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Optim Products for z/OSの機能

Optimの持つ4つのコンポーネントの紹介

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レベル: 中級

石井 学, 主任ITスペシャリスト, 日本アイ・ビー・エム株式会社

2009年 5月 20日

IBM Optim Products for z/OSでは主に3つのSolutionが提供されていますが、この区分けとは別に主に4つの製品コンポーネントを持っており製品画面やマニュアルはこれらのコンポーネントに基づいて提供されています。 この記事では、これら4つのコンポーネントの紹介と3つのSolutionの関係について説明します。

はじめに

以前の紹介記事では、IBM Optim™ には大きく分けて以下の3つのソリューションがあることを紹介しました。

  • Data Growth Solution:増加する企業内データの管理と活用
  • Test Data Management Solution:開発テストの生産性を向上
  • Data Privacy Solution:データの機密性保護

IBM Optim Products for z/OS®ではこうしたSolutionの観点とは別に、製品のコンポーネントとして以下の4つの機能が提供されています。

  • ARCHIVE
  • ACCESS
  • COMPARE
  • MOVE

上記3つのソリューションは、全てに共通の機能とこれら4つのコンポーネントの組み合わせで構成されます。以下ではこれら4つの機能と共通機能について紹介し各ソリューションとの関係について説明します。

ARCHIVE

ARCHIVEはデータベース内のデータを外部ファイルへとアーカイブするためのコンポーネントです。ある基準に適合したデータのみを外部ファイルへと書き出すことや、書き出した後にデータベース内のデータを削除するといったことができます。 ARCHIVEのコンポーネントはデータをリストアすることなく直接アーカイブ・ファイルの中身を表イメージで参照する機能も提供します。アーカイブ・ファイルには独自の索引をつけ検索効率を高める事が可能で、検索条件を指定して一部のデータのみを表示させる事もできます。また、親子関係のある複数の表をアーカイブしているときには、それらの表をJOINしてデータを表示する事もできます。 アーカイブしたデータをリストアする機能も提供しており、アーカイブ・ファイルから必要な一部のデータのみをデータベースへと戻す事が可能です。INSERT / UPDATEを使用して他ユーザーへの影響を最小に抑えながらデータを戻す方法、LOADユーティリティーを利用して大量のデータを効率よく戻す方法を選択する事ができます。アーカイブ時にデータ抽出元の表のメタデータ(列名や列のタイプ等)を一緒に保存しておく事もできますので、その情報を元にリストア時にリストア先の表を新たに作成し、そこにデータをリストアさせる事もできます。

ACCESS

ACCESSはリレーショナル・データをISPF画面で対話的に効率よく参照・編集するためのコンポーネントです。
表示させるデータを簡単に絞り込むための機能や、多くの列がある場合にキーとなる特定の列だけを画面上に残したまま行を横にスクロールしていく機能など、ISPF画面ですばやくデータを確認するための機能が提供されています。親子関係のある表をJOINし1画面の中に2つの表の中身を同時に表示させるなど、正規化して把握しにくくなったデータも効率よく確認する事ができます。
データの編集もISPF画面に表イメージで表示されているデータを上書きするだけですので、SQLを書かずにすばやくデータの更新を行う事ができます。
なお、このコンポーネントについては製品画面では“BROWSE TABLE”や“EDIT TABLE”といった更に細分化された項目で表示されています。


図1. Browse画面

ID列を画面に固定


図2. Browse画面(スクロール後)

スクロールしてもID列は画面に残る

COMPARE

COMPAREは2つの異なるリレーショナル・データを比較するためのコンポーネントです。開発/テスト時にはアプリケーション実行前のデータと実行後のデータを比較する必要が往々にしてありますが、COMPAREはこうした比較の作業を自動化し効率化するための機能を提供します。
比較する際には、行を丸ごと比較するだけでなく、テスト時にはどうしても異なってしまう列を除外して比較したり、環境により表名や列名が異なっているものにマッピングをつけて比較したりする事ができます。ある表とある表を1対1に比較するだけでなく、アプリケーションに関連する複数表の実行前データ/実行後データをまとめて比較する事も可能です。
比較後は、表単位で合致した行が何行/合致しなかった行が何行あるかといったサマリーの情報を表示させたり、異なっている行のデータのみを表示させられる事はもちろん、合致した行も合致しなかった行も含め全てのデータをまとめて表示させたり、その行が変更された事により関連する親表や子表にどのような変更があったか(例えば親表の参照しているキーの行がなくなってしまった等)を表示させたり、親表や子表のデータをJOINして表示させその場で影響を確認するといった事ができます。


