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医療連携をサポートする Lotus Sametime と DB2 pureXML

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レベル: 中級

Susan Malaika, Senior Technical Staff Member, IBM
Christian Pichler, Junior Researcher, Research Studios Austria

2009年 02月 19日

この記事で紹介する医療のシナリオがベースとするのは、HL7 (Health Level 7) CDA (Clinical Document Architecture) XML 文書でエンコードされた情報をそのままのフォーマットで IBM® DB2® pureXML® データベースに保管し、同じフォーマットのまま Web サービスを介して交換し、さらに同じフォーマットのまま IBM Lotus® Sametime® Connect クライアントを使用してその情報を表示する、XML のみで構成されるアーキテクチャーです。この記事を読んで、インスタント・メッセージ・クライアントのプロトタイプ Sametime プラグインを利用してデータベースに保管された XML 患者データにアクセスして表示する方法を学んでください。さらに、このプラグインをインストールして構成する方法、そして別のシナリオ用にプラグインを再構成する方法も説明します。

はじめに

病気を治療するためのリソースが増えたこと、医療費が上がったこと、そして医療専門家が世界中に散らばっていることから、医療環境での連携をサポートする、速度と信頼性に優れた使い勝手の良い情報交換手段が求められています。施設間、ビジネス間、さらには大陸間での情報交換は、医療環境だけでなく、連携が必要なあらゆる環境での問題です。

連携をサポートするアプリケーションを構築するには、標準化された共通のフォーマットでの情報交換を可能にする技術が必要です。合意されたフォーマットは多くの場合、政府、業界のコンソーシアム、そして医療関係で言うと HL7 (Health Level 7) などの標準策定組織によって作成されます。例えば HL7 による仕様の 1 つとしては、患者情報の情報交換を標準化するために考案された CDA (Clinical Document Architecture) があります。

患者情報は、通常 XML (Extensible Markup Language) で実装された HL7 CDA などの医療用フォーマットを使用して、電子的に表現、保管、交換されることが多くなってきました。患者情報を電子的に利用できるようにすることで、最新の確立された技術を使用することが可能になります。このような技術の一例が、インスタント・メッセージです。インスタント・メッセージは医療環境ですでに使われていますが、この記事で説明するプロトタイプがベースとするのは、XML のみで構成されるアーキテクチャーです。このアーキテクチャーでは、HL7 CDA XML 文書にエンコードされた情報が一貫して同じフォーマットで、IBM DB2 pureXML データベースに保管され、Web サービスによって交換され、そして IBM Lotus Sametime Connect クライアントによって表示されます。

この記事で医療のシナリオを通して紹介するのは、XML のみで構成されるアーキテクチャーの原理です。具体的には、インスタント・メッセージ・クライアントのプロトタイプ Sametime プラグインを利用して、データベースに保管されている XML 患者データにアクセスして表示する方法を説明します。データベースの患者データへのアクセスが行われるのは、複数の関係者間で交換されるインスタント・メッセージに特定のテキストが入力された場合です。インスタント・メッセージを利用している関係者がプラグインをインストールしていれば、その関係者は表示された患者のデータを見ることができます。この記事ではさらに、このプラグインをインストールして構成する方法、そして別のシナリオ用にプラグインを再構成する方法も説明します。この記事に記載するサンプルのプラグイン構成ファイルの設定は、pureXML 業界フォーマットへのアクセス・デモ用に合わせたものですが、他の Web サービスにアクセスするように簡単に変更することができます。記事の最後では、さらに詳しく掘り下げることができる分野についても概説します。

