IBM Optim Data Growth Solution for Oracle E-Business Suiteは、Oracle E-Business Suite(以降、Oracle EBS)の情報ライフサイクル管理のソリューションです。Oracle EBSのモジュールごとに期間などを指定して古くなったデータをアーカイブしたり、さらに不要となったデータを削除したりすることができます。これにより、本番データのスリム化によるパフォーマンスの向上や、古くなったデータを安価なストレージに移行することによるコストの削減等が期待できます。また、Oracle EBSに職責等の定義を追加することで、アーカイブ・データや、アーカイブ・データと本番データを統合したデータをOracle EBSコンソールから照会することができます。
IBM Optim Data Growth Solution for Oracle E-Business Suite(以降、Optim-EBS)は、IBM Optim Data Growth Solution (以降、Optim-DG)と連携して動作します。
図1に全体構成図を示します。
図1. 全体構成図
Optim-EBSはWebSphere Application Server Community Edition(WAS-CE)上で動作します。
OracleアーカイブDBを用意し、Optim-EBSの構成を行うと、OracleアーカイブDBにはアーカイブするデータが保存されるテーブル等が作成され、本番DB (Oracle EBS DB) にはOracleアーカイブDBに対するデータベース・リンクや、それを用いて本番データ用テーブルとアーカイブ・データ用テーブルを統合したビュー等が作成されます。
ビューは、職責に応じてアーカイブ・データのみを照会することや、本番データとアーカイブ・データを統合して照会することが可能なように定義されています。
アーカイブ等の処理はOptim-DGが行います。アーカイブ等の処理を行うためには、アーカイブ等の処理内容を定義する必要がありますが、Optim-EBSはモジュールごとに必要とされる各種処理内容が定義されたファイルを提供しており、それをインポートして使用することができます(図2)。
図2. Optim-EBSが提供する定義ファイルをOptim-DG にインポート
図1に示したように、Oracle EBSのデータの流れは以下のようになります。
- 古くなったデータをOracle EBS DBからアーカイブします。結果として、Optimアーカイブ・ファイルが作成されます。
- アーカイブしたデータをOracleアーカイブDBに挿入(リストア)し、Oracle EBSコンソールからの照会を可能にします。
- 不要になったアーカイブ・データをOracleアーカイブDBから削除します。
- Optimアーカイブ・ファイルを削除します。リテンション・ポリシーを設定して自動的に削除することも可能です。
アーカイブを行う際は、Optim-EBSのコンソールでアーカイブするモジュールを選択し、アーカイブするデータの期間の選択やアーカイブに対する記述などを行って実行します(図3)。実行は即時または日時を指定してスケジュールすることが可能です。スケジュールする際は図3の時計が書かれているアイコンをクリックして日時を指定します。
図3. アーカイブの実行 (勘定科目(GL Balances)のアーカイブ例)
アーカイブ処理では、アーカイブ・ファイルが作成され、アーカイブ対象データと関連データが圧縮されて保存されます。また、Oracle EBS DBからアーカイブ対象データが削除されます(データの抽出と削除を分けて行うことも可能です)。アーカイブ処理の結果はログファイルに記録され、Optim-EBSのコンソールからも参照することができます(図4)。
図4. アーカイブ処理結果ログ
アーカイブ・ファイルに保存されたデータは、Optim-DGが提供するGUIで参照することができます。また、Optim-DGに付属されているAttunity Serverを利用することで、JDBCやODBC経由で参照することもできます。
Oracle EBSコンソールからアーカイブ・データを照会するためには、アーカイブ・ファイルに保存されたデータをOracleアーカイブDBに挿入(リストア)します(図5)。この処理では、アーカイブ対象データのみがOracleアーカイブDBに挿入(リストア)されます。
図5. アーカイブ・データのOracleアーカイブDBへの挿入(Restore)
