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グリッド・ストレージとオープン・スタンダード

グリッド・ストレージの標準とその策定団体についてのウオーク・スルー

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レベル: 中級

Duane Baldwin (Duane.Baldwin@us.ibm.com), Senior Software Engineer, Tivoli Storage Software, IBM

2005年 12月 20日

オープン・スタンダードをベースとしてストレージ・グリッドを構築するためには、どのようなことを知っておく必要があるでしょうか。どのようなテクノロジーが現在使用可能であって、今後どのようなテクノロジーが登場するでしょうか。この記事では、ストレージのエキスパートである著者が、すでに策定された標準や登場しつつある標準、さらにグリッド・ストレージの標準に関連して行われている様々な活動についてガイドします。

グリッド・ストレージを目指す標準に基づいた戦略

グリッドを成功裏に構築するには、オープン・スタンダードに基づいて行う必要があります。実際、グリッドを明確かつ簡潔に定義するなら、「オープン・スタンダードを使用した、ネットワーク上の分散コンピューティング」となります。

さて、ストレージ・グリッドの世界では、今日どのようなことが起きているのでしょうか。すでに策定された標準にはどのようなものがあるのでしょうか。どのようなグループが活動しているのでしょうか。また、どの標準が重要であるかはどのようにして見極めればよいのでしょうか。

良いニュースは、グリッド・ストレージの基礎部分の構築作業は、今日でも既にオープン・スタンダードを使用して相互運用可能な方法で開始できることです。グリッド・ストレージを実現する共通の基本要素はすでに定着しており、各種の標準化グループ内でさらに多くの要素が形作られているところです。一方、悪いニュースは、標準策定の作業が多数の異なるグループで進められており、主な団体及び標準の名前を並べるだけでも、Distributed Management Task Force (DMTF)、Global Grid Forum (GGF)、Storage Networking Industry Association (SNIA)、Common Information Model (CIM)、Web サービス、Storage Management Initiative Specification (SMI-S) 等となり、アルファベットの略語を使い切ってしまいそうな状況です。この状況のために多くの人たちの間に混乱が生じています。実装にあたって正しい選択を行うためには、グリッド・ストレージ管理に関連する標準とその役割を理解する必要があるとわかってはいても、いったいどうすればそれができるのかがわからないのです。

この記事では、グリッド・ストレージの標準と、これらの標準の策定に当たっている団体について概観します。

まず始めに、グリッド・ストレージに必要な基本要素について簡単に見てみましょう。下の表に示す標準は、数多くの団体による活動の成果の集大成です。


図 1. グリッド・ストレージの基本要素
Common Information Model (CIM) グリッド内の資源を抽象化し管理するための、基本モデリング・テクノロジーです。
Web サービス グリッドの資源に対するインターフェースを公開するプロトコルです。WS-Resource Framework (WSRF) および WS-Notification (WSN) があります。
WS-CIM CIM モデルに準拠した Web サービスを定義します。
Storage Management Initiative Specification (SMI-S) CIM に準拠して、ストレージ、ファブリック、ホスト・ストレージの各資源の基本プロファイルを定義します。ストレージ用のサービスは、この SMI-S プロファイルによって規定される基本機能を提供する必要があります。
Grid File System (GFS) グリッド・ファイル・システムに関する要件とアーキテクチャーの仕様です。

それでは次に、グリッド・ストレージの定義において何らかの役割を演じている団体、主要な標準、およびアーキテクチャーについて見てみましょう。




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標準化団体、主要な標準、およびアーキテクチャーの役割

グリッド・ストレージにとって重要な標準化団体、主要な標準、およびアーキテクチャーについて以下にまとめます。

Global Grid Forum (GGF)

Global Grid Forum (GGF) は、グリッド・コンピューティングの世界的な標準化の取り組みを主導するユーザー、開発者、およびベンダーで構成されるコミュニティーです。GGF の活動は、コミュニティーによって設置された作業部会を通して進められており、これらの作業部会では、他の主導的な標準化団体、ソフトウェア・ベンダー、およびユーザーと連携しながら、ベスト・プラクティスと仕様を策定しています。GGF では、標準の普及とソフトウェアの相互運用性につながるグリッド仕様の定義作業を積極的に進めるとともに、国際的コミュニティーを構築して、アイデア、経験、要件、およびベスト・プラクティスの交換を図っています。