Sametime アプリケーションは、統合コミュニケーションおよび連携サービスをリアルタイムで実現するためのインターフェースを提供します。人間同士のコミュニケーション (あるいはその欠如) によってビジネス・プロセスに時間がかかったり、プロセスが停止したりする可能性のある分野では、このようなインターフェースをビジネス・プロセスの定義に含めることができます。別の言い方をすれば、Sametime アプリケーションの目的は、人間が介在することで生じる、ビジネス・プロセスの遅延を短縮、あるいは可能であれば一切排除するための手段を提供することだと言えます。統合コミュニケーションおよび連携サービスが定義に含まれるビジネス・プロセスは、CEBP (Communications-Enabled Business Processes) として知られています。そして CEBP の定義を使用してビジネス・プロセスを自動化するソリューションは、CEBP ソリューションと呼ばれます。この記事で説明するシナリオは、CEBP の一例です。

シナリオ

連携をサポートするインスタント・メッセージの機能を説明するため、サンプル・シナリオを引用します (図 1 を参照)。このシナリオでは、頭痛に悩まされている Sully Van が地元の病院で Durenda Flor という医師の診察を受けます。診察が終わった後、Durenda Flor 医師は患者 Sully Van を診察して集めた新しい情報を Sully Van の電子カルテに追加します。Sully Van には、1 週間したら地元の開業医を訪れて最終的な診断を受けるように指示しています。1 週間が過ぎ、Sully Van は近くの開業医、Chuck Smart を訪れて事情を伝えました。このとき、開業医の Chuck Smart が、同業者の Durenda Flor がその 1 週間前に記録した所見を確認することができたとしたら参考になるはずです。


図 1. 2 人の医師が患者情報を共有するための医療連携



このシナリオの場合、Chuck Smart が Durenda Flor に対して情報を要求するには、いくつかの方法があります。単純に Chuck が Durenda に電話して診断結果の説明を求めるという方法、あるいはChuck の医院に患者のカルテをファックスで送信してくれるように Durenda に頼むという方法も考えられますが、第 3 の方法として可能なのが、Lotus Sametime Connect などのインスタント・メッセージによって患者情報を要求することです。この記事に記載するプロトタイプは、DB2 pureXML データベースに保管された HL7 CDA XML 文書を取得できるようにする Lotus Sametime Connect のプラグインについて説明するものです。Lotus Sametime Connect によって Chuck と Durenda がインスタント・メッセージを介してやり取りできる状態になっていれば、Chuck は Durenda に対し、患者 Sully Van に関する質問をインスタント・メッセージで送信することができます。その裏では、Chuck の Lotus Sametime Connect クライアント内にあるこのプラグインが、メッセージを分析して Durenda のシステム内にある患者情報にアクセスし、そのデータを Chuck が確認できるようにするという仕組みです。




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XML のみで構成されるアーキテクチャー

HL7 CDA XML 文書で最初に目的とされたのは、患者情報の交換用に標準化したフォーマットを提供することでした。しかし、このサンプルでは患者情報の保管にも HL7 CDA XML 文書を使っています。この記事で説明する手法は、既存の XML 処理技術と組み合わせて HL7 CDA XML 文書を使用し、アプリケーションのユーザーに対して患者情報を表示します。図 2 に示すように、患者情報の保管、交換、表示のすべてに HL7 CDA XML 文書を使用すると、XML のみで構成されるアーキテクチャーが実装されます。


図 2. 医療連携をサポートする XML のみで構成されるアーキテクチャー



このアーキテクチャーに含まれる層は、データ層、Universal Services 層、そしてユーザー操作層の 3 つです。

  • データ層: データ層は、DB2 のネイティブ XML ストレージ機能を使用した DB2 pureXML データベースに相当します。ネイティブ XML ストレージとは、XML を直接データベースに保管できることを意味します。つまり、XML 文書の要素と属性にエンコードされた情報をリレーショナル・テーブルでそれぞれ別に保管する必要がないことから、データベースは HL7 CDA XML 文書のデータ・ストアとして機能します。このデータベースは、いわゆる業種別バンドルを使用して作成されています。業種別バンドルは、データベースを作成してデータを設定する簡単かつ便利な手法です。HL7 CDA をはじめとする各種の業界フォーマットに対応した業種別バンドルは無料で入手することができます。業界別バンドルについての詳細は、この記事の「参考文献」セクションを参照してください。