図3. 比較結果のサマリー画面


図4. 比較結果のブラウズ画面

ID列、LONGTEXT列のみ比較しFLAG列等は無視して比較した結果

MOVE

MOVEはデータベースからデータを加工しながら抜き出したり、抜き出したデータをデータベースに格納したりするためのコンポーネントです。本番環境からデータを抜き出しテスト環境のデータを作成するといった用途で使用します。
データの抜き出しでは、条件を付けて必要なデータのみを抜き出したり、例えば10分の1にデータを間引いて抜き出したりする事ができます。抜き出す行数の上限を定めるといった事も可能です。
また、本番環境からテスト環境にデータを移動させる際には個人情報の漏洩等を防ぐためにマスキングが必要になります。Data Privacy Optionフィーチャーの契約もある場合には、ソース表のデータをそのまま抜き出すのではなくマスキングをして抜き出すこともできます。例えば文字列の部分列を取り出して抜き出す、元のデータの代わりに連番の番号を入れる、ある範囲の値をランダムに生成した番号を入れるといった一般的なデータの加工の他に、あらかじめ用意しておいたルックアップ・テーブルからランダムにデータを選んで値を置き換えるといった事や、頭の6桁がカード会社を表し最後の桁がチェックディジットになっているといったカード番号の規則に則ったデータ生成をする事も可能になっています。アプリケーションによっては、こうしたチェックディジットのロジックを通らないとメインのロジックをテストできないというケースもあるため、このような機能により単純にデータを塗りつぶすようなマスキングではできないようなテストが可能になります。
抽出したデータを格納する際には、ARCHIVEコンポーネントのところで紹介したリストア機能と同様、INSERT / UPDATEを使用して他ユーザーへの影響を最小に抑えながらデータを格納する方法、LOADユーティリティーを利用して大量のデータを効率よく格納する方法を選択する事ができます。保存しておいた表のメタデータを利用して、データのINSERTやLOADに先立ち、格納先の表を作成しておく事が可能であるという点もリストア機能と同様です。
なお、このコンポーネントは製品画面では“MIGRATION”という項目名でメニューに表示されています。




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共通機能

Optim Products for z/OSでは、データの抽出をする際にある表からスタートしてその表と関連のある親表や子表のデータも一緒にまとめて抽出することが可能です。また、データを表示させるときに参照関係に基づき簡単にJOINする事などもできます。こうした参照関係の情報を保管/利用する機能は各コンポーネントに共通の機能として提供されています。
参照関係は、通常DB2内の参照制約として定義されますが、DB2内では参照制約を定義せずにユーザー・アプリケーションで親表と子表に対し同時に更新を行うなどして関係を維持している場合もあります。そのような場合にも、Optimに対しユーザー・アプリケーションで維持している参照関係を登録しておく事により、データ抽出やJOINの際に利用する事ができます。
このような参照関係の情報は”Optimディレクトリー”と呼ばれるOptimのインストール時に作成されるDB2内の表に保管されます。Optimディレクトリーにはこうした参照関係の情報の他に、アーカイブや抽出処理の対象にどの表を含めどういう条件でデータの抜き出しを行うのかを定義した“Access Definition”と呼ばれるオブジェクト、どの表をInputにしてどの表をOutputにするか(比較の場合はどの表とどの表を比較するか)などを定義した“Table Map”と呼ばれるオブジェクト、Inputの表のどの列をOutputの表のどの列に対応させるか(比較の場合はどの列とどの列を比較するか) を定義した“Column Map”と呼ばれるオブジェクトなども保管されます。(Column MapにはOutputの列にデータを格納する際にどのような変換を行うかといった情報も含まれます。)
Optimディレクトリーの中身をExport/Importする機能や、Optimの処理をバッチで呼び出すための機能なども共通機能として提供されています。
なお、これら4つのコンポーネントと共通機能は密接に結びついているため、Optimでは製品の導入方法や製品画面は全ての製品で同じになっています。(導入されるモジュールなども同じものです。) 製品を購入する事により入手できるライセンス・パスワードをセットアップ画面で入力すると、購入した製品の機能を使用することができるようになります。




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3つのSolutionと4つのコンポーネントの関係

Optimには上で説明したように4つコンポーネントがありますが、3つのSolutionとの関係をまとめると以下のようになります。


図5. Optim Products for z/OS 製品群とコンポーネントの関係

Data Growth Solution for z/OSが提供するのはARCHIVEコンポーネントの機能です。一方、Test Data Management Solution for z/OSはMOVE、ACCESS、COMPAREの3つのコンポーネントの機能を提供します。Data Privacy Solutionについては、実はz/OS版では単独の製品としては提供されていません。Data Privacy SolutionはTest Data Management Solution for z/OSの有償フィーチャーであるData Privacy Optionとして提供されています。
なお、製品としてはMOVEの機能のみを提供しているOptim Move for DB2とMOVEのデータソースとしてIMS/VSAMファイル/順次編成ファイルをサポートしたOptim Move for Legacyも存在します。これら2つのMove製品でもData Privacy Optionを選択する事が可能です。




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まとめ

この記事ではOptimの提供する4つのコンポーネントの機能および共通機能の紹介と3つのソリューションとの関係を説明しました。 使用したい機能を提供している製品を選定する際や、調査をしたい機能がどのマニュアルに載っているか判断する際には、今回紹介した4つのコンポーネントの機能を足掛りにして下さい。



著者について

データベース/トランザクション関連製品のサポートを主としたお客様担当SEを経て、現在はソフトウェア事業部にてDB2 for z/OS、および、その関連ツールのテクニカル・サポートに従事している。




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