GGF 作業部会の中でストレージに直接関係するのは、以下の 2 つです。

Grid File System Working Group (GFS-WG) -- グリッド・ストレージを実現するには、グリッド・ファイル・システムが必要となりますが、その点について GFS-WG の設立趣旨には次のようにまとめています。

「グリッドにおいて、データは任意のフォーマットで、あらゆるタイプのストレージ上に格納される可能性がある。グリッド内には何百ペタバイトものデータが存在する可能性があるが、その大部分はファイルとして格納される。このような大量のデータへのアクセスを容易にするためには、ファイル・ベースのデータを記述し編成するための標準的なメカニズムが不可欠である。そのため、Grid File System Working Group (GFS-WG) では、Grid File System Directory Services および Architecture of Grid File System Services の仕様を策定する。」

これらの 2 つの仕様について、以下に少し補足説明を行います。

  • Grid File System Directory Services 仕様は、フェデレートされ、かつ仮想化されたデータのネーム・スペースの管理について記述し、これはファイル・システム資源、アクセス制御メカニズム、およびメタ・データ管理に使用されます。
  • 他方、Architecture of Grid File System Services 仕様は、グリッド環境において、複数ファイル・システムにおける仮想化データの共有とフェデレーションを可能にするための階層構造を記述しており、そのために物理的なデータ・ソースのメタ・データ及びアクセス制御を関連付ける仮想ネームスペースを提供しています。

GFS では、設置済みの異種混合のファイル・システムを結合して、抽象化するとともに、これら既存のファイル・システム (サブユニット) を包含するネームスペースを規定することによって、データのシームレスな共有と管理を実現します。

Grid Storage Management Working Group (GSM-WG) -- 他方、グリッド内で共有ストレージ資源を管理するには、どうすればよいのでしょうか。GSM-WG では、スペースとファイルを管理する Storage Resource Manager (SRM) を定義しています。この作業部会の設立趣旨の一部を紹介します。

「当作業部会では、Storage Resource Manager (SRM) を、グリッド上の共有ストレージ・コンポーネントの動的スペース割り振りおよびファイル管理の機能を提供するミドルウェア・コンポーネントとして定義する。SRM は、グリッド・ジョブの計画と実施に必要となるストレージ予約および使用可能性に関する動的情報について規定する。その点で、Compute Resource Manager および Network Resource Manager を補完するものである。SRM では、スペースとファイルという 2 種類の資源を管理対象とする。スペースの管理では、SRM はスペース割り振りについて要求側のクライアントと交渉したり、デフォルトのスペース割り当て量を指定する。ファイルの管理においては、SRM はファイルにスペースを割り当て、ファイル転送サービスを呼び出してファイルを所定のスペースに移動し、その存続期間の間ファイルを配置し、クライアントの要求に応じてファイルをリリースし、さらにファイル置換ポリシーを適用して共有スペースの利用を最適化する。SRM は、共有ファイルの挙動を監視することにより効果的なファイル共有機能を提供したり、スペースが必要になった場合にどのファイルを置換するかを動的に決定するように設計することができる。さらに、SRM では、スペースが必要になった場合、自動ガーベッジ・コレクションを実行し、存続期間が満了したファイルを選択的に削除する。作業部会では、今後の活動の重点を、標準SRM インターフェースの機能面での定義に置いている。作業部会ではこの作業を、ストレージ・システム間の相互運用性の問題を解決するために、グリッド・プロジェクトでただちに利用できる実用的なインターフェースを確保するための、短期的な取り組みと見なしている。」

GSM アーキテクチャーの中で SRM をさらに詳細に定義するには、特にファイルおよびファイル使用の能動的管理の領域で、まだかなり多くの作業が残されています。しかし、GSM 作業部会が定義する目標とアーキテクチャーは、最終的には業界の目標とうまく一致して、ストレージ資源管理や情報ライフ・サイクル管理のための、一層高度な管理モデルと標準インターフェースを定義するものになるはずです。