  • Universal Services 層: 単純ながらも挿入、更新、削除、照会などの一定の操作をセットにした Universal Services は、DB2 pureXML データベースのあらゆる XML 列を Web サービス操作によって公開できるようにします。Web サービス操作では、単純な Web サービス・リクエストを使用して、データベースに保管されている HL7 CDA XML 文書にアクセスすることができます。Universal Services には、サービスをセットアップして構成するために必要なすべてのコンポーネントが含まれていますが、無料で入手することができます。Universal Services についての詳細は、この記事の「参考文献」セクションを参照してください。

  • ユーザー操作層: ユーザー操作層は、例えばデータベースに保管された情報を表示するなど、ユーザーがアプリケーションを操作できるようにするための層です。このシナリオでは、Lotus Sametime Connect クライアントのプラグインを使用することで、Universal Services を介したデータベースへのアクセス、該当する患者情報の取得、そしてその情報の表示を実現しています。Lotus Sametime Connect クライアントを介して患者情報を取得する方法をはじめ、プラグインの機能についての詳細は、以降のセクションを読んでください。



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プラグインの機能

Lotus Sametime Connect クライアントを拡張するために実装したプロトタイプ・プラグインは、DB2 pureXML データベースに保管された (患者情報を表す) HL7 CDA XML 文書の取得を可能にするプラグインです。このセクションでは、図 3 に示すこのプラグインの実装について説明します。ここでの機能の説明は、開業医が別の医師に患者情報を要求するために Lotus Sametime Connect クライアント(以下、クライアントと略す場合もあります) を起動することを前提としています。


図 3. XML の取得および表示機能を提供するプラグインの実装



図 3 に示されているように、クライアントは起動中に、カスタマイズ可能な初期化ファイルをロードします (図 3 の (1))。この初期化ファイル (初期化ファイルの一例は、リスト 1 を参照) に含まれるのは、クライアントを構成するためのパラメーターです。これらの構成パラメーターには、例えばデータベースに保管された HL7 CDA XML 文書にアクセスするための Universal Services のエンドポイントなどが含まれます。クライアントはこのエンドポイントを使用して、データベースに保管された HL7 CDA XML 文書へのアクセス要求を Web サービス・リクエストとして送信します。以降のパラグラフでは機能の説明と併せ、初期化ファイルに含まれるパラメーターについてもすべて説明します。クライアントは、構成パラメーターのすべてをロードして起動を完了すると、ユーザーによって入力されたメッセージを受信し、処理する準備が整います。


リスト 1. pureXML プラグインの初期化ファイル

<collaboration>
  <regexpr>patient\s([^\s]++)\s([^\s&lt;]++)</regexpr>
  <keysQuery>
    XQUERY declare default element namespace "urn:hl7-org:v3"; 
    for $patient in db2-fn:xmlcolumn('DB2ADMIN.CDA.DOCUMENT')/ClinicalDocument   
    where ($patient/recordTarget/patientRole/patient/name/given/text() = "${1}"  
       and $patient/recordTarget/patientRole/patient/name/family/text() = "${2}") 
    return &lt;entry id="{$patient/id/@root}" label="{$patient/title/text()}"/>
  </keysQuery>
  <documentQuery>
    XQUERY declare default element namespace "urn:hl7-org:v3"; 
    for $doc in db2-fn:xmlcolumn('DB2ADMIN.CDA.DOCUMENT')/ClinicalDocument 
    where ($doc/id[@root = "${key}"]) 
    return $doc
  </documentQuery>
  <serverURL url="http://purexml.dyndns.org:9080/DB2pureXMLDemo/cda/cda.dadx"/>
  <xsl url="file:/C:\st_purexml\ibm-cda.xsl"/>
</collaboration>

