環境の変化に敏感に反応し、需要や供給における予測外の変動や、顧客、パートナー、取引先、および従業員の必要、または競争相手の予期しない動きに対して、動的に対応できること。
  • 柔軟性: 原価構造やビジネス・プロセスを柔軟に適応させたり、リスクを削減したり、生産性、原価管理、投資効率、および金融予測能力をいっそう高いレベルに保ちつつビジネスの効率を高めることができること。
  • 集中化: 主力商品に力を注ぎ、作業や資産の差別化の明確な方針があること。緊密に統合された戦略的パートナーによって、製造・物流管理・受注履行から、人材確保や金融操作に至るまでの作業を管理できること。
  • 回復力: コンピューター・ウィルス、地震、需要の急激な落ち込みなどに対応できること。

これらの属性を伴ったビジネスではそれをサポートできる技術が必要ですが、現在稼動中のコンピューティング環境は、そのようなものではありません。現在の環境は、異種混合、広域分散、垂直分離であり、さらに多くの場合は実際のビジネス以上に複雑になっています。企業が戦略的利益を生む上で本質的なそのITがまさに障害となって、何年もの間話題になっている流動的で即応性のある動的な企業になることを阻んでいるのです。




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オンデマンド環境の技術的特性

オンデマンド・ビジネスの上記のようなビジネス特性に基づいた上で、それをサポートするためにはどんな技術環境が必要なのでしょうか。

統合化
部署ごとに移行していくのではなく、ビジネス・プロセスとアプリケーションを横方向に統合して、データ、既存のシステム資産、およびカスタム・アプリケーションを連携させなければなりません。そしてそのような統合作業には、新しいレベルのデータ保全性やトランザクション処理が必要になります。Webサービスに基づいて構築されるインフラストラクチャー、新しい開発ツール、そしてオープン・スタンダードが必要です。これまで (オペレーティング・システムとスタンドアロン・プロセッサーによって) 縦方向に統合されていたアプリケーションを、横方向に統合、つまりアプリケーションとアプリケーションとの間で統合しなければなりません。これからは、オペレーティング・システムではなくミドルウェア層をベースにしたアプリケーションの作成が必要です。アプリケーションは、基盤となるインフラストラクチャーからは切り離されようとしています。

オープン
それよりほかにありません。ネットワークの世界では、単に企業内で統合する以上のことが求められます。企業規模で、他の企業、他のビジネス・プロセス、他のアプリケーション、そして無数のパーベイシブ・コンピューティング・デバイスに接続しなければなりません。既存のデータ、既存のアプリケーション、そして既存のトランザクション・システムを、単に取り去ってから置き換えるだけで、ビジネス・パートナーとの同種性を実現することはできません。そのすべてを接続する方法としては、オープンな仕様書と業界標準以外にありません。

仮想化
テクノロジーのために資本支出をしてきた企業では、例外なく、膨大なコンピューティング・キャパシティーが未使用のままになっています。サーバーの統合とオンデマンドによる機能提供によって、低使用効率の問題を解決しようという動きはあります。しかし、今、グリッド・コンピューティング という新たな技術によって、データ・センター全体を仮想化するという機会が開かれています。グリッド・コンピューティングでは、さまざまな分散コンピューティング資源を、あたかも1つの大きな仮想コンピューターであるかのように共用・管理することが可能になります。まずは政府研究所と大学において、多くのグリッドが構築されています。そこから、社内へと実装されていくことでしょう。それら「イントラ・グリッド」により、企業は自分のコンピューティング資産の利用効率を上げることができます。

オートノミック
ますます大きくなる複雑さは、まもなく技術者の能力を超えてしまうことでしょう。そのための解決策が何かあるでしょうか?今まで以上にそれ自体で管理作業を実施するコンピューティング・システムです。人間の場合に呼吸などの基本的な機能が自律神経系によって管理されるのと同じように、自律型システムつまりオートノミック・システムは、自分で自分を管理し、自分で自分を保護し、自分でワークロードのバランスを調整し、デバイス・ドライバーをインストールし、ソフトウェアをアップグレードします。そのためには、コンポーネント・レベルでもシステム全体のレベルでも、革新が求められ、本物の科学が必要になります。2001年にIBMの技術コミュニティーは、このようなオートノミック・インフラストラクチャーの機能と要件を明確にしました。IBM Researchにおいて、コンポーネント・レベル、製品レベル、そしてシステム・レベルで必要になる革新とはどんなものかを定義しました。コンピューティングにおけるこの試みに、業界全体が参加するよう勧められています。