OracleアーカイブDBに保持されているアーカイブ・データが不要になったら、Optim-EBSコンソールを利用してアーカイブ・データを削除します(図6)。この処理ではOptimアーカイブ・ファイルは削除されません。
図6. アーカイブ・データをOracleアーカイブDBから削除(Purge)
Optimアーカイブ・ファイルは、Optim-DGのリテンション・ポリシーに従って管理することができます。その場合、事前にOptimアーカイブ・ファイルの保持期間をストレージ・プロファイルに定義し、その定義名をインポートしたアーカイブ要求定義に登録しておきます。リテンション・ポリシーを使用せずにOptimアーカイブ・ファイルを明示的に削除する場合は、Optim-DGのアーカイブ・ディレクトリー・メンテナンス機能を利用して削除します。
Oracle EBSコンソールを利用したアーカイブ・データのシームレスな照会
Oracle EBSコンソールを利用してアーカイブ・データがシームレスに照会(NAA: Native Application Access)できるように、Optim-EBSはデータベース・リンクを利用して本番データ用テーブルとアーカイブ・データ用テーブルを統合したビューなどの各種データベース・オブジェクトを生成しています。
それらを利用してOracle EBSをカスタマイズすることで、Oracle EBSコンソールから、職責に応じて、本番データ、アーカイブ・データ、本番データとアーカイブ・データを統合したデータを照会することができます。
図7は、新規に作成した職責「一般会計責任者 - 統合」(システム管理者→セキュリティー→職責→定義)で、勘定科目 (GL Balances) の本番データとアーカイブ・データを統合したデータを照会することができます。
図7. 新規に作成した職責「一般会計責任者 - 統合」
図7のデータ・グループに指定している「Archive」は「Standard」をコピーして新規に作成し、すべてのOracle IDをPSTARCHに変更したものです(システム管理者→セキュリティー→Oracle→データ・グループ)(図8)。「Standard」は、図8の「アプリケーションのコピー」を実行すると選択することができます。
図8. 新規に作成したデータ・グループ「Archive」
また、新規に作成した職責が意図したアプリケーションを使用できるように、セキュリティー・ルールを割り当てます(一般会計責任者→設定→会計→フレックスフィールド→キー→セキュリティー→割当)(図9)。
図9. セキュリティー・ルールの割当
職責「一般会計責任者 - 統合」のシステム・プロファイルは図10のようになっています(システム管理者→プロファイル→システム)。プロファイル名「A4SOAE: View Combined Data」は、新規に作成したプロファイル(アプリケーション開発者→プロファイル)(図11)で、職責に対してこの値を「Yes」にすると本番データとアーカイブ・データを統合して照会することができます。「No」にするとアーカイブ・データのみが照会可能となります。その他のプロファイルの値は「一般会計責任者」と同じ値を設定します。
図10. 「一般会計責任者 - 統合」のシステム・プロファイル
図11. 新規に作成したプロファイル「A4SOAE: View Combined Data」
さらに、作成した職責をログイン・ユーザーの定義に追加すると(システム管理者→セキュリティー→ユーザー→定義)、そのユーザーのナビゲータ・メニューに追加され(図12)、職責に応じたデータを照会することができます。
図12. ナビゲータ・メニュー
Optim Data Growth Solution for Oracle E-Business Suite (Optim-EBS) は、Optim Data Growth Solution (Optim-DG) と連携し、Oracle E-Business Suite (Oracle EBS)の情報ライフサイクル管理を実現します。モジュールごとに古いデータをアーカイブしたり、さらに不要となったデータを削除したりすることができます。
また、アーカイブされたデータをOracle EBSコンソールからシームレスに照会することができ、職責に応じて照会可能なデータ (本番データのみ、アーカイブ・データのみ、本番データとアーカイブ・データ) を切り替えることができます。
- IBM Optim Data Growth Solution
- Detailed System Requirements for components of IBM Optim 7.2 (US)
- Optim Data Growth Solution for Oracle E-Business Suite(US)