The Organization for the Advancement of Structured Information Standards (OASIS)

The Organization for the Advancement of Structured Information Standards (OASIS) は、e-ビジネス関連の標準の開発、統合、および採用を推進する国際的な非営利コンソーシアムです。このコンソーシアムでは、セキュリティーや e-ビジネスに関する標準とともに、他のいかなる団体よりも多数の Web サービス関連標準を作り出しており、その標準化の取り組みは公共部門から個別アプリケーションの市場にまで及んでいます。

グリッド・ストレージにとって重要な OASIS 標準としては、以下のものが挙げられます。

WS-Resource Framework (WSRF)

WSRF は、コンポーネントにおける共通の開発パターンをサポートする目的で、SOAP、Web サービス記述言語 (WSDL)、および WS-Addressing をベースに構築された、一連の仕様です。これらの仕様には以下が含まれます。

  • WSRF Resource Properties -- スキーマを使用してプロパティーを記述する方法と、スキーマを Web サービスに関連付ける方法について定義します。また、WSDLのオペレーションを使用してこれらのプロパティーの値にアクセスする方法と、プロパティー変更時の通知をサブスクライブする方法についても定義します。
  • WSRF Resource Lifetime -- Web サービスのインスタンスを破棄する方法について定義します。指定時間ベースによる破棄と WSDL オペレーションによる明示的破棄がサポートされています。
  • WSRF Service Groups -- サービスの集合について定義します。一連のコンポーザブルな portType をサポートし、メンバーシップ・ルール、プロパティー・ベースの検索、および準拠する Web サービスのエンドポイント・リファレンス (ERP) を返すクエリーについて定義しています。
  • WSRF Resource Metadata Descriptor -- Web サービスのプロパティー、操作、および通知に関するメタ・データの記述方法について定義します。また、WSDL を通じてメタ・データ・ドキュメントと Web サービスを関連付ける方法についても定義します。
  • WSRF Base Faults -- 資源操作についての一連の例外(fault)の標準を定義します。

ストレージ及びグリッドの資源を操作したり管理する機能を Web サービスとして公開するには、WSRF Resource Properties を使用して、あらゆる状態を記述し、アクセスするための基盤を提供する必要があります。Web サービスのインターフェースを通じた資源の破棄を可能にするには、WSRF Lifetime 仕様を実装することになります。

WS-Notification (WSN)

WSN は、SOAP、WSDL、WS-Addressing、および WS-Resource Properties をベースにして構築された、一連の仕様です。WSNは、基本的なパブリッシュ/サブスクライブの portType を定義します。また、スケーラブルなパブリッシュ/サブスクライブの要件を満足するトピックおよびブローカーのサポートについても規定します。WSNでは、メッセージの内容ではなく、メッセージ送信方法のメカニズムを規定しています。

WSN は、デバイスおよびグリッド・サービス間でのメッセージやイベントの送付が必要な場合に使用します。

Web Services Distributed Management (WSDM)

WSDM は、WSRF および WSN の基盤の上に構築された、IBMが支持する仕様です。

WSDM Management Using Web Services (MUWS) 1.0 は、資源の管理対象インターフェースを Web サービスとして表現しアクセスする方法を規定します。これは、Web サービスを使用した管理アプリケーションを構築するための基盤であり、資源を計装(instrumentation)のセットを通じて多数のマネージャーから管理できるようにするものです。MUWS 1.0 仕様では、次のような管理機能を表現する方法を定義します ? 識別(identity)、指標(metrics)、資源状態(resource state)、状況(status)、構成(configuration)、名前相関(name correlation)、および関係(relationships)-- です。仕様では、上記の各機能のための、基本プロパティー、操作、通知に関する標準的な記述手法を規定するとともに、イントロスペクション(introspection)を支援するために上記各機能に必要なメタ・データを定義します。また、MUWS 1.0 では、標準管理イベント・フォーマットを定義することで、相互運用性および、相互関連付け能力(correlatability)を強化しています。仕様は、セキュアな管理を提供する方法を定義しています。さらに、MUWS 1.0 では、資源の公示(advertising)と検出(discovering)のための推奨事項とインターフェースについて規定しています。