ユーザーがチャット・ウィンドウで入力したテキストに特定のキーワードが含まれている場合、クライアントはデータベースに対して情報を要求する動作を開始します (図 3 の (2))。テキスト・メッセージが従わなければならないパターンは正規表現によって定義され、この正規表現は初期化ファイル内の <regexpr> 要素によって定義されます。このシナリオの例での正規表現は、「patient」という単語の後に、患者の名前を表す 2 つの単語が追加されたパターンとして定義されています。これに対応するテキスト・パターンの一例は、「patient Sully Van」です。

医師が入力したメッセージにこのパターンが含まれていると、クライアントは、その特定の患者の HL7 CDA XML 文書をデータベースに照会する動作を開始します (図 3 の (3))。データベースに対して該当する HL7 CDA XML 文書を照会するための XQuery 式も、構成ファイルの <keysQuery> 要素の中で定義されます。クエリーは、データベースで見つかったレコードのそれぞれに一意の ID のセット、そして XML 文書につけられたラベルを返すように設計されています。クエリーによって返される一意の ID は、異なる XML 文書を処理する際にプラグイン自体に必要となります。同じくクエリー式によって返される XML 文書につけられたラベルは、例えば患者名 Sully Van などの入力パラメーターと一致する HL7 CDA XML 文書の一覧を医師に提供するために使用されます (図 3 の (2) と (3))。

医師が HL7 CDA XML 文書のいずれかを選択すると、クライアントは、その選択された特定の XML 文書をデータベースに対して照会します (図 3 の (4))。その特定の XML 文書を取得するために、クライアントは初期化ファイルの <documentQuery> 要素で定義された XQuery 式、そして前の XQuery 式によって返されたキーの 1 つを使用します。使用するキーは、ユーザーが選択したキーと一致するものです。

クライアントが XML 文書を取得すると、この文書は表示される前に、XML スタイルシートを使用して変換されます (図 3 の (5))。変換に使用されるスタイルシートは、初期化ファイルの<xsl> 要素によって定義されます。データベースから取得した HL7 CDA XML 文書を XML スタイルシートで変換した後、プラグインは変換による結果をユーザーに表示します (図 3 の (6))。




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プラグインのデモ

XML のみで構成されるアーキテクチャーの目標とプラグインの機能を説明し終わったところで、IBM Lotus Sametime Connect クライアントのプラグインが実際に動作する様子を見てみましょう。繰り返しますが、このプラグインによって、クライアントは DB2 pureXML データベースに保管された XML にアクセスすることが可能になります。

理解しやすいように、ここではこの記事の「はじめに」のセクションで説明したサンプル・シナリオを使用します。このシナリオのポイントをおさらいすると、Chuck Smart 医師にとって参考になるのは、同業者である Durenda Flor 医師が特定の患者について 1 週間前に記録した情報です。この情報を参照するため、Chuck Smart 医師は IBM Lotus Sametime Connect クライアントを起動します。すると Chuck のクライアントの画面には、Durenda 医師の名前とともに緑のアイコンが表示され (図 4 を参照)、Durenda が IBM Lotus Sametime Connect クライアントをオンラインにしていることがわかります。


図 4. IBM Lotus Sametime Connect クライアントの連絡先リスト



Durenda がオンラインであるとわかったため、Chuck は Durenda とのインスタント・メッセージによる会話を開始します。会話を開始するには、インスタント・メッセージ環境での典型的な方法として、Durenda の名前をダブルクリックしてチャット・ウィンドウを開きます。Chuck が Durenda とやり取りするためのチャット・ウィンドウを図 5 に示します。


図 5. IBM Lotus Sametime Connect クライアントのチャット・ウィンドウ



チャット・ウィンドウが使用できるようになったので、Chuck は、「Hello Durenda, can you please provide me with information on our patient Sully Van ? (こんにちは、Durenda。患者 Sully Van さんの情報を提供してもらえますか?)」というメッセージを入力して送信することで、会話を始めます (図 6 を参照)。


