クラウドでのデータベース

クラウドについて詳細に検討する

データの専門家は、サービスとしてのデータベース (DataBase as a Service) を提供するためにクラウド・コンピューティングの概念を採用しています。これにより、サービスの利用者は、管理の負担を減らすことができ、満足を得ることができています。この記事では、DataBase as a Service の提供を開始するための 3 つのステップを説明します。この記事の内容は IBM Data Management Magazine から抜粋したものです。

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データの専門家は、サービスとしてのデータベース (DataBase as a Service) を提供するためにクラウド・コンピューティングの概念を採用しています。これにより、サービスの利用者は、管理の負担を減らすことができ、満足を得ることができています。

「今すぐデータベースが必要なのに、新しいデータベースを構築するとなると何週間もかかってしまう!」

「今使っている開発用とテスト用のデータベースはグチャグチャだ。なんで整理しないのだろう!」

こういった不満の声は聞き馴染みがあるのではないでしょうか?皆さんが大企業におけるデータの専門家であれば、聞き馴染みがあるはずです。今日の IT 部門は、データ管理の需要に追いつけずに悩まされています。新しいアプリケーションの開発用およびテスト用データベースの要求から、増え続ける大量のデータのバックアップやリストアに至るまで、DBA を忙しくさせる作業がなくなることは決してありません。

データの専門家が対応に追われている時間 (つまりユーザーからの要求に応えて「データベース操作、複製、データベース操作、複製」といった作業を息つく暇もなくしている時間) を最小限にするために、一部の組織はクラウド・コンピューティングの分野からセルフサービスの概念を借用し、サービスとしてのデータベース (DataBase as a Service) モデル、つまり DBaaS モデルに移行しつつあります。このモデルでは、ユーザーは必要に応じて、単純にクラウドにアクセスして、データベースのデータを取得することができます。

このモデルは、特にエンド・ユーザーにとって、魅力的な概念です。システム開発者やソフトウェア開発者は、DBaaS のセルフサービス機能によって得られる、自由に管理できる機能を非常に気に入っています。DBaaS を利用すれば、作業が順調にはかどっているときに、IT 部門に要求して 1 週間後に開発用あるいはテスト用のデータベースが用意されるのを待つ代わりに、リソースを要求して直ちにプロビジョニングすることができるため、そのときの調子を保つことや、新しい考えを維持することができるからです。

しかしこのモデルを実現するには、その裏でデータの専門家は大量の作業をバックエンドで行う必要があります。プライベート・データ・クラウドを構築し、首尾よくエンド・ユーザーへの DBaaS の提供を開始するためには、DBA はいくつもの要素を検討する必要があります。そうした要素には、クラウドの基礎となるハードウェア・インフラストラクチャー、クラウドによって実装および複製されるデータ全体に関する「ベスト・プラクティス」、これらすべての項目をシームレスにエンド・ユーザーに提供して DBaaS モデルを実現するためのサービス・インターフェースなどがあります。

クラウドを利用する

クラウド・コンピューティングは技術ソリューションの 1 つのカテゴリーです。この技術ソリューションでは、ユーザーはオンデマンドでコンピューティング・リソース (この記事の例では、データ・リソース) にアクセスすることができますが、その際、コンピューティング・リソースが物理リソースなのか仮想リソースなのか、専用リソースなのか共有リソースなのか、そしてリソースへはどのような方法でアクセスしているのか (直接接続なのか、LAN (Local Area Network) 経由なのか、WAN (Wide Area Network) 経由なのか、インターネット経由なのか) といったことは無関係です。

クラウドで DBaaS を提供するためには、企業の IT 部門はプライベート・エンタープライズ・データ・クラウド (つまりストレージ・ハードウェア、仮想イメージ、データベース・スキーマ、その他で構成されるプラットフォーム) を構築して管理し、サービス・インターフェースを通じてそのクラウドをユーザーが利用できるようにする必要があります。

このインフラストラクチャーが用意されると、データベースが必要になった場合には、ユーザーは単純にクラウドにアクセスして必要なリソースを要求し、ユーザー個人のデータベースにオンデマンドで瞬時にアクセスすることができます。そしてユーザーがデータ・アセットを必要としなくなると、彼らが使用したアセットはクラウド内でリサイクルされて再度割り当てが行われ、リソースが放置されたまま浪費されることはありません。