ユーティリティー・コンピューティング

これまで、次の2つのレベルでの移行について述べてきました。

  • ビジネス・プロセスの移行
  • 基盤となる技術インフラストラクチャーの移行

それと共に、これらの移行は、さらに別の面での移行をもたらしています。それは、企業がコンピューティング能力を購入および管理する方法であり、e-ビジネス・オンデマンドへの動きの最もエキサイティングな面と言えるものです。

今のところ、選択肢は限られていました。さらにコンピューティング機能を増強することが必要になった場合は、どうでしょうか。さらに多くのコンピューターを購入または外注していました。今や、オンデマンド・ビジネスでは、IT業界のあらゆる資産の活用、代金支払い、そして管理の方法に関して、根本的な変化を迫られています。

それに答えるのは、ユーティリティー・コンピューティング です。データ・センターを仮想化し、企業における利用効率や価値を推進する内部コンピューティング・ユーティリティーを構築するのです。このような仮想化がインターネットに及んだ時には、外部ユーティリティーを利用することができるようになり、サービス・プロバイダーの提供するコンピューティング・サービスを利用し、使用した分だけを支払うことが実現します。




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テクノロジー・ロードマップ

適応可能な動的統合を目標とするのであれば、そしてそのためにユーティリティー・コンピューティングを実現しようというのであれば、どこから手を付けたらよいのでしょうか。中心となるテクノロジーに注目しましょう。つまり、オープン・スタンダードとJava、Linux、Webサービス、グリッド・コンピューティング、そしてオートノミック・コンピューティングです。


図2. テクノロジー・ロードマップのランドマーク




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オープン・スタンダードとJava

完全な置き換えはしたくありません。むしろ、異なる複数の分散異種システムを1つのまとめるのがよいでしょう。そして、オープン・スタンダードを利用することによってそれを実施できます。オープン・スタンダードを利用することにより統合作業の手間を省き、容易かつ低コストで新しい製品やテクノロジーを既存のインフラストラクチャーに結合できます。

オンデマンド環境においては、企業の必要に即座に応じてキャパシティーを増減することが可能でなければなりません。現在の異機種混合環境では、インターフェースの共通なオープン・スタンダードによって、さまざまなベンダーから機能を選択して、それをインフラストラクチャーに組み込むことができます。IT業界は、オープン・スタンダードという文化に発展しようとしています。

図3. オープン・スタンダードによって統合がスピードアップ

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Linux

Linuxを選ぶ理由はどこにあるのでしょうか。まず、信頼性が高く、スケーラブルで安全である、ということです。企業での使用に耐えるオペレーティング・システムであり、その安定性と基礎の完成度の高さゆえに、エンタープライズ・アプリケーションで使用するオペレーティング・システムとしてLinuxは信頼に値します。

第2に、Linuxは市場で最も低コストで導入できる選択肢であり、その点はビジネスや政府にますます受け入れられていることの主要な要素となっています。UNIXからLinuxへはコードを容易に移行でき、Linuxの技術を持つ開発者の数は十分です。

LinuxとIBM eServer製品
IBMに関して言えば、LinuxはIBMのオープン・スタンダード・コンピューティングおよびプラットフォーム独立という原則に適合しています。どのハードウェア・プラットフォームに関してもLinuxソリューションが用意されており、IBMのミドルウェアでは、さまざまなプラットフォームからなるeServer セット全体を通じてLinuxが幅広くサポートされています。

さらに、Linux用に作成するアプリケーションは、どのプラットフォームでも実行できます。サーバーに適するアプリケーションを選ぶのではなく、アプリケーションに適するサーバーを選ぶことができます。この柔軟性のおかげで、古いアプリケーションの書き直しのために時間を浪費する代わりに、まったく新しいアプリケーションを作成することも自由に行えるようになります。

最後の点として、特にJ2EEおよびWebサービスと組み合わせた場合に、Linuxはオープンで、スタンダード・ベースのアプリケーション・プラットフォームを提供します。オープン・スタンダードであることには、重要な意義があります。というのは、それによって、多岐にわたる製品の中から最善のものを選択することができ、それらを容易に統合することができるからです。特定の環境に適合するものに甘んじる必要は、もはやありません。これは、業界の新しいモデルとなるものです。企業は、業界の特定の領域内での専売を確立するために競争する代わりに、このようなオープン・スタンダードを基礎として最良の製品を作り出すために競争することになります。

