本記事を読むことによって、IBM DB2 10.5 for Linux, UNIX, and Windowsの各エディションのユニークな機能について確認することができます。各エディションの仕様、ライセンスの許諾条件、これまでのDB2のリリース・サイクルを通じての変更点、およびDB2の有益な活用シナリオについても説明します。なお、将来的にフィックスパックとともに同じバージョンに関してライセンスの許諾条件が変更された場合は、本記事も更新されます。

Amyris Rada, Senior Information Developer, DB2 for Linux, UNIX, and Windows, IBM

Amyris RadaAmyris Radaは、カナダのオンタリオ州マーカムにあるIBMカナダ研究所でDB2 for Linux, UNIX, and Windows担当のシニア・ライターを務めています。1998年よりDB2のチームに属し、パートナー・イネーブルメント、品質保証、インフォメーション・デベロップメントなどさまざまな業務に携わっています。シモン・ボリバル大学でコンピューター・エンジニアリングの学位を取得。現在DB2のインフォメーション・センターに関するいくつかのコンテンツ領域を担当し、DB2のベストプラクティスの構築に取り組んでいます。最近の共著として、「Best practices: Physical database design for online transaction processing (OLTP) environments」および「DB2 best practices: Physical database design for data warehouse environments」があります。IBMで業務を行う前には、AmyrisはKL GroupとINTERGRAPHで勤務していました。



Roman Melnyk, B., DB2 Information Development, IBM Canada, Ltd.

Roman MelnykRoman B. Melnykは、シニア・スタッフとしてDB2のインフォメーション・デベロップメント・チームに属しています。Romanが編集を行った書籍には、「DB2 10.5 with BLU Acceleration: New Dynamic In-Memory Analytics for the Era of Big Data (McGraw-Hill, 2013)」、「Harness the Power of Big Data: The IBM Big Data Platform (McGraw-Hill, 2013)」、「Warp Speed, Time Travel, Big Data, and More: DB2 10 for Linux, UNIX, and Windows New Features (McGraw-Hill, 2012)」、および「Apache Derby - Off to the Races (Pearson Education, 2006)」があります。共著としては、「DB2 Version 8: The Official Guide (Prentice Hall Professional Technical Reference, 2003)」、「DB2: The Complete Reference (Osborne/McGraw-Hill, 2001)」、「DB2 Fundamentals Certification for Dummies (Hungry Minds, 2001)」、および「DB2 for Dummies (IDG Books, 2000)」があります。



2014年 2月 26日

はじめに

情報の活用が広がる現代においてはあらゆる機器からデータが生成され、収集・処理・分析・保存が必要となるデータの容量は飛躍的に増大しています。このような状況のなか、世界中の企業が IBMのInformation Management製品群を使用してデータを管理し、データから競合に勝利するための知見を得ようとしていることは当然のことと言えます。組み込み型のデータベースやインメモリー・データベース(リレーショナル・データベースとNoSQLデータベースを含む)から、スケーラビリティーの非常に高いトランザクション・データベース、ビッグデータを分析するデータウェアハウス、柔軟な機能を提供するデータベース・アプライアンス、およびライフサイクル全体を通じてデータの管理と保護を行うツールに至るさまざまなニーズに対応するIBMのInformation Management製品は、包括的な世界レベルのデータ管理ソリューションを提供します。本記事ではInformation Management製品群全体について概観することはできませんが、本製品群の根幹を成すDB2 for Linux, Unix, and Windowsのデータベース製品ファミリーについて詳細を説明します。

製品名が示すとおり、DB2 for Linux, UNIX, and Windows (DB2)は分散オペレーティング・システム(Windows、AIX、HP/UX、Solaris、x64上で稼働するLinux、Power上で稼働するLinux、およびSystem z上で稼働するLinuxを含む)上で稼働することを目的に設計されたデータベース・ソフトウェアです。20年以上にわたって、ほぼすべての業界の数万社のユーザー(世界最大規模の企業を含む)がビジネスの基盤としてDB2を活用しています。さらに、DB2は数百種類の幅広いブランド(Cognos、WebSphere、Tivoli、およびLotusを含む)のIBMソリューションの基盤となり、世界に名だたる独立系ソフトウェア・ベンダー(ISV)の製品にも組み込まれています。

2013年4月23日の製品発表日の時点では、DB2 10.5の製品ファミリーは6種類の有償エディション、1種類の有償フィーチャー、および1種類の無償パッケージで提供されています。本記事は、DB2 10.5のどのエディションがユーザーのニーズに最適かどうかを説明します。DB2の各エディションに関して、提供される機能、ライセンス・オプション、制限やその他の考慮ポイント、DB2 10.1からの主な変更点、およびユーザーの導入事例を説明します。本記事を読んだ後、ぜひ参考文献セクションの関連記事をご参照ください。DB2の新バージョンや新リリースが提供されると本記事は改訂されるため、本ページをブックマークに登録することをおすすめします。


DB2のどのエディションも、共通のコードベースで提供されます

DB2についてまず認識すべきことは、すべてのエディションが同じコードベースを使用しているということです。DB2のエディション間の技術的な相違点は、リソースに関する制限と先進的なフィーチャーやツールセットが存在するかどうかに限られるとさえ言えます。コアの設計が同じであるのは設計構想に基づくもので、あるDB2のエディション用に作成されたアプリケーションは、DB2がサポートするオペレーティング・システム上で稼働する他のあらゆるDB2のエディションに移行することができます。このような柔軟な設計構想はデータベース管理者(DBA)のスキルにも適用されます。あるDB2のエディションに関するスキルを持つDBAは、別のDB2のエディションでも即時にスムーズに処理を行うことができます。

図1は、バージョン10.5で提供されるDB2のエディションを示しています。DB2 ファミリーはロシアのマトリョーシカのようなもので、無償のDB2 Express-Cが一番中にある人形でDB2 Advanced Enterprise Server Editionが一番外側の人形と考えてください。

図1. DB2 10.5で提供されるエディション
DB2 editions available in DB2 10.5

以下は、DB2 10.5のすべてのエディション(DB2 Express-Cを含む)で提供される同一の機能の一部を列記したものです。

Oracleデータベースとの互換機能
DB2ではアプリケーションの移行をスムーズに行うことができます。DB2のエディション間のアプリケーションの移行だけでなく、OracleデータベースからDB2へのアプリケーションの移行も簡単に行うことができます。98%のPL/SQLの互換性があるため、アプリケーションのコードを再作成することなく迅速かつ柔軟にDB2にアプリケーションを移行することができます。
XMLおよびNoSQLのサポート
DB2は、リレーショナル・データのみならずXMLやRDFなどの特定目的のための非リレーショナルなデータ型の保存や抽出を効率的に行うために最適な機能を提供します。
時系列データの検索機能
DB2のテンポラル・テーブルを使用することによって、過去のある時点におけるデータを確認し、将来のデータを予測することができます。監査に対応するために以前であれば数日をかけてバックアップ・イメージのリストアが必要になったものの、本機能を使えば簡単なクエリーで迅速に対応できます。将来のデータを予想するためのクエリーも、同様に簡単に実行することができます。
Homogeneousフェデレーション
本機能によって、アプリケーションがDB2とInformixによる複数のデータベースを単一のDB2データベースとして処理することができます。別途購入可能なDB2 Connectのエディションを追加すれば、DB2 for zとDB2 for iのデータベースのフェデレーションを行うことも可能になります。
バックアップ圧縮
DB2データベースのバックアップ・イメージのサイズを削減することによって、ストレージ・コストを節約することができます。

さらに柔軟な実装を実現することを目的として、DB2は2種類のComplete Enterprise Option (CEO)のソリューションを提供します。アプリケーションの要件に応じて、ソリューションに含まれるあらゆるコンポーネントを実装することができます。この結果、アプリケーションの開発者とインストール担当者はアプリケーションの最適なアーキテクチャーを採用することができます。なお、本ソリューションを使用するには、全社的にIBM製品にコミットすることが必要になります。

IBM DB2 CEO
本ソリューションはアプリケーションの基盤としてDB2を活用することによって、卓越したERP、カスタマー・リレーションシップ・マネージメント、BtoBコマース、およびセールスフォース・オートメーションを実現するためのものです。本ソリューションのコンポーネントには、DB2 Workgroup Server Edition、DB2 Enterprise Server Edition、DB2 Developer Edition、およびDB2 Connect Enterprise Editionが含まれます。
IBM Advanced DB2 CEO
本ソリューションはユーザーの貴重な情報資産をセキュアかつ柔軟に管理するシステムを提供することによって、現代の企業のニーズに対応するものです。コンポーネントとしてDB2 Advanced Enterprise Server Edition、DB2 Enterprise Server Edition、DB2 Workgroup Server Edition、DB2 Developer Edition、およびDB2 Connect Enterprise Editionが含まれ、幅広いDB2サーバーの機能を提供します。

DB2 10.5が提供する最新機能

DB2 10.5の各エディションの詳細情報を説明する前に、DB2 10.5が旧バージョンのDB2 10.1に比べて画期的な新機能を提供し、パッケージングの変更が行われたことを理解する必要があります。変更点は以下のとおりです。

BLUアクセラレーション
BLUアクセラレーションとは、ビッグデータ、データウェアハウス、およびオペレーショナル・アナリティクスのワークロードを効率化するために機能する一連のDB2の最新テクノロジーを指します。これらのテクノロジーには、インデックスを設定する必要のないデータのカラムストア機能(「列ベースのテーブル」とも呼ばれる)、アクショナブル圧縮機能を使用した最新の圧縮アルゴリズム(DB2エンジンが圧縮したままのデータに対して処理を行うことが可能)、クエリーに関係しないデータを迅速に回避できる機能(データ・スキッピング)、インテリジェントなSingle Instruction Multiple Data (SIMD)の採用(DB2が使用するCPUサイクル数を削減したうえでより多くの処理を行うことが可能)などが含まれます。これらのテクノロジーを組み込むことによってさまざまなアナリティクス・クエリーのパフォーマンスが桁違いに改善し、ストレージ容量を平均で10分の1以下に削減することができるようになりました。すなわち、BLUアクセラレーションを活用することによって、管理コスト、ハードウェア・コスト、ストレージ・コスト、およびソフトウェアのライセンス・コストを削減したうえでより大量のアナリティクス処理を行うことができるようになるのです。

カラムストア機能はテーブル・レベルで実現するため、テーブルの設定を個別に調整することによってさまざまなワークロードを処理する単一のデータベースのパフォーマンスを最大限に高めることができます。ほとんどの場合、主にトランザクションを処理するSQL(INSERT、DELETE、単一行のSELECTなど)のために使用されるテーブルは従来の行ベースのテーブルのままにしておいた方がよいと言えます。一方、大量のデータを処理するアナリティクス・ワークロードを実行するために主に使用されるテーブルはカラムストア形式への変換に適していると言えます。クエリー・ワークロードのパフォーマンスの改善を目的としてどのテーブルを変換すべきかを見極めるためのツールとして、InfoSphere Optim Query Workload TunerはWorkload Table Organization Advisorを提供します。本ツールをワークロードに対して起動し、提示されたテーブルを変換すると、アプリケーションに一切影響を及ぼすことなくBLUアクセラレーションのメリットを実現することができます。テストを行うためにのみ仮想的にテーブルの変換を行うと、カラムストア形式のテーブルによってクエリー・ワークロードのパフォーマンスを高めることができるかどうかを確認することができます。詳細については、「列編成表への変換の仮想テスト」を読んでください。