図 6. IBM Lotus Sametime Connect クライアントのチャット・ウィンドウへのメッセージ入力



インスタント・メッセージ・クライアントはメッセージを分析して、初期化ファイルに正規表現で指定された特定のキー・フレーズをスキャンするように拡張済みであることを思い出してください。前のステップで入力されたテキスト・メッセージを見ると、そこにはこのシナリオで使用するキーワード、「patient」が含まれています。そこでプラグインは Chuck のメッセージから、このキーワードに続く 2 つの単語、「Sully」と「Van」を患者の名前として抽出し、この名前を使用して Durenda のデータベースに対して該当する医療情報を照会します。

すると、チャット・ウィンドウが拡張されて、ユーザー Chuck には患者 Sully Van に関して入手可能な情報のリストが表示されます (図 7 を参照)。


図 7. データベースで検出された患者情報を表示するために拡張されたチャット・ウィンドウ



Sully Van に関して検出された情報を表示するため、Chuck は照会結果として表示されたエントリーをダブルクリックします。すると、別のウィンドウが開きます (図 8 を参照)。


図 8. インスタント・メッセージ・チャットの一環として表示された患者情報



このウィンドウには、Durenda が Sully Van を診察したときの詳細の診察結果が表示されるので、Chuck はこの診察結果を見ながら患者の健康状態について Durenda と話し合うことが可能になります。




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プラグインのインストールと構成

DB2 pureXML プラグインは、IBM Lotus Sametime Connect の更新管理ユーザー・インターフェースを使用してインストールすることができます。インストール・プロセスを開始する前に、sametime_purexml_plugin.zip という名前のアーカイブ・ファイルをダウンロードし (「ダウンロード」を参照)、このアーカイブ・ファイルをローカル一時作業ディレクトリーに解凍してください。以下の手順では、一貫してローカル一時作業ディレクトリー、C:\temp\sametime_pluginを使用します。

ウィザードを起動するには、クライアントのメイン・ウィンドウにあるメニュー項目「Tools」を開き、「Tools」メニューから Plug-ins > Install Plug-ins... の順に選択します。ウィザードが起動すると、現在インストールされているプラグインの更新を行うか (「Search for updates of the currently installed features」)、新規プラグインのインストールを行うのか (「Search for new features to install」) を選択する画面が表示されるので、新規プラグインのインストールを選択し、「Next」をクリックします (図 9 を参照)。


図 9. 新規フィーチャーのインストールの選択



次のステップではインストール・ファイルが置かれている場所、つまりアーカイブ・ファイルを解凍したディレクトリーを指定します。図 10 に示す画面で「Add Folder Location...」をクリックし、該当するディレクトリーを選択します (この記事では、C:\temp\sametime_plugin を指定します)。


図 10. ローカル一時作業ディレクトリーの指定



するとウィザードは、指定されたローカル・ディレクトリーにあるインストール可能なすべてのプラグインのリストを表示します。この記事に付属のアーカイブ・ファイルには 1 つしかプラグインが含まれていないため、表示されるプラグインも 1 つしかありません。このプラグインを選択し (図 11 を参照)、「Finish」をクリックします。


図 11. インストールするプラグインの選択



プラグインはいずれも複数の機能で構成されていますが、このウィザードではインストールする機能を選択することができます。「pureXML Collaboration Demo 0.0.1」を選択してから (図 12 を参照)、「Next」をクリックして先に進みます。


図 12. pureXML Collaboration Demo 0.0.1 機能の選択



次に、ウィザードは使用許諾契約への同意を求めます (図 13 を参照)。「I accept the terms in the license agreements」を選択し、「Next」をクリックして続行してください。


図 13. 使用許諾契約への同意



インストール内容を確定する前に、ウィザードはインストールされる機能の概要を表示します (図 14 を参照)。「Finish」をクリックしてインストール・プロセスを完了します。