図4. IBMソフトウェアでの包括的なLinuxサポート

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Webサービス

ビジネス業界は、そのインフラストラクチャーを、極めて流動的なビジネス・モデルと同じように柔軟なものにするためのテクノロジー・ソリューションを探し求めてきました。その1つの回答となるのがWebサービス・アーキテクチャーです。これは、アプリケーションとアプリケーションの間の、プログラムによる単純化された接続を可能にするための一連の業界標準方式です。Webサービスは、シンプルなインターネット・ベースの標準を目指すことにより、異機種混合分散コンピューティングの問題に対処します。

WebサービスとIBMソフトウェア
IBMでは、そのソフトウェア・ポートフォリオ (WebSphereからDB2、Lotus、Tivoliに至るまで) が、Webサービス・ソリューションの開発、デプロイメント、保管、管理をサポートできるようにしてきました。

1つのWebサービス・アーキテクチャーの範囲内で設計されたアプリケーションは、完全に自動化された形で互いを検出し、トランザクションを統合および実行することができます。このことに企業にとってメリットがあるのは明らかです。メーカーはコストや技術的な需要を最もよく満たす業者と自動的に接続することができ、業者の側では、要件の類似したメーカーと自動的に接続することができます。

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グリッド・コンピューティング

グリッド とは、1つのネットワークの全体から利用できる分散コンピューター・リソースの集まりで、エンド・ユーザーまたはアプリケーションにとって1つの大きな仮想コンピューター・システムのように見えるもののことです。1つのグリッドは、さまざまな異なる場所、組織、マシン・アーキテクチャー、およびソフトウェア境界を超えて存在可能であり、そのグリッドに接続したユーザーにとって限りないパワー、協調動作、および情報アクセスを提供するものです。グリッド・コンピューティングによって、ネットワーク・コンピューティングは、今まで以上に1つのユーティリティーに似たものとなります。必要な時に限って必要な場所にコンピューティング・パワーを配信するということになります。使った時に使った分だけ支払えばよいのです。

グリッドは、インターネットと同じように科学コミュニティーにおいて始まりましたが、今や、ビジネス業界において採用されつつあります。最近では、IBMとGlobusが共同で、さまざまなオープン・グリッド・プロトコルおよびWebサービス標準を統合し、Open Grid Services Architecture (OGSA) にまとめる作業に取り組んできました。

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オートノミック・コンピューティング

オートノミック・コンピューティング・システムには、次の特徴があります。

  • 自己構成: 環境の動的な変更に適応可能
  • 自己修復: 発見、診断、および対処により崩壊を防ぐことが可能
  • 自己最適化: リソースの調整とワークロードのバランス調整により、ITリソースの利用率の最大化が可能
  • 自己防御: 攻撃を予測、検出、および特定し、攻撃からの保護が可能

オートノミック・システムを実装すれば、さらに戦略的で高レベルの問題に注意を集中できるようになります。ビジネスの分野について言えば、オートノミック・コンピューティングの大きなメリットは、弾力性が向上すること、新しい機能を従来より短期間でデプロイできること、そしてIT投資からの収益が増加するということです。

オートノミック・コンピューティングのさまざまな機能は、グリッド・コンピューティングの開発において重要な役割を果たします。グリッドは、存在し得る最も複雑なコンピューティング環境になる可能性があります。オートノミック・コンピューティングによって、グリッドの管理が容易になり、さまざまなビジネスに求められるサービスのレベルや品質を実現することが可能になることでしょう。

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ユーティリティー・コンピューティング

e-ソーシングの概念はシンプルです。ユーティリティーとしての情報技術 (IT) です。電気や電話のサービスについて考えてみてください。家や事務所で電気を使うのに発電機を持ち込む必要はありません。コンセントにプラグを差し込んで、必要なだけ使って、使った分だけ支払えばよいのです。企業は、競争相手との間に差をつけることになる中心ビジネスに最大のリソースをつぎ込むことができるようになります。