DB2 pureScale FeatureおよびHigh Availability Disaster Recovery (HADR)
DB2 pureScale Featureとは、DB2 9.8で導入されたOLTPアプリケーション用のスケーラブルなクラスター機能です。DB2 pureScaleを使用すると、システムを停止することなく透過的にクラスターにメンバーを追加したり、クラスターからメンバーを削除することができます。DB2 10.5からは、DB2 pureScaleのクラスター全体がオフラインになってもシステム停止を回避できるようになりました。DB2に標準で組み込まれたHADR機能を使用してトランザクション・ログをスタンバイ・データベースに転送すると、プライマリー・サイトがオフラインになってから数秒以内にスタンバイ・クラスターや世界中のあらゆるロケーションに存在する単一のサーバーにフェイルオーバーを行うことができます。DB2 pureScaleとHADRの機能を組み合わせて提供するDB2 10.5は、データベースの可用性とデータのリカバリー能力を最大限に高めます。データベースの可用性を高く維持するために、一部の管理タスクをオンラインで実施することができます(データベースが利用可能な間にオンラインでメンバーやCluster Caching Facility (CF)サーバーに対してフィックスパックの更新を行い、インスタンスがオンラインで稼働している間に新規のメンバーを追加するなど)。含まれるメンバーの数が異なるインスタンス間やDB2 pureScale環境と非pureScale環境の間でもバックアップ・イメージを作成し、イメージのリストアを行うことができます。
DB2のエディションとInfoSphere Warehouseのエディションの融合
ユーザーはあらゆる種類のワークロードに対して活用可能なDB2のエディションを求めています。DB2 10.5は、InfoSphere Warehouseの各エディション、DB2 Storage Optimization Feature、およびDB2 pureScale Featureの機能をDB2 Advanced Enterprise Server Editionおよび新規に提供されるDB2 Advanced Workgroup Server Editionに組み込むことによってこのニーズに対応します。これらのエディションを保有するユーザーは、単一サーバーのOLTP、クラスター環境のOLTP、単一サーバーのウェアハウス、クラスター環境のウェアハウスなど、自由にシステムを実装することができます。さらに、DB2のアドバンスト・エディションに含まれるBLUアクセラレーション、Storage Optimization、DB2 pureScale Feature、データベース・パーティショニング、またはその他の高度なツールやフィーチャーを自由に実装することができます。柔軟な実装オプションを提供するDB2のアドバンスト・エディションを活用することによって、幅広いITプロジェクトを確実に実現することができます。
簡単にアップグレードが可能
DB2 10.5より、DB2 Workgroup EditionまたはDB2 Enterprise EditionからDB2のアドバンスト・エディションへの移行は、ライセンス・キーを更新するだけで行えるようになりました。例えばDB2 Workgroup Edition 10.5を使用していて、DB2 Advanced Workgroup Edition 10.5へのアップグレードを購入した場合、既存のDB2システムに対してDB2 Advanced Workgroupのライセンス・キーを適用するだけでアップグレードが完了します。DB2コードの再インストールやデータベースのアップグレードは一切必要ないため、業務への影響を最小限に抑えたうえで数分でライセンスのアップデートが完了します。この最新機能は該当するDB2 10.5のエディション間のエディション・アップデートに対してのみ適用され、DB2の旧バージョンからのアップデートには適用されません。

さらにDB2 10.5は、DB2の旧バージョンやInfoSphere Warehouseからのアップデートを行う準備ができていないユーザーに対しても、DB2のアドバンスト・エディションに簡単にアップグレードできる環境を提供します。DB2 10.5のアドバンスト・エディションにはDB2とInfoSphere Warehouseのエディションの特定の旧バージョンが含まれているためです(DB2 10.5の製品発表レターを参照)。DB2 10.5のアドバンスト・エディションを購入したユーザーやアップグレードを行ったユーザーは、DB2 10.5のアドバンスト・エディションに含まれるモジュールの使用条件と制限を遵守するかぎり、当該エディションに含まれる旧バージョンを使用することができます。

例えばDB2 Enterprise Server Edition 9.7を現在使用していて、DB2 Storage OptimizationおよびIBM InfoSphere Optim Performance Manager (OPM) Extended Editionの最新バージョンを使用することを目的としてエンタイトルメントをDB2 Advanced Enterprise Server Editionにアップグレードしたいとします。しかしながら、現時点ではデータベースをDB2 Enterprise Server Edition 9.7からはアップグレードすることができない状態にあるとします。その場合でも心配は要りません。DB2 10.5 Advanced Enterprise Server EditionにはDB2 Enterprise Server Edition 9.7とDB2 Storage Optimization Feature 9.7が含まれているためです。DB2 Enterprise Server Edition 9.7は既にインストールされているため、DB2 Storage Optimization Feature 9.7のライセンスを適用するだけで済みます。DB2 10.5 Advanced Enterprise Server EditionにはOPM Extended Editionの最新バージョンも含まれているため、本モジュールをインストールすることもできます。現時点でDB2 10.5 Advanced Enterprise Server Editionが提供する追加のメリットを活用することができ、データベースをアップグレードすることなく数分でシステムの設定と起動を行うことができるのです。

テラバイト課金
テラバイト課金はDB2 10.5で新たに導入された課金体系で、InfoSphere Warehouseの製品ファミリーの課金体系を踏襲したものです。テラバイト課金では、データベースごとに使用するユーザー・データのテラバイト数に基づいてDB2のアドバンスト・エディションのライセンスを取得します。DB2のすべてのエディションには、使用されているテラバイト数を計算するための便利なレポーティング・ツールが含まれています。例えばデータベースに圧縮前の生のユーザー・データが1.3 TB存在している場合は、当該データベースには2 TB分のエンタイトルメントが必要になります。このデータを0.6 TBに圧縮することができれば(DB2に標準で組み込まれた圧縮機能やその他の手段を使用)、必要なエンタイトルメントは1 TB分になります。この例からも分かるように、テラバイト課金のライセンスを使用する場合は、できるかぎりデータを圧縮する必要があります。

テラバイト課金ではワークロードを実行するプロセッサー数は一切考慮しないため、この課金体系はデータウェアハウスに適しています。実行に長時間を要するアナリティクス・クエリーに多くのプロセッサーを投入しても、必要なライセンス数が増えることがないためです。一方で、テラバイト課金はOLTPワークロードには向いていないため、DB2のテラバイト課金のエンタイトルメントをOLTPワークロードに使用することはできない旨の制限条件が指定されています。これらの条件については、以下のDB2 Advanced Enterprise Server EditionDB2 Advanced Workgroup Server Editionのセクションで詳述されています。テラバイト課金のエンタイトルメントを採用する際には、これらの条件を確認する必要があります。


DB2 Express-C: 無償でデータベースの構築・開発・配布が行えるパッケージ

数年以上前に、IBMはデータベース市場にとって画期的なパッケージとしてDB2サーバーの無償版であるDB2 Express-Cを発表しました。「パッケージ」と呼ぶのは、正式なDB2のエディションではないためです。DB2 Express-Cはパートナーと開発者のコミュニティー向けに設計されたものですが、本パッケージの内容を知ればさまざまな用途に活用することができる画期的なパッケージであることが分かるでしょう。DB2 Express-Cは、開発者、中小規模のシステム、教育機関などに最適なソリューションを提供します。

学校でDB2のスキルを身に着ける

DB2はIBMアカデミック・イニシアチブのプログラムでも提供されています。本プログラムは世界中の高等教育機関の教員と研究者にIBMが開発した教育機関向けのリソースとメリットを提供するものです。

本プログラムでは、DB2を使用して無償でデータベース・スキルを学ぶことができます。現在多くの教育機関がDB2スキルを身に付けるコースを提供しています。ペンシルバニア州立大学やクイーンズ大学(オンタリオ州キングストン)では、DB2テクノロジーを含むカリキュラムを提供しています。

DB2 Express-Cには含まれていないDB2の主要なフィーチャーは以下のとおりです。

  • DB2 Express-Cと組み合わせて使用するためにDB2 Advanced Recovery Featureを購入することはできません。
  • PowerHA SystemMirrorやSteelEyeといったクラスタリング・ソフトウェアや他のDB2のエディションに含まれる標準のクラスタリング・サービスを使用することによって、2つのDB2 Express-Cのデータ・サーバーをクラスタリングし、高可用性を実現することはできません。高可用性が求められる環境でデータベースを設定する場合は、少なくともDB2 Expressのライセンスを取得する必要があります。さらに、HADR、Advanced Copy Services (ACS)、およびオンラインでのテーブルの再編成の機能はDB2 Express-Cに含まれず、本パッケージのためにこれらの機能を有償で取得することもできません。
  • DB2 Express-Cとともにレプリケーション・サービスを使用することはできません。
  • 有償のDB2エディションで取得可能な、数多くの賞に輝く24x7ベースのIBM Passport Advantageサポートを購入することはできません。これは、DB2 Express-Cに適用される最も重要な制限と言えるかもしれません。DB2 Express-Cのサポート・モデルはコミュニティーによるサポートをベースとしています。本コミュニティーには、世界中で最も経験豊富なDBAやユーザーがDB2 Express-Cに関するヘルプ情報、アドバイス、およびサポートを求めてアクセスするフォーラムをモニタリングしている開発者やエンジニアが参加しています。この手法はオープンソースのコミュニティーの手法と似ています。DB2 Express-Cのコミュニティーを支えるために、developerWorksのようなWebサイトではシステム担当者向けに豊富な参照情報を提供しています。
  • DB2 Express-Cでは最新バージョンのみが提供されます。DB2 Express-Cの新バージョンが提供されると、旧バージョンはダウンロードできなくなります。特定のリリース・レベルに関して認証されたISVソフトウェアを使用している場合は、この条件に特に注意する必要があります。

上記に記載したいずれかの機能やサービスを使用したい場合は、DB2の有償バージョンを購入する必要があります。例えば、DB2 Expressの12カ月間の使用期間付きのFixed Term License (FTL)オプションは非常に手ごろな価格で上記の機能のすべてとその他の機能を提供します。

DB2 Express-C 10.5は、Linux、Windows、またはSolaris (x64)のオペレーティング・システム上で稼働するサーバーで利用することができます。利用可能なプラットフォームの一覧は、IBM DB2 Express-Cのダウンロード・ページで確認することができます。

開発者にとって、DB2 Express-Cは最適なツールです。本パッケージを活用することによって、無償でアプリケーションの開発と実装が行えるためです。ISVにとっても、DB2 Express-Cは最適なツールです。自社のパッケージ・アプリケーションの一部として無償でDB2の開発、実装、配布が行えるためです。さらにDB2 Express-CはDB2のパッケージであるため、これらのアプリケーションをDB2のどのエディション上でも実装することができ、アプリケーションにほとんど変更を加えることなくDB2 for z/OSに移行することもできます(DB2ファミリー製品で95%以上共通しているSQL APIに基づいてアプリケーションを構築している場合)。

教育機関は無償でDB2テクノロジーを活用できるIBMアカデミック・イニシアチブのプログラムを最大限活用することによって、特定のカリキュラムと関係なくDB2 Express-Cを学生に使用させることができます。DB2に関する教育を受けたユーザーは、無償でデータベース・アプリケーションを構築・実装・配布することができます。

DB2 Express-Cが提供する卓越した機能によって、本パッケージは「VARBusiness」誌より由緒あるBest of the Midmarket賞を受賞しました。DB2 Express-Cを使いたい場合は、すぐにダウンロードすることができます。

ライセンスの許諾条件と課金体系
DB2 Express-Cを使用すると、無償でデータベース・アプリケーションの構築・実装・配布を行うことができます。したがって、本DB2パッケージの利用にあたっては、ライセンス料金を支払う必要はありません。しかしながらコードの最適化によって、本DB2エンジンが使用できるのはあらゆるサイズのサーバーまたは仮想セッション上で最大2プロセッサー・コアまでに制限されています。

また、DB2 10.5のメモリーの容量は1サーバーまたは1仮想セッションごとに16GBに制限する必要があります。例えば、1台のサーバーに8つのVMWareのセッション(各セッションに4プロセッサー・コアと16GBのRAMが設定されている場合)を構成する場合で、それぞれにDB2 Express-Cをインストールした場合、DB2 Express-Cの各コピーは2プロセッサー・コア上でのみ処理を行い、各仮想セッションにおいて16GBのRAMをフルに使用することができます。しかしながら、DB2 Express-Cのコピーを20GBのRAMを使用するVMWareのセッションにインストールすることはできません(16GBのメモリーの上限を超えるため)。ただし、16GBを超えるメモリーを使用しないように手作業でDB2の設定を行えば、インストールは可能です。

さらに、DB2 Express-Cのデータベースではユーザー・データの容量が15 TBを超えることはできません。

DB2 Express-C 10.1から10.5にかけての変更点
DB2 10.5から、1サーバーまたは1仮想セッションごとに最大16 GBのRAMを使用できるようになりました。これはDB 2 10.1の際に設定されていた条件(4 GB)を大きく超えるものです。各データベースのユーザー・データの容量は15 TBに制限されていて、この数値はDB2とともに提供されるスクリプトで確認することができます。DB2 10.1では、ユーザー・データに関する制限は設定されていませんでした。
本エディションの活用にあたってのポイント
DB2について学び、DB2アプリケーションを開発し、さらにはユーザーの要件に基づいて本番用アプリケーションを実装するために、DB2 Express-Cを使用することができます。DB2 Express-Cは、2プロセッサー・コアおよび16GBのRAMのキャパシティーを超えないさまざまなアプリケーションやプロジェクトで活用することができます。
DB2 Express-Cの先進的な導入事例
1Cは成長著しいロシア経済の象徴であり、売上高でロシア第2位を誇るエンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェア(EAS)のプロバイダーです。同社では人気のフライト・シミュレーター・ゲームを製造しているものの、1Cの知名度は主に同社の財務会計ソフトウェアによるものです。1CはDB2 Express-Cの処理能力を活用しており、DB2エンジンを「1Cモード」で起動するようDB2の設定を行っています(1Cのインストール・プログラムが自動的にDB2の設定を実行)。