図 14 インストールされる機能の要約



インストールを有効にするには、IBM Lotus Sametime Connect クライアントを再起動する必要があります。クライアントによって自動的に、クライアントの再起動を行うかを選択する画面が表示されます (図 15 を参照)。


図 15. プラグインのインストールを有効にするためのクライアントの再起動



クライアントではさらに、医療連携をサポートするための初期化ファイルを指定する必要もあります。それには st_purexml という名前のフォルダーをローカル・ハード・ドライブのルート (例えば C:\) にコピーしますコピー対象のフォルダーは、アーカイブ・ファイル sametime_purexml_plugin.zip が C:\temp\sametime_plugin に解凍されていれば、ディレクトリー C:\temp\sametime_plugin\DB2pureXMLDemo\sampleConfig にあるはずです。初期化ファイルのコピーが完了したら、クライアントを再起動してください。これで、すべての設定が適切にロードされます。




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他の業界でプラグインを使用する方法

前のセクションで説明したように、プラグインは実行時に必要となるすべてのパラメーターを、クライアントの起動中に初期化ファイルからロードします。初期化ファイルの例は、「プラグインの機能」セクションに記載したとおりです。別のシナリオに対してクライアントを有効にするには、別の初期化ファイルを作成し、クライアントがその初期化ファイルを使用するように構成するという作業が必要になります。

このセクションでは、IBM Lotus Sametime Connect クライアントを米国の納税申告用 IRS 1120 e-file フォーマットに対応するように拡張した初期化ファイルを作成する方法を説明します。初期化ファイルのエンコードには XML を使用し、そのルート要素は <collaboration> とします。


リスト 2. 初期化ファイルの先頭

<collaboration>

ルート要素内に、このアプリケーションのすべての構成パラメーターを記述します。最初のパラメーターは、正規表現を使用して記述します。このパラメーターが表すのは、クライアントがデータベースから XML 文書を取得する動作を開始するためのキーワードです。正規表現は <regexpr> 要素内に記述されます。


リスト 3. 正規表現によるキーワードの定義

<regexpr>taxdocuments</regexpr>

次のステップは、クライアントがデータベースにアクセスするために使用する Web サービスのエンドポイントを定義することです。エンドポイントは、<serverURL> 要素の url 属性によって記述します。


リスト 4. XML 文書の取得に使用する Web サービス・エンドポイントの定義

<serverURL url="http://purexml.dyndns.org:9080/DB2pureXMLDemo/tax1120/tax1120.dadx"/>

次の要素の名前は <keysQuery> です。この要素は、データベースから特定の基準と一致する XML 文書のセットを取得するための XQuery 式を表します。


リスト 5. XML 文書のセットを取得する XQuery 式の定義

<keysQuery>
  XQUERY declare default element namespace "http://www.irs.gov/efile"; 
  for $doc in db2-fn:xmlcolumn('DB2ADMIN.TAX1120.DOCUMENT') 
  return &lt;entry id="{$doc/Return/ReturnHeader/ReturnId/text()}" 
                   label="{$doc/Return/ReturnHeader/PreparerFirm
                           /PreparerFirmBusinessName/BusinessNameLine1/text()}"/&gt;
			   </keysQuery>

XML 文書のセットを取得する XQuery 式の後には、データベースから特定の 1 つの XML 文書を取得するために使用する別の XQuery 式が続きます。この 2 番目の XQuery 式は、<documentQuery> 要素を使用して表します。


リスト 6. 特定の XML 文書のセットを取得する XQuery 式の定義

<documentQuery>
  XQUERY declare default element namespace "http://www.irs.gov/efile"; 
  for $doc in db2-fn:xmlcolumn('DB2ADMIN.TAX1120.DOCUMENT') 
  where ($doc/Return/ReturnHeader/ReturnId[text() = "${key}"]) 
  return $doc
</documentQuery>