データ・センターはどこにあるのでしょうか。企業内かもしれません。企業外かもしれません。あるいは、その間で共有されているかもしれません。どこにあるかは問題ではないのです。インフラストラクチャーがオンデマンドで利用できるリソース・プールになるからです。電気と同じように、コンピューティングはオンデマンドになり、使った分だけ払うサービスになっていきます。企業にとっては、多かれ少なかれ、あって当然と思えるような信頼性の高いものになりなす。

グリッドが世界的に共有されるコンピューティング・リソースとなり、エンドツーエンドで自動的に管理されるものとなるなら、企業のインフラストラクチャーは、信じられないほど柔軟なものになります。自身でコンピューティング・パワーを提供することもできますが、ピーク時には提供者を切り替えることも可能です。そのどちらも、動作の基本となる標準は同じだからです。インフラストラクチャーは、顧客が必要に応じて求めることのできる仮想リソース・プールです。

将来のオンデマンド時代になれば、企業はコンピューティング・リソースの増大する需要に対し、まずは社内のITユーティリティーから得られる豊富なサービスによって対応し、それでも不十分なら、サービス・プロバイダーからその時点で必要な不足分だけを購入することによって対応することでしょう。プロバイダーと顧客が、共通かつオープンなプロトコルを共有し、グリッドおよびオートノミック・テクノロジーを使用するなら、あらゆる種類のサービスを、最も経済的な最小単位で動的に提供することが可能になります。コンピューティング・パワーを大量かつ長期間の分をまとまって支払うのではなく、増加した分だけを支払うという状況を想像してみてください。予算やボトム・ラインに対して与え得るインパクトは絶大です。

ユーティリティーとしてのITの概念は、新しいものではありません。しかし、今ようやく技術の進歩によってそれが可能になろうとしているのです。

  • 帯域幅コストの削減。それにより、新しいデータ・サービスを作成して、さまざまなサービスをネットワークを通じて瞬時に幅広い顧客層に配布することが可能になります。
  • 分散コンテンツおよびアプリケーション・アーキテクチャー・デプロイメント。これにより配送は、ネットワーク・エッジでなされるようになります。
  • サーバーとストレージの仮想化。これにより新しいレベルの共用インフラストラクチャーが可能になり、顧客側のコストが削減される可能性があります。

時間が経過し、インフラストラクチャーよりもアプリケーションやビジネスに注意が向けられるようになると、「そんなインフラが本当に必要なのだろうか」ということが問題になるでしょう。言い換えれば、こういうことです。「人や道具にこれほどの投資をしてまで自家発電する必要があるだろうか、それとも、発電は専門家にまかせ、ITはIT技術者にまかせるほうがよいだろうか」。




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結論

以上を簡単にまとめてみましょう。オープン・スタンダードを使ってアプリケーションとシステムを統合しています。さらに、グリッド上の自己管理オートノミックITリソースについての定義や発見、そしてアクセスを提供するWebサービスがあります。それで何が得られるでしょうか?世界中で共用し、エンドツーエンドで管理できるコンピューティング・リソースが得られます。信じられないほど柔軟なインフラストラクチャーが得られ、それによって新しい機能を比較的容易にデプロイすることが可能になります。これこそ、オンデマンド企業のための技術環境です。

e-ビジネス・オンデマンドで、IT (情報技術) は変わろうとしています。ITは、1つのユーティリティーとして配送されるようになるでしょう。ユーティリティー・コンピューティングには、現在のモデルよりも優れた基本的なメリットがあります。そこに至るまでには、いくつかの段階があります。まずは、ここで要約したテクノロジー・マイルストーン、つまり、オープン・スタンダードとJava、Linux、Webサービス、グリッド・コンピューティング、そしてオートノミック・コンピューティングという順序に従うことから始めることができます。



参考文献

一般

オープン・スタンダードとJava

Linux

Webサービス

グリッド・コンピューティング

オートノミック・コンピューティング



著者について

Alfredo Gutierrez

Alfredo Gutierrezは、IBM developerWorks Developer Skills Programの幹事です。彼は、開発者たちや、その統合問題を解決するのに貢献しているIBM技術専門家と協力関係を保つことにより、developerWorksチームが、記事、チュートリアル、開発者を対象にした説明会、Webキャスト、およびワークショップなどを通じて関連情報や技術資料を提供するのを支援しています。彼の連絡先はfredgz@us.ibm.com です。




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