Arktosは空調機器のメーカーです。同社では、システムの全般的なレスポンスタイムを改善し、データベースのバックアップを自動化し、システムで障害が発生した場合のリカバリー時間を短縮したいと考えていました。Arktosは1Cのビジネス・パートナーであるBITの支援を得て、DB2 Express-C上で稼働する「1C:Enterprise」にシステムを移行しました。ArktosのOleg Illyin氏はこうコメントします。「新規のシステムをインストールすることによって当社のほとんどのビジネス・プロセスをより迅速に処理することができ、結果としてほとんどのビジネス・トランザクションの完了に必要なリードタイムを平均で5分の1から10分の1に短縮することができました。例を挙げると、財務の月末処理のトランザクションを完了するために以前は6時間かかっていたものの、10分から11分に短縮できました。このデータベース(DB2 Express-C)を活用することによって、迅速かつ信頼性の高いプロセスを自動化することができ、情報システムで障害が発生した場合でもデータのリカバリーと情報システムのリストアを実現することができるようになりました」

ロシア第2位のビジネス規模を誇るEASベンダーが無償のDB2パッケージでミッション・クリティカルなアプリケーションを稼働し、同社の顧客のアプリケーションのリードタイムが300分から11分に短縮でき、さらに同社はフライト・シミュレーターのソフトウェアまで提供しています。DB2が素晴らしいビジネスを支えています。


DB2 Express Server Edition: 手ごろな価格でシンプルかつセキュアなソリューションを実現するエディション

DB2 Express Server Edition(DB2 Express)はエントリー・レベルのサポート契約の締結が可能なDB2サーバーで、低コストで包括的な機能を提供し、オープン・スタンダードに基づいて業界に特化した機能を提供するリレーショナル・データベースです。DB2の本エディションの対象ユーザーは、小規模ながら強力なトランザクションを実行するデータベースを必要とする中小規模企業(SMB)とISVです。DB2 ExpressはLinux(x64および, IBM Power Systems上で稼働)Solaris x64(64ビット)、およびWindows x64ベースのサーバーを活用しようとする企業に対して、他社サーバーに比べて手ごろな価格でリレーショナル・データベースの機能を提供します(リンクは、プラットフォームに関する最新のサポート情報のページを示しています)。

DB2 Expressのコアの機能はDB2サーバーの包括的な機能を提供するため、DBAはセルフ・チューニング・メモリー・マネージャー(STMM)、IBM InfoSphere Optimによる管理ツールと開発ツール、自動保守機能、自動バックアップ・チューニング、バックアップ・データの圧縮、アーカイブ・ログの圧縮、テキスト検索、調整機能をはじめとする標準の自動管理機能を活用することができます。これらのサービスを包括的に活用することによって、DB2ソリューションのパフォーマンスと信頼性を高めたうえで、管理作業を最大限に簡略化し、必要となるスキル・レベルを下げ、全般的なTCOを削減することができます。SMBを対象とした他社のデータベースでは、エンタープライズ・エディションにおいてのみ可用性の改善機能、オンライン処理機能、および管理機能を提供しています。自動管理機能が起動すると、ユーザーはDB2 Expressの機能が稼働していることを意識することすらありません。このことは管理コストの削減に大きく貢献します。

DB2の本エディションは、Linux、Windows、およびUNIXのプラットフォームをサポートする、拡張性の高いDB2のリレーショナル・データベース・ファミリーの他のエディションと完全な互換性があり、事前にDB2 Expressを簡単に設定することによって、使用しているアプリケーション内に透過的にインストールし、簡単にシステムの実装を行うことができます。お客様がDB2 Expressを気に入るのは、卓越したソリューションを構築できるためです。ビジネス・パートナーがDB2 Expressを気に入るのは、ほとんどメンテナンスを行うことなく稼働することができるためです。

DB2 Expressには、SQLベースのHomogeneous Replication(DB2同士のレプリケーション)機能、行および列のアクセス制御機能(RCAC)、ラベル・ベースのアクセス制御機能(LBAC)、および可用性を高める一連のフィーチャーが標準で組み込まれています。

Homogeneous SQLレプリケーション
SQLベースのHomogeneous Replication機能とHomogeneous Federation機能を活用すると、IBMのリレーショナル・データベース・サーバー・ファミリー(すなわち、DB2 for Linux, UNIX, and Windows、Informix、DB2 for z、およびDB2 for i)のメンバー間でデータの統合を行うことができます(注意: DB2 for zおよびDB2 for iに基づいてこれらの機能を使用するには、DB2 Connectのような追加機能の購入が必要になる場合があります)。SQLベースのHomogeneous Replication機能を使用すると、中央のソース・データと一連のターゲット・サーバーの間でデータのレプリケーションを行うことができます。 IBM以外のデータベースとの間でデータのレプリケーションが必要な場合、またはSQLベースのレプリケーションではなくキュー・ベースのレプリケーションを行いたい場合は、IBM InfoSphere Data Replicationのような製品が必要になります(なお、3台以内のDB2 for LUWのデータ・サーバー間でQレプリレーションを行う場合は、DB2のアドバンスト・エディションを選択することもできます)。
RCACおよびLBAC
RCACおよびLBACのセキュリティー機能を使用すると、データ管理者はユーザーがアクセスできるデータを精密に制御することができます。RCACを使用すると、データ管理者はカスタム・ルールを簡単に適用することによってテーブルの行レベルと列レベルでユーザーとグループによる読み取りと書き込みを制御し、テーブルの列レベルで読み取りのためのアクセスを制御することができます。稼働環境においては、アクセス権のない列はマスキングされ、アクセス権のない行はユーザーから完全に見えなくなっています。RCACは詳細設定が可能な柔軟なセキュリティー・メカニズムを提供するばかりでなく、RCACを使用することによって、同じテーブル内のテナント・データを透過的かつ高パフォーマンスなデータベース・サービスとして自動的に分離できるため、複数テナントをサポートするアプリケーションの開発を簡略化することができます。これらの機能を通じて、DB2が提供する既存のマルチ・テナント・サービスの機能をさらに高めることができます。

LBACはRCACと似ていますが、LBACはテーブル・オブジェクトに付加されたセキュリティー・ラベルを使用することによってユーザーのアクセス権を制御します。オブジェクトにアクセスしようとするユーザーは、セキュリティー・ラベルの許諾を受ける必要があります。ユーザーがセキュリティー・ラベルの許諾を受けているとアクセスすることができますが、許諾を受けていない場合は、アクセスが拒否されデータが見えなくなります。RCACとは異なり、LBACはビジネス・エンティティー(政府機関のセキュリティー・レベルなど)を厳密に階層構造で管理することによってアクセス制御を行う必要のあるアプリケーションに特に向いています。

高可用性機能
本エディションに含まれる高可用性機能によって、オンラインでのテーブルの再編成を実施し、IBM Tivoli SA MP (Tivoli System Automation for Multiplatforms)による高可用性サービス(DB2に組み込まれたサービス)用に2ノード用のクラスター・ライセンスを提供し、DB2 Advanced Copy Services (ACS)とHigh Availability Disaster Recovery (HADR) をサポートするができるようになり、DB2 Expressサーバー上で稼働するアプリケーションの可用性を高める多くのサービスを提供することができるようになりました。

HADRとは簡単にデータベースの可用性と保護を実現する一連の可用性サービスのことを指し、ソリューション・スタック全体でデータベースの冗長性が実現するだけでなく、最も厳密なサービスレベルアグリーメント(SLA)に基づいて、30秒から60秒の修復までの平均時間(MTTR)の条件を達成することができます。HADRの素晴らしい点は、設定が非常に簡単なことです。さらに、読み取り専用スタンバイ・テクノロジーを活用することによって、読み取り専用のクエリーのためにスタンバイのHADRデータベースを構築することができます(このようなスタンバイ・データベースへのアクセスについては、ライセンスの許諾条件を考慮する必要があります)。

HADRを活用すると、最大3台のスタンバイ・サーバーをサポートできます。この機能を通じて複数のサイトにおいてデータのレプリケーションを行うことによって、DB2に組み込まれた使いやすいHADRテクノロジーに基づいて高可用性と災害復旧を実現することができます。さらに、ログ・データがスタンバイ・サーバーに提供される前に一定の猶予時間を設定することによって、プライマリー・サーバーで発生した人的なエラーやアプリケーション・エラーがスタンバイ・サーバーに反映されることを防止するためのバッファーを設定することができます。

オンラインによるテーブルの再編成機能(REORG)
インプレースREORGと呼ばれることもあるオンラインによるテーブルの再編成機能(REORG)は、他のベンダーのソリューションでは得られない機能を提供します。従来のシャドー・コピーの手法に伴う追加のディスク・スペースが必要になることなく、テーブルの再編成を継続的に実行することができます。処理の実行形態を変更するたびに、REORGの実行、中止、調整を行うことができるため、迅速にメリットを実現することができます。例えば、夜間に再編成を実行し、日中は再編成の実行を抑え、場合によっては中止することができます。
DB2 Advanced Copy Services (ACS)
DB2 ACSを活用すると、対象となるストレージ・デバイスの迅速なコピー機能に基づいてバックアップとリストアの処理におけるデータ・コピーのプロセスを実行することができます。ストレージ・デバイスを使用のうえデータのコピーを実行することによって、バックアップとリストアの処理をより迅速に実行することができます。DB2 ACSを使用したバックアップ処理は、スナップショット・バックアップと呼ばれることがよくあります。
DB2に組み込まれたクラスタリング・サービス
DB2に標準機能として含まれるクラスタリング・サービスを活用することによって、2台のサーバーをクラスタリングして高可用性を実現し、場合によってはHADRソリューションのフェイルオーバーを自動的に行うことができます。さらに、DB2のインストール・プログラムによって、高可用性クラスターを自動的に設定することができます。より堅牢なDB2の高可用性ソリューションを実現するために、高可用性の管理フレームワークがあり、ユーティリティーとしてDB2 High Availability Instance Configuration Utility (db2haicu)が提供されます。このテキスト・ベースのインターフェースによって、クラスタリング環境において可用性の高いデータベース・テクノロジーのインフラ定義の設定・管理・同期を行うことができます。

DB2がユーザーのシステムの検索を実施することによって、ユーザーが使用しているデータベース・インスタンス、クラスター環境、クラスター・マネージャーに関する情報を自動的に収集することができ、変更が行われた場合に、クラスター全体のデータを同期します。例えば新規のストレージ・コンテナを追加した場合の影響について考えてみましょう。クラスターのあるコンポーネントに変更を加えると、他のコンポーネントにも変更を反映する必要がありますが、DB2がこの処理を自動的に行ってくれるのです。これは非常に大きなメリットです。この処理は手間がかかり、エラーが発生しやすいプロセスであり、人的なエラーはダウンタイムを引き起こす第1の原因となっています。DB2はこの問題の解決に大いに役立ちます。

ライセンスの許諾条件と課金体系
DB2 Express 10.5がインストールされたサーバーまたは仮想セッションには、以下の制限が適用されます。
  • DB2 Expressは最大64 GBのメモリーで使用することができます。同時に起動するDB2の複数のインスタンスが存在する場合でも、あるサーバーまたは仮想セッション内に存在するすべてのインスタンスおよびデータベース全体に適用されるメモリーについて合計64 GBの制限を越えて使用することはできません。使用している仮想テクノロジーによって64 GBの制限を設定することができない場合は、DB2のインスタンス・メモリーのコンフィギュレーション・パラメーターを使用して手作業で設定することができます。
  • DB2 Expressでは、1サーバーまたは1仮想セッションごとに最大8プロセッサー・コアを使用することができます。DB2 Expressはあらゆるサイズの物理サーバー上にインストールすることができますが、本エディションが使用できるのは8プロセッサー・コアまでです。DB2 Expressを8プロセッサー・コアを超えて使用したい場合は、IBMが承認する仮想化テクノロジーを使用して物理サーバーのパーティショニングを行う対応法があります。コア数の制限が仮想セッションごとに設定されているため、2ライセンスのDB2 Expressをそれぞれ別の仮想サーバーにインストールし、DB2 Expressの各コピーが8プロセッサー・コアを使用すれば、合計で16プロセッサー・コアを使用することができます。これは、複数の小規模なスタンドアロン・サーバーのワークロードを統合するために、大規模な物理サーバーを利用する最適な方法と言えます。
  • DB2 Expressのデータベースで使用できるユーザー・データは、どの課金体系を使用した場合でも15 TBまでに制限されます。