クライアントがデータベースから特定の XML 文書を取得した後は、この未加工の XML 文書を、よりユーザーにわかりやすい表現の情報へ変換するための XML スタイルシートが必要になります。そこで、変換に使用する XML スタイルシートを <xsl> 要素の url 属性を使用して指定します。


リスト 7. XML 文書の変換に使用する XML スタイルシートの定義

<xsl url="file:/C:\st_purexml\ibm-tax1120.xsl"/>

クライアントのパラメーターを別のシナリオに合わせて構成する作業が完了したら、初期化ファイルが確実に整形式になるように終了要素 </collaboration> を追加してください。より理解しやすいように、この初期化ファイル全体をリスト 8 に記載します。


リスト 8. IRS 1120 e-File フォーマットに対応した完全な初期化ファイル

<collaboration>
<regexpr>taxdocuments</regexpr>
<serverURL
  url="http://purexml.dyndns.org:9080/DB2pureXMLDemo/tax1120/tax1120.dadx"/>
<keysQuery>
  XQUERY declare default element namespace "http://www.irs.gov/efile"; 
  for $doc in db2-fn:xmlcolumn('DB2ADMIN.TAX1120.DOCUMENT') 
  return &lt;entry id="{$doc/Return/ReturnHeader/ReturnId/text()}" 
                   label="{$doc/Return/ReturnHeader/PreparerFirm
                           /PreparerFirmBusinessName/BusinessNameLine1/text()}"/>
</keysQuery>
<documentQuery>
  XQUERY declare default element namespace "http://www.irs.gov/efile"; 
  for $doc in db2-fn:xmlcolumn('DB2ADMIN.TAX1120.DOCUMENT') 
  where ($doc/Return/ReturnHeader/ReturnId[text() = "${key}"]) 
  return $doc
</documentQuery>
<xsl 
  url="file:/C:\st_purexml\ibm-tax1120.xsl"/>
</collaboration>

初期化ファイルの作成が終わったら、このファイルを使用するようにクライアントを構成する必要があります。それには、クライアントのメイン・ウィンドウでメニュー項目「File」を開き、「Preferences」を選択してください。すると別のウィンドウが開くので、このウィンドウで「DB2 pureXML Demo」のエントリーを選択します (図 16 を参照)。


図 16. 使用する初期化ファイル



DB2 pureXML Demo の設定画面から、参照する初期化ファイルを追加することも、既存の初期化ファイルへの参照を削除することもできます。




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まとめと今後の展望

この記事でおわかりのように、XML のみで構成されるアーキテクチャーを利用して連携をサポートするように IBM Lotus Sametime Connect クライアントを拡張するのは、簡単でわかりやすい作業です。このアーキテクチャーでは、一貫して同じフォーマットで情報が保管、交換、表示されるため、設計が単純化され、開発が迅速化されるという利点がもたらされます。それによって最終的にはフィードバックを通して改善していくことができる強力なプロトタイプとなります。

医療システムでは、患者または担当医師、あるいはこの両者の同意なしに機密情報にアクセスできるようであってはなりません。セキュリティーは間違いなく、インスタント・メッセージによる連携のサポートという構想を改善していく上での今後の課題となります。この先の開発分野として挙げられるのは、プラグインの構成ファイルをサーバー・システムに配置することです。また、フォーム・ベースの表示を統合して、データを表示するだけでなく変更も可能にするというのも、非常に興味深い分野です。インスタント・メッセージ・クライアントをデータベース・システムに対する使いやすいインターフェースとして使用し、情報を交換する一方を人間ではなくデータベース・エージェントにするという可能性も考えられます。

この記事では、IBM Lotus Sametime Connect クライアントが XML のみで構成されるアーキテクチャーを最大限に利用できるようにすることによってもたらされるメリットを紹介しました。付属のプラグインを活用して、さらにプロトタイプとソリューションを展開させていってください。