WSDM Management of Web Services (MOWS) 1.0 仕様では、Web サービスをどのように資源として管理するか、また、MUWS を使用してその管理可能性(manageability)をどのように記述し、アクセスするかについて規定しています。

将来的には、ストレージ資源およびグリッド資源が、発展しつつあるWSDM 仕様準拠の管理可能な資源 Web サービスへと向かっていくことが期待されます。

Distributed Management Task Force (DMTF)

3,000 社以上が積極的に参加する Distributed Management Task Force (DMTF) は、エンタープライズ環境およびインターネット環境向けの管理標準と統合テクノロジーの開発を主導する業界団体です。DMTF の標準は、特定のプラットフォームや技術に依存しない方法で、計装(instrumentation)、制御、および通信のための共通の管理インフラストラクチャー・コンポーネントを提供します。DMTF のテクノロジーには、CIM、通信/制御プロトコル、およびコア管理サービス/ユーティリティーが含まれます。

DMTF は、グリッド・ストレージ戦略の 2 つの主要な要素の標準化団体です。その 2 つとは、CIM スキーマと、CIMにアクセスするための WS-CIM プロトコルです。

Common Information Model (CIM)

モデリング・スキーマとして、CIM は、グリッド内で管理される資源の定義を保持しています。

DMTF では、スキーマの保守と DMTF メンバー企業間の合意形成に関して、厳格なプロセスを定めています。これは、比較的安定したモデルを運用して、さまざまな用途に耐えうる堅牢性をモデルに持たせるために必要なことです。DMTF ではまた、統制の取れたアプローチで、モデルの後方互換性を維持しています。このこともまた、グリッド機能の正しい配備と発展のための鍵となります。

グリッド機能のサポートに必要な資源モデルの標準化は、全てDMTFで厳密な吟味を経た上で承認を受ける予定です。

WS-CIM

WS-CIM は、WS Distributed Management を使用して CIM でモデル化された資源及びCIM サービスを管理する方法を規定する、IBM が支持する仕様です。

WS-CIM は、CIM でモデル化された資源と CIM サービスへのアクセスを提供するための Web サービスの使用方法を規定する責務を持ちます。そのためには、SOAP、WSDL、および WS-Addressing が必要となるでしょう。また、プロパティー、イベント、およびコレクションのサポートも必要と考えられます。

グリッド・ストレージ戦略では CIM でモデル化されたストレージ資源が前提であり、WSDMがグリッド全般の管理手法として想定されます。結果として、これら 2 つの重要な仕様を組合わせる方法について規定するWS-CIM 仕様が鍵となります。また、WSDM で管理可能な資源として CIM でモデル化された資源をグリッド環境において提供する方法に関する指針として、WSDM-CIM Mapping Proposal が提案されています。

Storage Networking Industry Association (SNIA)

Storage Networking Industry Association (SNIA) は、将来に向けてのストレージ業界の標準、ベスト・プラクティス、および教育を推進する活動に専念しています。

SNIA が特に重視しているのは、ハイレベルの知識交換、ソート・リーダーシップ(Thought Leadership)、およびストレージ標準の普及促進であり、これによってエンド・ユーザーの取り組みを支援することです。その達成のために、SNIA では、北米全域にわたり連携した組織的活動を展開しており、これに世界各地に広がる支部のサポートを加えて、中心的な情報源として中立的な知識の提供に努めています。