DB2 Expressのライセンスは、以下のいずれかの課金体系で取得することができます。

  • プロセッサーValue Unit (PVU): DB2 Expressのソフトウェアがインストールされるサーバーまたは仮想セッションのPVUの総数に基づいてライセンスを取得します。DB2 Expressは仮想セッションごとに8プロセッサー・コアを越えるコアを使用することはできないため、仮想セッションで利用できるコア数を8コア以下に制限することによって、PVUの課金体系に基づくライセンス・コストを最小限に抑えることができます。本ライセンスを取得すると、無制限の人数のユーザーがあらゆる方法でDB2 Expressにアクセスすることができます。PVUに基づいて1台以上のDB2 Expressのウォーム・スタンバイ・サーバーに対してライセンスを取得する場合、プロセッサーのアーキテクチャーに関係なく、物理スタンバイ・サーバーごとに100 PVUのライセンスを取得する必要があります。PVUのライセンスに関するより詳細な情報については、仮想テクノロジーに基づくキャパシティーのカウントのルールを説明したIBMのWebサイトを読んでください。
  • 許可ユーザー・シングル・インストール(AUSI): 個別のサーバーまたは仮想セッション上で稼働するDB2 Expressのコピーにアクセスする許可ユーザー(AU)の総数に基づいてライセンスを取得します。1名の許可ユーザーは、ユーザーの社内外に在籍し、他のユーザーの代理としてアクセスを行うことのない特定のIDを有する1名の個人(AUは、アプリケーションまたはアプライアンスのことを指すことがあります)を指します。本ライセンスをインターネット上で提供するソリューション(オンライン・バンキングのアプリケーションなど)に適用できるのは、エンドユーザーが明確に特定できる場合に限られます。というのも、本ライセンスを適用するにあたっては個々のエンドユーザーを特定する必要があるためです。上記で「特定のID」という言葉を使用していることに注意してください。マルチプレキシングやアクセスを集約するソフトウェアを使用している場合は、そのようなテクノロジーをアクセスのために適用する前のエンドユーザーを明確に特定する必要があります。さらに、AUSIのライセンスは特定のデータ・サーバーに対してのみ適用され、AUSIのライセンスはシフト勤務を行う従業員間で譲渡することはできません(ただし、従業員の退職や異動に基づいてある従業員から別の従業員に移転することは可能)。

    データベースにアクセスするあらゆるユーザーに対してAUSIライセンスを取得する必要があります。しかし、DB2 Expressサーバーにアクセスしているユーザーの人数にかかわらず、最低でも5ライセンスのAUSIライセンスを取得する必要があります。例えば、25人のユーザーが異なる仮想セッション上で稼働している2台の個別のDB2 Expressサーバーにアクセスする必要がある場合、この25名のユーザーに対して合計で50(サーバーあたり25のAUSIライセンス×2)のAUSIライセンスが必要です。ある時点でこのユーザーのうち12名しか各サーバーにアクセスしない場合は、25名全員のユーザーに対して各サーバーにアクセスするためのライセンスを取得する必要があります(したがって合計で50のAUSIライセンスが必要)。また、1台のDB2 Expressサーバーに対してたった3名のユーザーしかアクセスしない場合は、本エディションの最小ユーザー数の条件に基づいてAUSIライセンスを5ライセンス取得する必要があります。最後に、DB2 Expressのウォーム・スタンバイ・サーバーに対してライセンスを取得する場合は、本番サーバー(ホット・サーバー)がAUSIのライセンスを使用している場合は、ウォーム・スタンバイ・サーバーに対してもAUSIライセンスが5ライセンス必要です。

  • 12カ月間の使用期間付きのサーバー・ライセンス(FTL): FTLのサーバー・ライセンスに基づいてDB2 Expressを使用する場合は、DB2 Expressサーバーについて1年有効なライセンスとサポートの権利を取得したことになります。FTLの契約期間が満了すると、本製品に関するサポート契約と使用権は失効します。FTLライセンスのコストは簡単に計算することができます。ユーザーの数、サーバーのPVUの値、プロセッサー・コア数などの要素を気にする必要はありません(ただし、リソース制限はあります)。インストールを行うサーバーや仮想セッションごとに1 FTLライセンスを購入すれば済みます。ライセンスの取得は非常に簡単です。サーバーが5台あれば、5ライセンスを購入します。FTLライセンスを取得することによって、無制限の人数のユーザーがDB2 Expressサーバーにアクセスすることができます。プライマリー・サーバーに対してFTLライセンスを取得する場合は、ウォーム・スタンバイ・サーバーの物理サーバーごとに1 FTLライセンスを取得する必要があります。本課金体系においては、スタンバイ・サーバーの種類(すなわち、ウォームまたはホット)は関係ありません。種類に関係なく、スタンバイ・サーバーの数と同じ数量のライセンスを取得するだけです。
  • サーバー・ライセンス(Limited Use Virtual Serverライセンス): 本ライセンス・オプションを取得すると、無制限の人数のユーザーが一定期間または永続的にデータ・サーバーにアクセスすることができます。本ライセンスはサーバーごとに取得し、物理サーバーのサイズに制限はありません。本ライセンス・オプションは、複数の仮想サーバーを通じてDB2 Expressを稼働する1台の物理サーバー上に複数のワークロードを集約したい場合に最適なオプションです。DB2 Expressを稼働する各物理サーバーまたは各仮想サーバーの最大キャパシティーは64 GBのメモリーと8プロセッサー・コアに制限されています。例えば単一の物理サーバーまたは仮想セッション上に複数のDB2 Expressのコピーがインストールされている場合でも、DB2 Expressのすべてのコピーが使用するプロセッサーのコア数が8コアの場合は、追加のライセンスは必要ありません。本ライセンス・オプションに基づいてウォーム・スタンバイ・サーバーのライセンスを取得する場合は、各物理スタンバイ・サーバーに対して1ライセンスが必要です。本ライセンスを適用したプライマリー・サーバーのホットまたはウォームのスタンバイ・サーバーに対しては、各サーバーに対して1サーバー・ライセンスを取得する必要があります。コールド・スタンバイ・サーバーに対しては、ライセンスは不要です。

8プロセッサー・コアを越える物理サーバー上でDB2 Expressを使用する場合は、IBMのサブキャパシティー・ライセンスの条件に基づいて大きくコストを削減することができます。サブキャパシティー・ライセンスの条件を適用すると、DB2が使用するプロセッサー・コアに関するライセンスのみを取得します。しかしながら、課金体系、プラットフォーム、仮想テクノロジーによって、サブキャパシティー環境で本エディションを使用するにあたっての条件が異なります。サブキャパシティー・ライセンスに関するより詳細な情報が必要な場合は、仮想テクノロジーに基づくキャパシティーのカウントのルールを説明したIBMのWebサイトまたはサーバー・ライセンスの許諾条件を説明したサブキャパシティー・ライセンスのガイドを読んでください。

図2では、DB2 Express-CとDB2 Expressの主な相違点を列挙しています。

図2. DB2 Express-CとDB2 Expressの相違点
DB2 Express-CとDB2 Expressの相違点
DB2 Express 10.1から10.5にかけての変更点
DB2 10.5から、1サーバーまたは1仮想セッションに対して最大64 GBのRAMと8プロセッサー・コアを使用できるようになりました。各データベースに含まれるユーザー・データの容量は15 TBを超えることはできません(本データ容量はDB2とともに提供されるスクリプトで確認することができます)。DB2 10.1では1サーバーまたは1仮想セッションあたり8 GBのRAMと4 プロセッサー・コアの制限が設定されていました。また、DB2 10.1ではデータベース・サイズの上限は設定されていませんでした。
本エディションの活用にあたってのポイント
DB2 Expressは、64 GBを超えるデータベース・メモリーや8プロセッサー・コアを超える処理能力を使用する必要がないワークロードに適したエントリー・レベルのDB2サーバーです。本エディションは、テーブルの集計や多次元クラスタリング(MDC)のような高い拡張性やアナリティクス機能を必要とするアプリケーションには向いていません。これらの機能はDB2 Expressの基本機能には含まれないためです。
DB2 Expressの先進的な導入事例
特にSMB企業を対象としてエンドツーエンドの機能を提供するソフトウェアを販売する世界有数の企業であるSageは、同社のACCPACアプリケーションの標準データベースとしてDB2 Expressを採用しています。製品管理担当のバイス・プレジデントを務めるCraig Downing氏はこうコメントします。「DB2を見ると、IBMがSMB市場に注力していることがよく分かります。特に、管理タスクの自動化機能を充実させたことによって、小規模企業や中堅企業は管理作業を増やすことなくデータの信頼性を高めることができるようになりました」

北米地域の280万人以上(全世界では450万人以上)のユーザーにサービスを提供する企業がDB2 Expressを使用して最も使用頻度の高いアプリケーションを提供しています。DB2 Expressの高い信頼性と低い管理コストが評価されたためです。これも、DB2がお客様の素晴らしいビジネスを支えている事例と言えます。


DB2 Workgroup Server Edition: 高可用性機能によって部門のワークロードを実現するエディション

DB2 Workgroup Server Edition(DB2 Workgroup)はDB2 Expressと同じ機能に加えてテーブル・パーティショニングの機能を提供します。テーブル・パーティショニング(「レンジ・パーティショニング」と呼ばれることもあります)を使用すると、1つ以上のテーブルの列に含まれる値に基づいてテーブル・データを複数のストレージ・コンテナに分割することができます。例えば売上データを含むテーブルがある場合、売上年度別にテーブルのパーティションを割り当てることができます。テーブルに新規の売上レコードが追加されると、DB2は自動的にこのレコードを適切なデータ・パーティションのレンジに配置します。テーブル・パーティショニングのメリットとしては管理のしやすさの向上(テーブル全体ではなくデータ・パーティションのレンジのバックアップとリストアが行えるため)およびアップタイムの改善(テーブル全体をオフラインにすることなく、データ・パーティションのロールインとロールアウトが行えるため)が挙げられます。

またメモリーとプロセッサー・コア数の条件が緩和されているため、DB2 WorkgroupはDB2 Expressよりも厳しい条件のワークロードを処理することができます。このため、DB2 WorkgroupはDB2 Expressが提供できるメモリー容量と処理能力を超えるキャパシティーを必要とする部門レベルのトランザクション・ワークロードに適したエディションと言えます。

さらにDB2 WorkgroupはDB2 Expressよりも幅広いプラットフォームに対応し、DB2が稼働するほとんどすべての分散プラットフォーム(Linux(x64およびIBM Power Systems上で稼働)AIXSolaris(SPARCおよびx64)HP-UX Itanium、およびWindows)をサポートします。リンクは、プラットフォームに関する最新のサポート情報のページを示しています。

DB2 ExpressのフィーチャーはDB2 Workgroupでも提供されます。例えば、STMM、バックアップのための圧縮機能、アーカイブ・ログの圧縮、pureXML、Homogeneous Federation、複数のスタンバイ・サーバーを管理するHADR、行および列のアクセス制御機能、タイム・トラベル照会機能などはすべてDB2 Expressのフィーチャーであるため、DB2 Workgroupでも提供されます。

ライセンスの許諾条件と課金体系
DB2 Workgroupでは、1サーバーまたは1仮想セッションあたり最大16プロセッサー・コアを使用することができます。さらに、DB2 Workgroupでは1サーバーまたは1仮想セッションあたり最大128 GBのRAMを使用することができます。これらの制限は、特定のサーバーまたは仮想セッションにおいて稼働しているDB2のインスタンスの数にかかわらず遵守する必要があります。これらの制限を遵守するためには、必要に応じてIBMが認めた仮想テクノロジー適切なDB2のメモリー制限に関するパラメーターを活用する必要があります。

例えばパーティショニングを適用していないサーバーに32プロセッサー・コアが含まれる場合は、DB2 Workgroupをインストールすることはできません。DB2サーバーが16プロセッサー・コアのみを使用することを保証することができないためです。しかしながら、VMWareのセッションを使用して16コアのみを使用するように設定を行えば、当該仮想セッションにおいてDB2 Workgroupをインストールし、IBMのサブキャパシティー・ライセンスの許諾条件に基づいてDB2が実際に使用するコア分のライセンス料金を支払うだけで済みます。

もちろん、DB2 Workgroupを異なる仮想セッションに個別にインストールする場合は、CPUおよびRAMの上限に基づいてインストールすることができます。つまり、部門業務のワークロードを1台の大規模な物理サーバーに統合する際には、DB2 Workgroupは理想的なエディションと言えます。IBMが認めた仮想テクノロジーを使用して大規模な物理サーバーを複数のより小規模な仮想サーバー(各サーバーのコア数は16コアを超えないように設定)に分割することによって、大規模な物理サーバーのキャパシティーをフルに活用することができます。

例えば、2つのVMWareのセッションを設定し、各セッションにDB2 Workgroupをインストールし、物理サーバーに256 GBのRAMが存在する場合、各セッションのDB2 Workgroupサーバーは最大128 GBのRAMを使用することができます。各インスタンスは個別の仮想セッション内に存在するため、同じ物理サーバー上に存在するDB2 Workgroupサーバーの各インスタンスに対してライセンスを取得する必要があります。つまり、セッションごとにライセンスを取得し、2つのインスタンスにおいてセッションごとに128 GBのRAMを使用することができます。