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謝辞

インスタント・メッセージにおける、XML のみで構成されるアーキテクチャーの役割を明らかにするこのプラグインを実装してくれた Carlos Caballero Grolimund 氏と Jessica Ramirez 氏に心から感謝いたします。また、Craig Reichenbach 氏のサポートにも感謝いたします。





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内容ファイル名サイズダウンロード形式
Sametime pureXML plug-insametime_purexml_plugin.zip1.7MBHTTP
Demo of Sametime plug-in scenariorecording_sametime_plugin.wmv8.5MBHTTP
Transcript of demosametimetranscriptFeb2009.pdf63KBHTTP
ダウンロード形式についてAdobe® Reader® が必要


参考文献

学ぶために
  • Industry Formats and Services with pureXML: HL7 (Health Level 7) CDA (Clinical Document Architecture) 用のサンプルをはじめ、さまざまに揃ったサンプルを無料でダウンロードしてください。それぞれのサンプルによって XML ベースの Industry Formats と pureXML を操作する方法がわかります。XML スキーマの登録方法、XML インスタンス文書の検証方法、XQuery または SQL/XML を使用した XML データのクエリー方法を紹介するサンプルもあります。

  • Data Web Services を使用した pureXML のための Universal Services」(developerWorks、2008年8月): Universal Services を構成、テスト、変更する手順を学んでください。この一定のデータベース操作のセットによって、XML データをクエリーし、変更することが可能になります。

  • DB2 pureXML アプリケーションを 1 日で作成する」(developerWorks、2008年12月): Universal Services による XML のみで構成されるアーキテクチャーを使用して、完全な DB2 アプリケーションを 1 日で構築してください。

  • DB2 スキル・キット: データベース管理者も、アプリケーション開発者も、このキットで知識とスキルを培ってください。DB2 スキル・キットでは、IBM DB2 Universal Database のインストール方法、構成方法、管理方法を学べます。概要、インストール、構成、データベース作成、および管理についてのトピックが網羅されています。

  • developerWorks の IBM Information Management and XML technology エリア: DB2 やその他の IBM 製品で XML 技術を使用する上でのスキル向上に必要なリソースを入手してください。

  • developerWorks Information Management ゾーン: 情報管理について詳しく学んでください。このゾーンには、技術文書やハウツー記事、教育資料、ダウンロード、製品情報その他が豊富に用意されています。

  • developerWorks technical events and webcasts で最新情報を入手してください。

  • technology bookstore: この記事で紹介した技術やその他の技術に関する本を参照してください。


製品や技術を入手するために
  • DB2 Express-C: DB2 を無料で使用するには、コミュニティー向け DB2 Express Edition の無料バージョン、DB2 Express-C をダウンロードしてください。DB2 Express Edtion と同じコア・データ機能を備えた DB2 Express-C は、アプリケーションをビルドしてデプロイするための安定した基盤になります。

  • 次期開発プロジェクトの構築に、developerWorks から直接ダウンロードできる IBM ソフトウェアの試用版をご利用ください。


議論するために


著者について

Susan Malaika

Susan Malaika は (IBM Software Group の一部である) IBM Information Management Groupのシニア・テクニカル・スタッフです。専門分野は XML、Web、データベースであり、Global Grid Forum ではグリッド環境でデータをサポートする標準を開発しました。彼女は IBM 製品のソフトウェア開発者としての経験の他に、インターネット・スペシャリスト、データ・アナリスト、アプリケーションの設計者および開発者としての経験もあります。また Web に関する共著作があり、トランザクション処理や XML に関する記事も執筆しています。彼女は IBM Academy of Technology の一員でもあります。


Christian Pichler

Christian Pichler は、Research Studios Austria の若手研究員で、eGovernment および eBusiness のさまざまなプロジェクトに従事しています。彼は、コンピューターサイエンスで修士号取得しており、現在オーストリアの Technical University of Vienna の博士課程で組織間システムの分野の研究を行っています。




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