SNIA では、DMTF との緊密な連携によって、CIM に準拠したストレージ・ネットワークを管理するための標準仕様Storage Management Initiative Specification (SMI-S) を策定しています。SMI-S は CIM ベースのプロファイルとして編成されており、プロファイルは大きく分けると、ストレージ、ファブリック、ホストという 3 つのカテゴリーに分類されます。SMI-S プロファイルの開発過程で SNIA は、たびたび新たな CIM の要件を特定しており、これらはCIM 標準に追加されるべく、DMTF に送られています。SMI-S は、標準インターフェースと管理モデルにより、ストレージ・ネットワーク・インフラストラクチャーの管理というグリッド・ストレージ管理に必要な第 1 層について規定しています。

現時点では、グリッド・ストレージの実現における SNIA の主な役割は、SMI-S を介して、異種混合ストレージ・ネットワークを管理するための標準インターフェースを確立し配備することにあります。将来的には、SNIA は、以下のように、グリッド・ストレージの進歩に関与すると思われます。

  • ストレージ業界のグリッド・ストレージに関する技術戦略およびマーケティング戦略を定義する活動の支援
  • GGF や EGA などの、グリッド関連の標準や戦略を定義している他のグループと提携関係を結び、その総合力の結集によってグリッド・ストレージを進歩させる
  • 教育活動により、グリッド・ストレージ進歩の価値をストレージ業界に浸透させる

また、SNIA 内では、(デバイス管理に関する)基本プロファイルの範囲を超えて、作業対象を管理スタック内のストレージ管理サービス・プロファイルへと拡大することに関心が広がっています。この作業により、ストレージ管理サービス・プロファイルが標準化され、ひいてはグリッド・ストレージのために活用されると思われます。

Enterprise Grid Alliance (EGA)

EGA は、グリッドの導入推進を主目的とする業界団体であり、すでに説明した各種標準を介した活動を進めています。EGA の目標は、当面のグリッド実装の促進と、さらなる標準の作業が必要な領域の特定にあります。EGA では、標準の策定に関与するのではなく、既設の標準化グループを介して活動することを基本方針としています。




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グリッド・ストレージの実装と管理に関する考慮事項

オープン・スタンダードを使用する相互運用可能な方法を使ったグリッド・ストレージの構築は、今日開始することができます。確かに一部の標準やアーキテクチャーの策定はまだ進行中ですが、多くはすでに仕様や製品の中に組み込まれています。まずは現在利用可能なものを使って、既存の標準とテクノロジーをベースにした基本的なグリッド・ストレージを構築できます。その後で、利用可能な標準とテクノロジーが増えるに従って、適用範囲、柔軟性、および機能の各面で発展させていけばよいでしょう。

基本的な考慮事項

ファイル・システム

グリッド・ファイル・システム (GFS) は、グリッド・ストレージ・サービス実現する上で鍵となります。GFSサービス・モデルとそのゴールを体現し、設置済みの異種混合ファイル・システム全体を抽象化する、かつ標準的な操作/管理プロトコルに基づいたファイル・システムが必要となります。例えば、IBM Research の研究プロジェクト (名称: Glamour Wide-Area Filesystem) では、最近次のようなプロトタイプが作成されています。これは、分散した異種混合のサーバー間に散らばったデータを、クライアントがシームレスに操作することを可能にするミドルウェア・フレームワークです。このフレームワークは、ファイル・システム不可知(file system-agnostic)です。つまり、ファイル・システムに備わっている機能があれば活用しますが、そういった機能に依存しないようになっています。(このテクノロジーは、IBM Research において実装とベンチマーク・テストを終えていますが、まだ一般には提供されていません。)

ファイル・システム・ディレクトリー

グリッド・ファイル・システムを導入するには、グリッド・ファイル・システム・ディレクトリー・サービス (資源ネームスペース) が必要になります。これにより、設置済みの異種混合ファイル・システムとフェデレーテッド・データおよび仮想化データを包含する共通のネームスペースを管理します。GGF の GFS-WG では、グリッド・ファイル・システム・ディレクトリー・サービスのモデルおよび設計目標を設定しています。また、IBM Glamour Wide-Area Filesystem はこのニーズを満たしており、共通のネームスペースを備え、既製のクライアントとプロトコル・インプリメンテーションに基づいたフェデレーテッド・ファイル・システム・ミドルウェア層を提供しています。