DB2 Workgroupのデータベースで使用できるユーザー・データは、どの課金体系を使用した場合でも15 TBまでに制限されます。

DB2 Workgroupのライセンスは、以下のいずれかの課金体系で取得することができます。

  • プロセッサーValue Unit (PVU): DB2 Workgroupのソフトウェアをインストールしたサーバーまたは仮想セッションのPVUの総数に基づいてライセンスを取得します。DB2 Workgroupは1サーバーまたは1仮想セッションにおいて最大16プロセッサー・コアしか使用できないため、DB2がアクセスするコア数を16コア以下に設定することで、使用しないコアに対するライセンス料金を支払わずに済みます。本ライセンスを取得すると、無制限の人数のユーザーがあらゆる方法でDB2 Workgroupサーバーにアクセスすることができます。PVUに基づいてDB2 Workgroupのウォーム・スタンバイ・サーバーに対してライセンスを取得する場合、使用しているプロセッサー・アーキテクチャーや物理サーバー上で起動する予定のウォーム・スタンバイ・サーバーの数に関係なく、必要なライセンスは物理サーバーごとに100 PVUです。この場合、すべてのホット・プライマリー・サーバーにおいても、PVUの課金体系に基づいてDB2 Workgroupのライセンスを取得する必要があります。そうでない場合、PVUの課金体系でライセンスを取得するプライマリー・サーバーに対してウォーム・スタンバイ用に100 PVUのライセンスを取得し、別の課金体系でライセンスを取得する他のDB2サーバーに対しても追加のライセンスを取得する必要があります(訳者注: ウォーム・スタンバイ・サーバーがすべて同じ物理サーバー上にあったとしても)。このため、DB2 Workgroupのプライマリー・サーバーのすべてについて同じ課金体系に基づいてライセンスを取得する方が、ウォーム・スタンバイ・サーバーのライセンス・コストを最小限に抑えることができるため、合理的なライセンス取得方法と言えます。
  • 許可ユーザー・シングル・インストール(AUSI): 本課金体系の条件は、既に説明したDB2 ExpressのAUSIライセンスの条件と同じです。このライセンスは、個別のサーバーや仮想セッション上で稼働するDB2 Workgroupの各インストール・コピーにアクセスする許可ユーザー(AU)に適用されます。DB2 Expressの場合と同様に、本ライセンスは、ライセンスを持たず、権限を付与されていないユーザーがDB2 Workgroupサーバーにアクセスすることのないように、同サーバーにアクセスする個人に適用される十分な数のAUSIライセンスを事前に購入したい場合に最適と言えます。さらにDB2 Expressの場合と同様に、DB2 Workgroupのコピーをインストールしたサーバーや仮想セッションごとに5 AUSIライセンス以上を取得する必要があります。ただし、同じ仮想セッション内に複数のコピーをインストールした場合はライセンスの許諾条件においては1つのインストールとみなします。例えば、単一の16コアのパーティションにDB2 Workgroupの2コピーをインストールおよび起動していて、7名のユーザーがいずれかのサーバーにアクセスする場合は、7 AUSIライセンスを取得すれば済みます。しかしながら、このDB2 Workgroupの2コピーを別々の仮想セッションにインストールした場合は、14(= 7×2)のAUSIライセンスが必要になります。さらに、DB2 Workgroupのウォーム・スタンバイ・サーバーに対してライセンスを取得する場合は、物理サーバーごとに5 AUSIライセンスを取得する必要があります。
  • ソケット・ライセンス (Limited Use Socketライセンス): DB2 Workgroupのこのライセンス・オプションにおいては、DB2が使用する稼働サーバーまたは仮想セッションごとに存在する各ソケットに対して設定された価格を支払うことによってライセンスを取得します。16プロセッサー・コアの制限に加えて、ソケット数が4プロセッサー・ソケットを越えることもできません。例えば、パーティショニングが行われていない4ソケットで1ソケットあたり4コアのXeon Nehalem EX E38899サーバー(1,120 PVUに相当)が存在する場合、4ソケット・ライセンス取得するだけで済みます。しかしながら、物理サーバーのコア数が16コアを超える場合は、まずサーバーのパーティショニングを行うことによって、DB2 Workgroupの各コピーが使用するコア数を16コア以下に制限する必要があります。さらに仮想化環境を実装している場合は、DB2 Workgroupが使用する仮想コアの数に基づいて購入する必要のあるソケット・ライセンスの数を計算する際にさらに複雑な計算が必要になります。その際、以下のシンプルな計算方法を使用することによって、ほとんどあらゆる活用シナリオで有効な必要なソケット・ライセンスの数を計算することができます。
    1. DB2 Workgroupの1コピーをインストールする物理サーバーまたは仮想セッション(パーティショニングが適用されている場合)ごとに、サーバーで利用可能なプロセッサー・コアの数を数える。
    2. 単一の物理サーバー上に存在するすべての仮想サーバーについて、ステップ1の計算を行う。
    3. ステップ2の計算結果を、物理サーバーに存在するソケットが有するプロセッサー・コアの数で割る。
    4. ステップ3で得られた計算結果を最も近い整数に切り上げる。
    5. ステップ4の計算結果と物理サーバー上で使用されているソケット数のうち、小さい方の数が必要なソケット・ライセンスの数となる。

    例えば、48コアの単一の物理サーバー(ヘキサコア(6コア)のソケットを使用)上の2つの論理パーティション(LPAR)でDB2 Workgroupを稼働したいとします。さらに、1つのLPARには5コアが存在し、残りのLPARには7コアが存在しているとします。この場合上記のライセンスの計算方法を適用すると、5コアのLPARに対しては1ソケット・ライセンス、7コアのLPARに対しては2ソケット・ライセンスが必要になります。したがって、本環境においては3ソケット・ライセンスの購入が必要になります。DB2 Workgroupのソケット・ライセンスの購入例については、サブキャパシティー・ライセンスのガイドを読んでください。

    ソケット・ライセンスのメリットとは、ソケット内に存在するコア数にかかわらずソケットごとに単一の価格を支払えば済むことです。ただし、その際16コアの上限数を超えないように注意する必要があります。したがって、ソケット・ライセンスは1ソケットあたり多くのコア数を持つハイエンド・プロセッサーの場合にメリットが最も大きくなります。PVUと同様に、ソケット・ライセンスでも無制限の人数のユーザーがDB2 Workgroupサーバーにアクセスすることができるため、顧客がアクセスするアプリケーションにとっては理想的な課金体系と言えます。

    プライマリー・サーバーに対してソケット・ライセンスを購入している場合、物理サーバーごとに単一のソケット・ライセンスの価格を支払うことによって、1台以上のウォーム・スタンバイ・サーバーを使用することができます。

DB2 Workgroup 10.1から10.5にかけての変更点
DB2 10.5から、サーバーまたは仮想セッションごとに128 GBのRAMを使用できるようになりました。各データベース上のユーザー・データのキャパシティーは15 TBを超えることはできす、この数値はDB2とともに提供されるスクリプトによって確認することができます。DB2 10.1ではサーバーまたは仮想セッションごとに使用できるRAMの容量は64 GBに制限されていました。また、DB2 10.1ではデータベース・サイズの上限は設定されていませんでした。

DB2 10.1からの最も重要な変更は、DB2 Workgroup EditionからDB2 pureScaleのクラスタリング機能が削除されたことと言えるでしょう。本機能は、DB2 Advanced Workgroup Server Edition、DB2 Advanced Enterprise Server Edition、およびDB2 Developer Editionにおいてのみ提供されるようになりました(後述の説明を参照)。DB2 pureScaleを使用している既存のDB2 Workgroupのユーザーは無償でDB2 pureScale機能を引き続き使用できるようリクエストを出すことができます。本条件については、DB2 10.5の製品発表レターに記載されています。

本エディションの活用にあたってのポイント
DB2 Workgroupは、ビジネスにおいてさまざまな用途に活用することができます。本エディションは、拡張性と可用性の高い包括的な機能を提供するリレーショナル・データベースのデータ・ストアが必要であるものの、128 GBを超えるメモリーや16コアを超える処理能力は必要ではない小規模企業や中堅企業のビジネスの業務処理に向いています。おそらく、全社的な業務アプリケーションを小規模なサーバーを使用して実行する環境や、トランザクションの処理量がそれほど高くない全社的なアプリケーションを実行したい部門システムの場合には、DB2 ExpressよりもDB2 Workgroupが向いていると思われます。しかしながら、DB2 Expressと同様に本エディションはデータの集計機能やMDCテーブルのような分析機能を必要とするアプリケーションにはそれほど向いていません。これらの機能はDB2 Workgroupサーバーによって提供されないためです。
DB2 Workgroupの先進的な導入事例
Montefarmaco OTCは、イタリアで店頭販売(OTC)の医薬品とヘルスケア製品を取り扱う主要企業です。同社はおよそ12,000軒の全国の薬局に製品を提供し、毎年最大で40,000枚の請求書を発行しています。各請求書は処理をしたうえで、さまざまなイタリアの医薬品業界の規制に準拠するために数年間にわたって保存する必要があります。

請求書のレポジトリーの管理を行うために、Montefarmaco OTCはDB2 Workgroup Server Editionに基づいて文書管理ソリューションを実装しました。DB2 Workgroupの活用を通じて拡張性とパフォーマンスを最大化できたことによって、ビジネスの成長に合わせて増大するデータ容量に対応できる環境が生まれました。同時に、同社では全体的なストレージ・コストと管理コストを50%程度削減できると考えています。つまり、DB2 Workgroup Server Editionを活用することによって、処理する業務ボリュームを増やしたうえでコストを削減できるのです。請求処理部門のスタッフもDB2の処理能力の高さには脱帽しています。


DB2 Enterprise Server Edition: 卓越した拡張性、障害耐性、柔軟性を実現するエディション

DB2 Enterprise Server Edition (DB2 Enterprise) は、包括的かつ高度な機能を提供する、Webをサポートするクライアント・サーバー・データベースで、DB2が稼働するすべての対応可能な分散プラットフォームで使用することができます。対応するプラットフォームとしては、Linux(x86、IBM Power Systems、System z)、AIXSolaris (SPARCおよびx64)HP-UX (Itanium)、およびWindowsがあります(リンクは、プラットフォームに関する最新のサポート情報のページを示しています)。

DB2 Enterpriseは大規模および中規模の部門サーバー向けのエディションであり、基本となる豊富な機能とサービスを提供します。例を挙げると、クエリーの並列処理(単一のクエリーを複数に分割したうえで、並列処理を実行するテクノロジー)、MDCテーブル(複数の列属性に基づいてデータのクラスタリングを行うことによって、迅速なデータ抽出を行い管理を簡略化するテクノロジー)、マテリアライズ照会表(MQT)(ビューのような機能を提供し、検索結果を事前に準備し、他のクエリーで使用できるようにするテクノロジー)などのクエリーのパフォーマンスを高める機能はDB2の本エディションには無償で含まれています。これらの機能はDB2 ExpressやDB2 Workgroupでは提供されません。

さらに、DB2 EnterpriseはMulti-Temperature Storageによるデータ管理機能を提供します。本機能を使用すると、最も高価なストレージ・デバイスをアクセス頻度の最も高いデータに割り当てることができ、最も安価なストレージ・デバイスをアクセス頻度の最も低いデータに割り当てることができます。その結果、ニーズに応じてI/Oスループットとパフォーマンスを最大化することができます。例えば、小売売上データを含む大容量のテーブルがあるとします。直近の四半期のデータは頻繁に挿入と更新が行われ、このようなトランザクションは迅速に実行する必要があるものの、古いデータはそれほど頻繁にアクセスが行われず、レスポンスタイムが多少長くなってもよい場合は、処理に遅延が発生することがあります。DB2のMulti-Temperature Storageによるデータ管理機能を使用すると、直近の四半期のデータを処理スピードの速いSSDストレージに保存し、その他のデータを処理スピードが劣るディスク・ストレージに保存するようにDB2の設定を行うことができます。その後、アプリケーションに対して透過的かつ自動的にこの処理がDB2によって実行されます。

DB2の本エディションでは使用できるRAMの容量に上限は設定されていません。当社の研究所で実施したあるベンチマーク・テストの結果を見ると、本エディションはバッファー・プール用に4 TBのメモリーを持つシステムでも起動しています。これは、多くの企業がデータを管理するために使用しているRAM容量を超えています。また、DB2 Enterpriseのソフトウェアが稼働するサーバーや仮想セッションに関するPVU値についても上限は設定されていません。このようにリソースの上限が設定を設定しないことによってトランザクション・ワークロードとアナリティクス・ワークロードで高パフォーマンスを実現できるDB2 Enterpriseは、処理要件の最も厳しい単一サーバーによるOLTPワークロードやさまざまなワークロードの混在環境に適しています。

ライセンスの許諾条件と課金体系

DB2 Enterpriseのライセンスは、以下の2種類の課金体系で取得することができます。

  • プロセッサーValue Unit (PVU): 本ソフトウェアを稼働する予定のサーバーや仮想セッションに関する PVUの総数に基づいてライセンスを取得することによって、無制限の数のユーザーとデバイスがDB2 Enterpriseサーバーにアクセスすることができます。異なるプラットフォームや仮想化テクノロジーごとに、サブキャパシティー環境で本DB2エディションを使用するにあたっての前提条件が異なります。ウォーム・スタンバイ・サーバー(HADRコンフィギュレーションの場合など)のためにDB2 Enterpriseのライセンスを取得する場合は、物理スタンバイ・サーバーごとに100 PVUを取得すれば済みます。
  • 許可ユーザー・シングル・インストール(AUSI): 本課金体系の条件は、上記において説明したDB2 ExpressのAUSIライセンスの条件と同じです。ただし、本AUSIライセンスは、個別のサーバーや仮想セッション上で稼働するDB2 Enterpriseのコピーにアクセスする許可ユーザー(AU)に適用されます。DB2 Expressの場合と同様に、本課金体系は、DB2 Enterpriseサーバーにアクセスする個人に関する十分な数のAUSIライセンスを事前に特定し購入することができる環境に最適と言えます。さらにDB2 ExpressやDB2 Workgroupの場合と同様に、DB2 Enterpriseでは購入対象となるAUSIライセンスの最小数が設定されています。ただし、DB2 ExpressやDB2 Workgroupに設定されたサーバーごとに5 AUSIライセンスの最小購入数とは異なり、DB2 Enterpriseのライセンスでは、サーバーまたは仮想セッションのPVU値が100 PVUに達するごとに25 AUSI以上のライセンスを取得する必要があります。ただし、各インスタンスにおいては、AUSIではなくPVUの課金体系でライセンスを取得した方がコスト・メリットが高くなる損益分岐点が存在します。さらに、HADR環境のウォーム・スタンバイ・サーバーのためにDB2 Enterpriseのライセンスを取得する場合は、25 AUSIライセンスを取得するだけで済みます(サーバーのPVU値が100 PVUの場合の最小ライセンス数)。

    例えば、IBM Power 7 750サーバーの4コアのLPAR(1コアあたり100 PVU)でDB2 Enterpriseを稼働するとします。この場合、本パーティションのPVU値は全体で400 PVUとなるため、100 AUSIライセンス以上を購入する必要があります(400 PVU÷100 PVU = 4、4×25 AUSI = 100 AUSI)。仮に、4つのクアド・コア・プロセッサー(1コアあたり120 PVU)を持つPower7 770サーバー上でDB2 Enterpriseを稼働する場合は、本サーバーのPVU値が1,920 PVUとなるため、500 AUSIライセンス以上を購入する必要があります。PVU値が100 PVUを超えた場合は、端数分については繰り上げて最小AUSIライセンスを取得することを前提に、最小ユーザー数を計算する必要があります。

    さらに別の例を挙げます。75名のユーザーが2台の個別のDB2 Enterpriseサーバーにアクセスする必要がある場合は、この75名のユーザーに対して150 AUSIライセンスを購入する必要があります。計算ロジックは、2サーバー×75 AUSIライセンス(サーバーごと) = 150 AUSIライセンス(各サーバーに対して75 AUSIライセンス)となります。しかし、この2台のサーバーに2つのクアド・コアのIntel Xeon E52600ベースのプロセッサー(1コアあたり70 PVU)が含まれる場合は、DB2 EnterpriseのAUSIライセンスの最小購入数の条件(サーバーのPVU値の100 PVUごとに25ユーザー)に基づいて、300 AUSI(1サーバーあたり150 AUSI)以上のライセンスの購入が必要になります。その際の計算ロジックは、以下のとおりです。[2ソケット×4コア = 8コア、8コア×70 PVU(1コアあたり) = 560 PVU、560 PVU÷100 PVU(端数切り上げ) = 6、6×25 AUSI = 150 AUSI、150 AUSI×2サーバー = 300 AUSI]

DB2 Enterprise 10.1から10.5にかけての変更点
DB2 10.5から、DB2 pureScale FeatureとDB2 Storage Optimization FeatureはDB2のアドバンスト・エディションにバンドルされるようになりました(本記事の後述の説明を参照)。これらのフィーチャーは、DB2 Enterpriseの有償アドオン・フィーチャーとしては購入できなくなりました。

以前はInfoSphere Warehouseのエディションに含まれていたWarehouse Design StudioおよびSQL Warehousing (SQW)のツールは、DB2 Enterprise 10.5に含まれるようになりました。Warehouse Design Studioは、物理データ・モデル、OLAPキューブ、データマイニング・モデル、SQLデータ・フロー、および制御フローを作成するにあたっての共通の設計環境を提供します。SQWによるグラフィカル・ツールは、ウェアハウスのメンテナンスと管理およびデータの抽出・加工・ロード(ETL)のためにSQLを生成するため、SQLを手作業でコーディングする必要がなくなります。これらのツールを使用すると、DB2 Enterpriseに標準で組み込まれたアナリティクス機能をさらに有効活用できます(上記の説明を参照)。

本エディションの活用にあたってのポイント
柔軟性(テーブル・パーティショニング機能など)や拡張性(PVUやRAMの上限が設定されていないことなど)を最大限に高めたいアプリケーションには、是非DB2 Enterpriseを実装するようお勧めします。DB2ではこれらについて制限がないため、本エディションの実装に関してキャパシティー・プランニングを考慮する必要はありません。さらに拡張性を最大化するためにサーバーをクラスタリングしたい場合、大量のデータに対してウェアハウスのワークロードを実行する場合、またはデータの圧縮、ワークロードの管理、画期的なBLUアクセラレーションのテクノロジー、IBM InfoSphere Optimによる生産性向上ツールなどの先進的なフィーチャーやツールを使用したい場合は、DB2のアドバンスト・エディションの実装を検討する必要があります。
DB2 Enterpriseの先進的な導入事例
中国の北京にある故宮博物院(紫禁城)は、中国で最も重要な観光地と言えるでしょう。本博物館は中国の歴史の象徴であり、最も保存状態の良い中国の古い建築物として最大規模を誇っています。

最近になって故宮博物院では史上初の3Dでリアルな体験を提供するシステムによって、紫禁城の空間と時代を生々しく再現するバーチャル・ワールドを作り上げました。インターネット・テクノロジーに基づいて提供される本エクスペリエンスは数百年前の中国の隆盛期における明朝と清朝の紫禁城を再現し、膨大な数のユーザーが参加するマルチプレイヤーゲームと同レベルの拡張性に基づいて、数千名の同時ユーザーをサポートします。本ソリューションはIBMのソフトウェア・スタックのみで構成されており、その中心にあるのがDB2 Enterprise Server Editionです。これも、DB2がお客様の素晴らしいビジネスを支えている事例と言えます。


DB2 Advanced Workgroup Server Edition: 部門のワークロードのニーズに応えるエディション

DB2 Advanced Workgroup Server Edition (DB2 Advanced Workgroup)は、DB2の製品ファミリーで提供される最新エディションです。本エディションはDB2 10.5で初めて提供されました。本エディションは、DB2が稼働するすべての対応可能な分散プラットフォーム(Linux (x64、IBM Power Systems、およびSystem Z)AIXSolaris (x64およびSPARC)HP-UX (Itanium)、およびWindows)で使用することができます。リンクは、プラットフォームに関する最新のサポート情報のページを示しています。

DB2 Advanced Workgroupは、DB2で利用可能な最も先進的なフィーチャー(すなわちOLTP、ウェアハウス、さまざまなワークロードの混在環境)を必要とする中規模の部門システム用のエディションです。ただし、16プロセッサー・コア、128 GBのメモリー(または4プロセッサー・ソケット、詳細の条件については以下の記載を参照)、および15 TBのユーザー・データ(データベースごと)のキャパシティー制限を超えることはできません。

「部門システム用」という言葉に惑わされないようにしてください。DB2 Advanced Workgroupには大きなビジネス・バリューを生むあらゆるデータ管理機能が搭載されています。含まれる機能には、DB2 Enterpriseが提供する全機能に加えて、BLUアクセラレーションによるカラムベースのテーブル、データベースのパーティショニング機能(DPF)、DB2 pureScaleによるクラスタリング機能、圧縮機能、カスタマイズ可能なワークロード管理機能、キュー・ベースのレプリケーション、継続的なデータの取り込み機能、および豊富な管理ツールと開発ツールが含まれます。

データベースのパーティショニング機能(DPF)
InfoSphere Warehouseの機能を継承したデータベースのパーティショニング機能(DPF)を使用すると、定義した分散キーに基づいてテーブル・データを複数のサーバーに分散することができます。DB2によって複雑な分散クエリーを透過的にサブクエリーに分割し、さらにそのサブクエリーに対して並列処理を適用することができます。サイズが非常に大きなデータ・ストアの場合、データベースのパーティショニングを通じて複数の論理パーティションや物理パーティションに処理をスケールアウトすることによってクエリーのパフォーマンスを高めることができます。
DB2 pureScale Feature
DB2 pureScale FeatureはDB2が提供するもう1つのスケールアウト 機能です。しかしながら、データベースのパーティショニング機能(DPF)とは異なり、DB2 pureScaleはOLTPワークロードに可用性と拡張性を提供し、現在から将来にわたって最も厳しいトランザクションの処理ニーズに対応することを目的としています。DB2 10.5からはノードの障害時でも処理を継続でき、冗長性のあるアーキテクチャーを提供し、DB2のHADR機能と連携できるようになったため、画期的なレベルの可用性が実現できるようになりました。DB2 pureScaleはアプリケーションの変更を必要としないため、スムーズにキャパシティーを追加することができます。

DB2 pureScaleについてまず認識すべき特徴は、透過的にアプリケーションの拡張が行えることです。競合他社もこのキャッチフレーズをよく使用するものの、実機能が伴っていないのが現状です。DB2 pureScaleはDB2 for zによるSYSPLEX Coupling Facilityに基づいて構築された機能であり、多くの基本的な特徴(グローバル共有バッファー・プール、ページの登録、およびロッキング・サービスなど)を継承しています。そのため、データ情報のローカリティーをアプリケーションに設定する必要はありません。さらに、あらゆる画期的なエンジニアリング手法が組み込まれることによって分散コンピューティング環境で史上最速の障害の検出とリカバリーを行い、ほぼ直線的な拡張性を実現することができるようになりました。本記事では、DB2 pureScaleの概要と機能について説明することは目的としていません。図3は、DB2 pureScale環境のアーキテクチャー概要を示しています。図が示すとおり、DB2 pureScale環境は複数のデータ・サーバーで構成されています。Cluster Caching Facility (CF)は、グローバル・バッファー・プール、ロック管理、および関連するページ・リストを一元的に管理するサービスを提供します。1つのDB2 pureScale環境には複数のCFサーバーが存在する場合があります。クライアントはDB2 pureScaleクラスター内のメンバーにアクセスすると、メンバーはCFとやり取りを行うことによってクライアント・アプリケーションを処理します。

図3. DB2 pureScale環境のアーキテクチャー
DB2 pureScale環境のアーキテクチャー
DB2の圧縮サービス
DB2の圧縮サービスを使用すると、データの容量を最小限に抑えたうえでデータベースのパフォーマンスを最適化することができます。インテリジェントな圧縮アルゴリズムと圧縮手法を通じてテーブル(一時テーブルを含む)やインデックスなどに存在するデータのサイズを削減することによって、DB2は圧縮率を最大化し、高い圧縮率を継続的に維持することができます。しかも、メモリーの使用率を削減することもできます。その結果、DB2の圧縮機能はメモリーとディスクの容量を大幅(最大80%)に削減し、I/Oを大量に実行するシステム(データウェアハウス・システムであれば、大量のI/Oを実行することは必須の条件です)のパフォーマンスをスピードアップすることができます。ただし、圧縮によって生まれるメリットはこれだけにとどまりません。

圧縮によって生まれるその他の隠れたメリットについて考えてみてください。メリットはディスク容量の削減だけではありません。保管が求められるバックアップ・イメージについて考えてみてください。これらのイメージの容量が小さくなるだけでなく、バックアップの対象となるデータ・ページが少なくなるため、バックアップ処理そのものが速くなるのです。Q/A環境やテスト環境のことを考えてみてください。ディスクやメモリー・バッファー上でデータが圧縮できれば、ヒープにより多くのデータを保存することができます。その結果パフォーマンスの向上が望めるだけでなく、RUNSTATSやREORGのようなページ・ベースのメンテナンス処理もスピードアップできるようになります。このようなメリットに加え、DB2が単一のデータ・ページ上で2,300行をサポートできることを考えると、I/Oボトルネックを解決できる画期的な手段を手に入れることができたことが分かるでしょう。最後に、ストレージの削減によって自然環境にもプラスの効果が生まれます。メモリーの容量が削減できるだけでなく、ITソリューション全体のスリム化によるエコロジカルなシステムが実現するのです。データの圧縮によってディスク・スペースの削減だけでなく、環境にやさしいIT環境が生まれるのです。