ストレージ・ネットワーク管理

グリッド・ストレージ管理の基礎となるのは、ストレージ・ネットワーク・インフラストラクチャーの標準化された管理です。SNIA の SMI-S では、異種混合で、場所依存でないストレージとストレージ・サービス、およびファブリック管理のための、基本的なレイヤーを規定しています。最近発表されたストレージ管理に関するオープンソースのイニシアティブAperiは、SMI-S上での共通管理コンポーネントのオープン・ソース実装を提供することで、ストレージ・ネットワーク基盤におけるSMI-S ベースの機能を向上します。

仮想化

ストレージ資源へのシームレスなアクセスを提供するためには、一定程度のストレージの抽象化、あるいは、仮想化が必要です。そのゴールは、場所や採用している技術に依存せずに、その属性に従ってストレージ資源にアクセスしたり管理することを可能にするストレージ仮想化レイヤーを提供することにあります。SMI-S では、ストレージ・バーチャライザーの管理のためのプロファイルも定義しています。現在、この機能を提供し SMI-S 標準を実装する各種のストレージ・バーチャライザーの利用が可能です。一例として、IBM TotalStorageR SAN ボリューム・コントローラーを挙げることができます。




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将来に向けてより進んだ考慮事項

グリッド・ストレージには、どのような将来像が期待できるのでしょうか。

情報ライフ・サイクル管理

GGF の GFS アーキテクチャー (特に GSM) の発展に伴い、標準的な SRM の実装が可能になることが予想されます。GSM では、SRM をグリッド・ストレージ・アーキテクチャーにおけるミドルウェア・コンポーネントとして定義しています。SRM により、グリッド上の共有ストレージ・コンポーネントの動的スペース割り当ておよびファイル管理が可能となります。グリッド・ストレージをSRM上に実装することで、ファイル・システムのシームレスな操作および複製データ管理機能を提供し、グリッド全体にわたるオンライン/オフライン・データの情報ライフ・サイクル管理が実現できるのです。

管理サービス

この記事で紹介した策定済みの標準とオープン・ソース実装に基づいた構築をすることで、ストレージ・ネットワークとデータ資源の管理のための、よりレベルの高い新しい標準サービスが定義されることになります。ここでのゴールは、ネットワーク化されたストレージ資源用の高レベルの管理サービス群を、CIM を基本としたモデルにより規定し、そこにWS 仕様準拠の標準インターフェースを組み込むことです。情報ライフ・サイクル管理の開発、標準化グループ、および Aperi のようなオープン・ソースのイニシアチブはすべて、この管理標準のレベルの引き上げに寄与します。




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まとめ

グリッド・ストレージで成功を収めるために、ストレージ業界は、既存の標準をベースにしたグリッド・ストレージのための実装ガイドラインおよびアーキテクチャー・ガイドラインの策定、および標準準拠のリファレンス用グリッド・ストレージ・インプリメンテーションを引き続き推進するでしょう。また、業界として、さらに標準の開発/方向付けが必要な領域を特定する活動もおこなっていくでしょう。

ストレージ業界としては、グリッド・ストレージへの取り組みを奨励するとともに、一致した方向でグリッド・ストレージ関連の活動を前進させていく必要があります。それによって、ユーザーやアプリケーションに対して、シームレスにアクセスできる、事実上無限のグリッド・ベースのストレージ・プールを提供するという、グリッド・ストレージの最終目標を達成することができるのです。




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謝辞

This article was adapted from an internal IBM paper that included contribution from:

  • Aki Fleshler
  • Andreas Maier
  • Greg Van Hise
  • Heather Kreger
  • Juergen Deicke
  • Mike Baskey
  • Mike Walker


参考文献

学ぶために

製品や技術を入手するために

議論するために


著者について

Duane Baldwin is a senior software engineer in Tivoli Storage Software, part of the IBM Software Group. He splits his time between software and product architecture, and standards development. He is an architect on the team that develops the TotalStorage Productivity Center software, and he chairs the Management Applications technical working group in SNIA. He has spent the past 10 years working with storage management and related standards.




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