DB2のワークロード管理機能
DB2のワークロード管理機能とは、ビジネス上の優先順位に基づいて競合するワークロードにCPU、メモリー、およびI/Oを割り当てるプロセスを調整できるDB2の機能のことを指します。例えば、主にトランザクション処理の目的のために使用されるさまざまなワークロードを処理するデータベースを保有しているものの、ときおり長時間にわたって実行するウェアハウスのクエリーを処理する必要があるとします。さらに、このような長時間にわたって実行するクエリーによってデータベース・システム全体がスローダウンしてはならないようにしたいと考えているとします。ワークロードの管理機能を使用すると、長時間にわたって実行するクエリーがトランザクションの処理に影響を及ぼさないようにポリシーを設定することができます。ワークロード管理機能をMulti-Temperature Storageによるデータ管理機能と組み合わせると、データのアクセス頻度に基づいてワークロードの優先順位を設定することができるためより効果的なシステムが実現します。このためさまざまな種類のストレージを保有していない場合でも、ワークロードの管理機能を使用すると、ホット・データに影響を及ぼすワークロードの実行にあたって処理を調整し、効率化することができます。
レプリケーション・テクノロジー
Homogeneous QレプリケーションとChange Data Capture (CDC) は、Homogeneous SQLレプリケーションよりもスループットとトランザクション・ボリュームを高めることができるレプリケーション・テクノロジーです。特にHomogeneous Qレプリケーションを使用すると、ターゲットがソースから1,000マイル以上離れている場合でも、1秒未満のレイテンシーで毎秒50,000トランザクション以上のスループットを実現することができます。DB2 Advanced Workgroupでは、上記のいずれかの機能を使用することによって、単一のDB2のソース・データ・サーバーから最大2台のDB2のターゲット・データ・サーバーに対してレプリケーションを行うことができます。

つまり、DB2 Advanced Workgroupは、DB2 Workgroupは言うに及ばず、DB2 Enterpriseでさえ提供されない幅広い機能やツールを提供します。これらの機能やツールには以下が含まれます。

  • BLUアクセラレーションによるカラムストアによるテーブル
  • DB2 pureScale
  • データベースのパーティショニング機能(DPF)
  • solidDB および solidDB Universal Cache
  • 圧縮機能
  • Homogeneous Qレプリケーション
  • Change Data Capture (CDC)
  • Continuous Data Ingest (CDI)
  • InfoSphere Optim Performance Manager (OPM) Extended Edition
  • InfoSphere Optim Query Workload Tuner
  • InfoSphere Optim Configuration Manager
  • InfoSphere Optim pureQuery Runtime for DB2 Linux, UNIX, and Windows
  • InfoSphere Data Architect(10許可ユーザー・ライセンス)
  • Warehouse Model Packs
  • Warehouse Mining および Text Analytics
  • Warehouse Cubing Services
  • Cognos(5許可ユーザー・ライセンス)

DB2 Advanced WorkgroupはDB2 WorkgroupやDB2 Enterpriseでさえも提供しないさまざまな機能やツールを提供することによって、これらのエディションを大きく上回る価値を提供します。さらに、トランザション処理のみを実行するワークロード、ウェアハウス処理のみを実行するワークロード、およびこれらの混在したワークロードに対してDB2 Advanced Workgroupを使用することができます。また既に説明したとおり、DB2 Advanced Workgroupには DB2およびInfoSphere Warehouse(バージョン9.7および10.1)の特定のエディションが含まるため、しばらくの間バージョン9.7や10.1のベースコードを使用し続ける必要がある場合でも、DB2の先進機能を簡単に活用することができます。実装の柔軟性を最大限に高めたいものの、リソースの制限を許容できる場合は、DB2 Advanced Workgroupは最適なエディションです。

ライセンスの許諾条件と課金体系
以下に説明するPVUまたはAUSIの課金体系でライセンスを取得した場合、 DB2 Advanced Workgroup で使用できるリソースはサーバーまたは仮想セッションあたり16プロセッサー・コアと128 GBのRAMに制限されます。以下に説明するテラバイト課金でライセンスを取得した場合、DB2 Advanced Workgroupが使用できるリソースは4プロセッサー・ソケットに制限されるものの、メモリーの制限はありません。特定のサーバーまたは仮想セッションごとに存在するDB2 Advanced Workgroupのインスタンス(db2icrtコマンドを使用することによって作成可能)の数にかかわらず、これらの制限は遵守する必要があります。必要に応じてIBMが承認した仮想化テクノロジーと適切なDB2のメモリー制限のパラメーターを使用することによって、これらの制限内に収まるように管理する必要があります。

例えばパーティショニングが行われていないサーバーに32プロセッサー・コア(4プロセッサー・ソケット上で稼働)が含まれている場合、PVUやAUSIの課金体系ではDB2 Advanced Workgroup のインストールを行うことはできません。当該DB2サーバーが使用するコア数が16コア以下であることを保証することができないためです。しかしながら16コア以下を使用するようにVMWareのセッションを設定することによって、DB2 Advanced Workgroupをインストールし、当該仮想セッションにおいてPVUまたはAUSIの課金体系を適用し、IBMのサブキャパシティー・ライセンスの条件に基づいてDB2が実際に使用するコア数分のライセンス料金で、使用することができます。またはテラバイト課金(以下の説明を参照)でDB2 Advanced Workgroupのライセンスを取得できる場合は、このパーティショニングが行われていないサーバーに本エディションをインストールできます。このサーバーは4プロセッサー・ソケットの基準を満たしているためです。

DB2 Advanced Workgroupのライセンスの取得形態にかかわらず、データベース上でのユーザー・データの容量は15 TBに制限されます。この数値はDBとともに提供されるスクリプトで確認することができます。

DB2 Advanced Workgroupのライセンスは、以下のいずれかの課金体系で取得することができます。

  • プロセッサーValue Unit (PVU): 本課金体系を選択すると、無制限の数のユーザーまたはデバイスがDB2 Advanced Workgroupサーバーにアクセスすることができます。DB2 Advanced Workgroupがインストールされたサーバーまたは仮想セッションのPVUの総数に基づいてライセンスを取得する必要があります。PVUの課金体系でライセンスを取得した場合、DB2 Advanced Workgroupはサーバーまたは仮想セッションごとに使用できるコア数は16コアに制限されるため、使用しないコアの料金を支払わなくても済むように、DB2がアクセスするコアの数が16コア以下に収まるように確認 する必要があります。使用するプラットフォームや仮想化テクノロジーによって、サブキャパシティー環境で本エディションを使用する際の前提条件が異なることに注意してください。さらに、ウォーム・スタンバイ・サーバー(HADRコンフィギュレーションを設定した場合など)としてDB2 Advanced Workgroupのライセンスを取得する場合、スタンバイ・サーバーのライセンスは、物理スタンバイ・サーバーごとに100 PVU のライセンスを取得するだけで済みます。DB2 pureScaleまたはデータベース・パーティショニングに基づいてウォーム・スタンバイ・クラスターを設定した場合、当該クラスターに含まれるすべてのマシンに対して100 PVUのライセンスを取得すれば済みます。
  • 許可ユーザー・シングル・インストール(AUSI): 本課金体系の条件は、上記において説明したDB2 EnterpriseのAUSIライセンスの条件と同じです。ただし、本AUSIライセンスは、個別のサーバーや仮想セッション上で稼働するDB2 Advanced Workgroupのコピーにアクセスする許可ユーザー(AU)に適用されます。DB2 Enterpriseの場合と同様に、本課金体系は、各DB2 Advanced Workgroupサーバーにアクセスする個人に関する十分な数のAUSIライセンスを事前に特定し購入することができる環境に最適と言えます。さらにDB2 Enterpriseの場合と同様に、DB2 Advanced Workgroupでは購入対象となるAUSIライセンスの最小数(1ソケットあたり20AUSI以上のライセンス)が設定されています。さらに、ウォーム・スタンバイ・サーバー(HADR環境の場合など)のためにDB2 Advanced Workgroupのライセンスを取得する場合は、25 AUSIライセンスを取得するだけで済みます(サーバーのPVU値が100 PVUの場合の最小ライセンス数)。
  • テラバイト課金: 本課金体系では、ユーザー・データのテラバイト数(端数がある場合は最も近いテラバイト数に切り上げ)に基づいてライセンスを取得する必要があります。なお、テラバイト数はDB2 Advanced Workgroupとともに提供されるスクリプトによって確認することができます。さらに、データベースごとに必要なテラバイト数を計算する必要があります。PVUやAUSIの課金体系とは異なり、テラバイト課金ではメモリーやプロセッサー・コア数の上限は設定されていませんが、プロセッサー・ソケット数は4以下である必要があります。本課金体系は、主にウェアハウスの処理を実行するワークロードで使用することを目的としています。そのため、有効な2つ以上のデータベース・パーティションでデータベース・パーティショニングを使用するか、ユーザー・データの75%以上をBLUアクセラレーションのカラムストア・テーブルに格納する必要があります。後者の場合、DB2 Advanced Workgroupサーバーのライセンスをテラバイト課金で取得する際には、ワークロードの過半数がこれらのカラムストア・テーブルにアクセスする必要があります。カラムストア・テーブルを使用する際には、OPMのレポーティング機能を活用するとテーブル・スペースとワークロードを管理する指標を参照することができるため、これらのリソースの使用状況を監視することができます。より詳細な情報が必要な場合は、OPMのインフォメーション・センターのカスタム・レポートの説明を読んでください。

    テラバイト課金では、DB2 pureScaleや標準のHADR機能は利用できません。しかし、HADRを使用しなくても、DB2のアドバンスト・エディションが提供するHomogeneous Qレプリケーション機能などの代替テクノロジーを使用することによってスタンバイ環境を設定することはできます。その場合、ウォーム・スタンバイ・サーバー上のデータベースごとに1 TB分のライセンスを取得する必要があります。

DB2 pureScale環境のライセンスを取得する場合、クラスターに含まれる各メンバーに対してDB2 Advanced Workgroup Editionのライセンスを取得する必要があります。ただし、CFサーバーについてはライセンスを取得する必要はありません。上記で説明したプロセッサー・コアとメモリーの上限は、クラスター全体に対して適用されます。

例えば、5台のPower7の仮想サーバー(各サーバーは100 PVU×4コアで400 PVUに相当)で構成されるDB2 pureScale環境があるとします。これらのサーバーのうち2台はCFの役割を果たし、残りの3台のサーバーはデータ・メンバーとして機能しています。本環境はPVU課金を使用する際に適用されるクラスターごとに16コアの上限を満たしているため、DB2 Advanced Workgroupを使用することができます。本環境に対しては、DB2 Advanced Workgroupのライセンスを1,200 PVU(400 PVU×3サーバー)取得する必要があります。2台のCFサーバーに対してはDB2 Advanced Workgroupのライセンスを取得する必要はありません。CFサーバーは個別のサーバーに存在する必要はなく、異なる仮想セッション上で稼働するDB2メンバーと同じサーバー上に存在する仮想セッション上に存在することができます。

本エディションの活用にあたってのポイント
DB2 Advanced Workgroupは、最も高度なDB2の機能とツールを活用したい場合に最適なエディションです。本エディションには、一連の価値の高いツール(InfoSphere Optim Query Workload TunerやInfoSphere Optim pureQuery Runtime for DB2 Linux, UNIX, and Windowsなど)に加えて、BLUアクセラレーション、DB2 pureScaleによるクラスタリング機能、データベースのパーティショニング機能、ストレージの最適化サービス(圧縮機能に類似する機能)、パフォーマンスの最適化機能(OPM)、およびその他のフィーチャー(Homogeneous Qレプリケーション、フェデレーション、およびDB2のワークロード管理機能)をはじめとする強力な機能が標準で搭載されています。DB2 Advanced Workgroupは、16プロセッサー・コアおよび128 GBのRAM(テラバイト課金の際には4プロセッサー・ソケット)を超えるキャパシティーを必要とせず、15 TBを超えるデータを使用しないあらゆるワークロードに向いています。拡張性を最大化し、15 TBの上限を超える大規模なデータベースが必要な場合は、DB2 Advanced Enterprise Edition(以下の説明を参照)を検討してください。

DB2 Workgroupのバージョン9.7またはバージョン10.1、もしくはInfoSphere Warehouse Departmentalのバージョン9.7またはバージョン10.1のいずれのエディションを現在使用していて、追加の機能とツールが必要な場合は、DB2 Advanced Workgroupを検討してください。DB2 Advanced WorkgroupにはDB2 WorkgroupとInfoSphere Warehouseの部門用エディションのバージョン9.7とバージョン10.1が含まれているため、バージョン9.7と10.1のコード・レベルでサポートされる追加の機能を活用することができ、しかも自分のペースでバージョン10.5のコードベースに移行することができるのです。


DB2 Advanced Enterprise Server Edition: 最も包括的な機能を提供するDB2のエディション

DB2 Advanced Enterprise Server Edition (DB2 Advanced Enterprise)は、DB2が稼働するすべての分散プラットフォームで利用可能なIBMのデータベース・サーバーの最強エディションです。対応するプラットフォームには、Linux (x86、IBM Power Systems、およびSystem z)AIXSolaris (SPARCおよびx64)HP-UX (Itanium)、およびWindowsがあります(リンクは、プラットフォームに関する最新のサポート情報のページを示しています)。

DB2 Advanced Enterpriseは中規模から大規模のエンタープライズ・サーバー向けのエディションであり、DB2 Advanced Workgroupに含まれるすべての高機能フィーチャーを提供し、しかも使用できるリソースの制限は一切ありません。最大限にスケールアップとスケールアウトを行い、メモリーを追加し、無制限の容量のデータを格納したい場合は、本DB2エディションこそが最適です。ワークロードの種類やソリューションのニーズにかかわらず(100を超えるDB2 pureScaleのクラスターから数ペタバイトのデータウェアハウスまで)、DB2 Advanced Enterpriseは求められるタスクを実行します。

DB2 Advanced WorkgroupとDB2 Advanced Enterpriseの間の大きな相違点は、DB2 Advanced Enterpriseが他のデータ・ソース(OracleとSQL Serverのデータベースを含む)に対するフェデレーション機能を提供する点です。本機能を通じて、全社的に存在するさまざまなデータ・ソースとコンテンツ・ソースにアクセスし、統合することができ、単一の仮想統合ビューを構築することができます。その結果、重要な意思決定やビジネス・プロセスをサポートすることができます。

ライセンスの許諾条件と課金体系

DB2 Advanced Enterpriseのライセンスは、以下のいずれかの課金体系で取得することができます。

  • プロセッサーValue Unit (PVU): 本エディションを実装する予定のサーバーまたは仮想セッションのPVUの総数に基づいてライセンスを取得します。この結果、無制限の数のユーザーとデバイスがDB2 Advanced Enterpriseのサーバーにアクセスすることができます。さまざまなプラットフォームや仮想化テクノロジーごとに、DB2の本エディションをサブキャパシティー環境で使用するための前提条件が異なります。さらに、ウォーム・スタンバイ・サーバー(例えばHADR設定を行ったサーバー)用にDB2 Advanced Enterpriseのライセンスを取得する場合、物理スタンバイ・サーバーごとに100 PVUのライセンスを取得するだけで済みます。
  • 許可ユーザー・シングル・インストール(AUSI): 本課金体系の条件は、上記において説明したDB2 Advanced WorkgroupのAUSIライセンスの条件と同じです。ただし本AUSIライセンスは、個々のサーバーや仮想セッション上で稼働するDB2 Advanced Enterpriseのインストール済みのコピーにアクセスする許可ユーザー(AU)に適用されます。DB2 Advanced Workgroupと同様に、本課金体系はDB2 Advanced Enterpriseのサーバーにアクセスする個人に適用される十分な数のAUSIライセンスを事前に特定し、購入することができる環境に最適と言えます。さらに、DB2 Advanced Enterpriseでは、サーバーまたは仮想セッションのPVU値が100 PVUに達するごとに25 AUSI以上のライセンスを取得する必要があります。ウォーム・スタンバイ・サーバー(HADRコンフィギュレーションの場合など)のためにDB2 Advanced Enterpriseのライセンスを取得する場合は、25 AUSIライセンスを取得するだけで済みます(サーバーのPVU値が100 PVUの場合の最小ライセンス数)。
  • テラバイト課金: 本課金体系では、ユーザー・データのテラバイト数(端数がある場合は最も近いテラバイト数に切り上げ)に基づいてライセンスを取得する必要があります。なお、テラバイト数はDB2 Advanced Enterpriseとともに提供されるスクリプトによって確認することができます。さらに、データベースごとに必要なテラバイト数を計算する必要があります。本課金体系は、主にウェアハウスの処理を実行するワークロードで使用することを目的としています。そのため、有効な2つ以上のデータベース・パーティションでデータベース・パーティショニングを使用するか、ユーザー・データの75%以上をBLUアクセラレーションのカラムストア・テーブルに格納する必要があります。後者の場合、DB2 Advanced Enterpriseサーバーのライセンスをテラバイト課金で取得する際には、ワークロードの過半数がこれらのカラムストア・テーブルにアクセスする必要があります。カラムストア・テーブルを使用する際には、OPMのレポーティング機能を活用するとテーブル・スペースとワークロードを管理する指標を参照することができるため、これらのリソースの使用状況を監視することができます。より詳細な情報が必要な場合は、OPMのインフォメーション・センターのカスタム・レポートの説明を読んでください。

    テラバイト課金では、DB2 pureScaleや標準のHADR機能は利用できません。しかし、HADRを使用しなくても、DB2のアドバンスト・エディションが提供するHomogeneous Qレプリケーション機能などの代替テクノロジーを使用することによってスタンバイ環境を設定することはできます。その場合、ウォーム・スタンバイ・サーバー上のデータベースごとに1 TB分のライセンスを取得する必要があります。

DB2 pureScale環境のライセンスを取得する場合、クラスターに含まれる各メンバーに対してDB2 Advanced Enterprise Editionのライセンスを取得する必要があります。ただし、CFサーバーについてはライセンスを取得する必要はありません。

DB2 Advanced Enterprise 10.1から10.5にかけての変更点
DB2 Advanced Enterprise 10.1は、単一の大規模なサーバー上で稼働する大規模なOLTPやさまざまなワークロードの混在環境に向けに提供されました。しかし、クラスタリングが行われたOLTP環境が必要な場合は、アドオンとしてDB2 pureScale Featureが必要となっていました。また、ウェアハウスのワークロードにあわせて最適化されたデータベース・ソフトウェアが必要な場合は、InfoSphere Warehouseのエディションの方がより適していました。DB2 Advanced Enterprise 10.5では、これらの点を変更しました。DB2 pureScale、BLUアクセラレーション、および以前はInfoSphere Warehouseのエンタープライズ向けエディションに含まれていたほとんどの機能(データベースのパーティショニング機能を含む)が追加されたことによって、DB2 Advanced Enterprise 10.5はあらゆるワークロードを処理できるようになりました。

ウェアハウスやアナリティクスのワークロードに適していると思われる テラバイト課金も、バージョン10.5で新規に提供されるようになりました。本課金体系を選択することによって、追加のコストを発生させる(PVUの課金体系ではこのデメリットがありました)ことなく長時間にわたって実行するクエリーに対してより多くのCPUを投入することができるようになりました。

さらにDB2 Advanced Enterprise 10.5には、DB2 Enterprise EditionやInfoSphere Warehouse Enterprise Editionなどのバージョン9.7およびバージョン10.1の特定のエディションが含まれます(DB2 10.5の製品発表レターを参照)。これは使用条件が限定されていない追加プログラムであり、DB2 Advanced Enterprise 10.5の代わりに実装することもできれば、本エディションと組み合わせて実装することができます。DB2またはInfoSphere Warehouseのバージョン9.7およびバージョン10.1のコードを使用しているユーザーの場合、DB2 Advanced Enterprise 10.5の機能を簡単に活用することができるようになりました。

本エディションの活用にあたってのポイント
DB2 Advanced Enterpriseは、柔軟性、拡張性、圧縮機能、セキュリティー、先進的なデータベース管理ツールを最大限に活用する必要があるあらゆるアプリケーションに最適なエディションです。DB2 Advanced Enterpriseはエンタープライズ・ソリューションに必要なあらゆる機能を提供します。
DB2 Advanced Enterpriseの先進的な導入事例
Domino's Pizzaは世界中でピザの宅配サービスを提供するトップ企業です。50年以上にわたる営業実績を有し、世界中でフランチャイズ・ビジネスを提供する企業に成長したDomino's Pizzaでは、DB2 Advanced Enterpriseが提供するエンタープライズ・ソリューションの重要性を認識しています。本ソリューションは多くのロケーションからデータを収集することによって、お客様に提供する製品とサービスを改善しています。同社が使用しているサーバーは、もちろんDB2 Advanced Enterpriseです。Domino's PizzaのDBAはこう言っています。「DB2 Advanced Enterpriseにはすべての必要な機能が含まれているため、どの機能が含まれていてどの機能が含まれていないのかを心配する必要がなくなりました。アプリケーションとソリューションの構築にだけ集中できるのです。言うことはありません」好みのトッピングを追加してDomino's PizzaのLサイズのピザを注文しているときも、DB2 Advanced Enterpriseが同社のビジネスを支えているのです。子供が大好きなピザ屋がDB2を活用していて、DB2のテクノロジーによってさまざまなトッピングがのったピザが時間どおりに正しい住所に届けられるのです。これも、DB2がお客様の素晴らしいビジネスを支えている事例と言えます。

DB2 Advanced Recovery Feature: データベースのバックアップとリカバリーを簡略化するフィーチャー

DB2 Advanced Recovery Featureは、新規に個別に購入可能となったDB2 10.5のフィーチャーです。本フィーチャーは、DB2 10.5に対して提供される唯一のアドオン・フィーチャーです。本フィーチャーは、スピーディーな処理が必要なタイミングでデータの可用性を高め、リスクを削減し、重要な管理タスクを迅速に実行するために役立つ先進的なデータベースのバックアップ・ツール、リカバリー・ツール、およびデータ抽出ツールをバンドルしたものです。

DB2 10.5からは、本フィーチャーには以下の3つのツールが含まれるようになりました。

  • IBM DB2 Merge Backup
  • IBM DB2 Recovery Expert
  • IBM InfoSphere Optim High Performance Unload for DB2
ライセンスの許諾条件と課金体系
DB2 Advanced Recovery Featureは、DB2のあらゆるエディション(DB2 Express-Cを除く)とともに使用するために購入することができます。本フィーチャーのライセンスを取得する際には、本フィーチャーをインストールするDB2のエディションと同じ課金体系とライセンス数に基づいて取得する必要があります。

DB2 Advanced Recovery Featureをウォーム・スタンバイ・サーバーにインストールする場合には、どの課金体系を使用する場合でも追加のライセンスは必要ありません。


開発者用のエディション

アプリケーションの開発者やテスト担当者用に、DB2 Developer Edition(DB2 10.5のリリース前にはDatabase Enterprise Developer's EditionまたはDEDEと呼ばれていました)という名称の特別なソリューションが提供されています。本製品は、アプリケーション・プログラムの開発、評価、デモ、テストの目的のための、DB2とDB2 Connectのほとんどのエディションと機能を含む廉価版のソリューションです。本エディションはユーザー単位でライセンスが提供されます。ユーザーの人数によっては、本製品はアプリケーション開発のライフサイクルのさまざまなプロセスで活用可能なコスト効率の高いソリューションになることもあれば、そうならないこともあります。

DB2 Developer Editionはあらゆる非本番環境で使用することができます。さらに、DB2 Developer Editionのライセンスが許諾された開発者またはテスト担当者は本番環境以外のあらゆるDB2サーバーにアクセスできるため、ユーザーは大きくライセンス・コストを削減することができます。


結論

DB2は多くのプラットフォーム上で稼働するだけでなく、DB2の柔軟なエディションのラインアップを通じて、ユーザーが必要とするソリューションに最適な価格とサービスを提供します。DB2 10.5は旧バージョンに比べてより包括的なエディションを提供し、全てのエディションは旧バージョンに比べてはるかに幅広い機能を提供します。現在の景気動向を考えると、製品の価値が増大したDB2はユーザーにとって最適なソリューションと言えるでしょう。

あるエディションから別のエディションにDB2のシステムを拡張することはシームレスに行うことができるため、ビジネスの成長に応じてDB2に対する既存の投資を活用することができます。インターネット上でビジネスを行うSMB企業であれ、モバイル・ソリューションのプロバイダーであれ、適切なタイミングで適切な製品を顧客に提供するために売上データの分析を行おうとしているFortune 500企業であれ、それぞれのユーザーにとって最適なDB2のエディションが用意されています。

原典

DB2 editions: Which distributed edition of DB2 10.5 is right for you ?

参考文献

学ぶために

製品や技術を入手するために

  • DB2 for Linux, UNIX, and Windowsの無償の試用版をダウンロードしてください。
  • 無償でDB2を使用できます。無償のDB2ソリューションであるDB2 Express-Cをダウンロードしてください。本ソリューションはDB2 Express Editionと同じコア機能を提供し、アプリケーションの構築と実装に役立つ基盤を提供します。
  • developerWorksから直接ダウンロードできるIBMの試用版ソフトウェアを今後の開発プロジェクトに役立ててください。
  • 最適な方法でIBM製品を評価してください。製品の試用版をダウンロードし、オンラインで製品を試し、クラウド環境で製品を使用してください。

議論するために

  • developerWorksのコミュニティーに参加してください。開発者向けのブログ、フォーラム、グループ、およびwikiにアクセスしたうえで、developerWorksの他のユーザーと交流してください。

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