図 1. データベース・クラウドを提供するために最適化されたインフラストラクチャーでは、自動化とハードウェアの標準化によって単純さと効率性が特徴的となっています
コマンドライン・インターフェースと GUI インターフェースとを通じて REST サービスにアクセスし、標準化したデータベースをサポートすることで日常業務を自動化する様子を示した図

ステップ 1: クラウドの基礎を構築する

クラウド・コンピューティング環境を構築して DBaaS を提供するための最初のステップは、基礎となるハードウェア・インフラストラクチャーについて検討し、確実にそのインフラストラクチャーが DBaaS の目標に沿ったものにすることです (図 1)。大部分の IT 部門の構成を考えれば、これらのハードウェアに関する決定が単独で下されることは稀です。実際には、ほとんどの場合、DBA はシステム管理者やエンタープライズ・アーキテクチャーの管理者達と協力し、ハードウェア・インフラストラクチャーをどうするかに関して合意する必要があります。このプロセスでは全員に妥協が必要かもしれません。そのため、ハードウェアに関する最優先項目と要望項目とを明確に理解した上で協議に臨む必要があります。何が最優先項目なのかよくわからなければ、この先を読んでください。

ハードウェア・インフラストラクチャーの検討においては、何らかのハードウェアの購入を決定する場合と同じように、さまざまな特性を検討要素に含めることになります (プラットフォーム、ストレージ・サイズ、速度、コストなど)。クラウドで DBaaS をサポートするためには、何よりもまず、可能な限りハードウェアを標準化する必要があります。というのも、スクリプトの実行を自動化するには、異種混成のシステムに対して多種多様なスクリプトを実行する場合よりも、同種のオープン・システムに対して 1 つのスクリプトを実行する場合の方がはるかに容易なため、標準化をすることが自動化のカギになるからです。DBaaS の核心はまさに自動化です。つまり、データベースの構築とプロビジョニングのプロセスを自動化することです。そのため、ハードウェア・プラットフォームが統一されていればいるほど DBaaS の構築は容易になります。

次に、データベースをサポートするために利用可能なストレージの選択肢を検討してください。それぞれのストレージがデフォルトで提供している機能 (高可用性、災害復旧、自律性などの特性を含む) と、ハードウェア・インフラストラクチャー全体としてのストレージ容量と機能について明確に理解する必要があります。最終的に提供される DBaaS オファリングの基礎となるのはこのプラットフォームであるため、このプラットフォームで可能なこと、そしてエンド・ユーザーが利用できるものについて、正確に理解することが極めて重要です。例えば、非常に優れた RAS (Reliability (信頼性)、Availability (可用性)、Serviceability (保守性)) 機能を備えたストレージ基盤を用意すると、レジリエンシーや高可用性を備えた、優れたデータベースをクラウド内でプロビジョニングできるようになります。


IBM のデータベース・プラットフォームとクラウド内の DBaaS

この記事のメインの部分では、データの専門家はプライベート・データ・クラウドを構築することで、どのようにしてエンド・ユーザーに DBaaS を提供することができるかを説明しています。IBM では、お客様がオンプレミスのエンタープライズ・クラウドを通じて DBaaS を構築し、提供できるよう全力で支援しており、クラウド対応のデータベースである IBM DB2 と IBM Informix で DBaaS を実現できるよう取り組んでいます。

IBM DB2 for z/OS と DB2 for LUW (Linux, UNIX, and Windows)

DB2 はさまざまな用途に対応したインターフェースを備えており、マルチプラットフォームの多様なワークロードに対処できるため、DB2 はクラウド・コンピューティング環境に非常に適しています。DB2 LUW は現在、IBM SmarterCloud Enterprise、IBM WebSphere Cloudburst Appliance、RightScale Cloud Management Platform、Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) で利用することができます。

IBM Informix

IBM Informix が提供するクラウド対応のプラットフォームにより、DBA は素早くクラウドを活用することができ、自動化機能を利用してデプロイメントやストレージのプロビジョニングを迅速に行うことができます。IBM Informix は現在、IBM SmarterCloud Enterprise、Amazon EC2、Virtual Computing Lab (VCL) アカデミック・クラウドで利用することができます。


ステップ 2: 共通のワークロードとベスト・プラクティスを特定する

DBaaS 計画の次のステージでは、皆さんは組織内部での作業や、組織のデータがどのような構造で配置されているかを詳細に理解した経験豊富なデータの専門家としての実力を発揮することができます。エンド・ユーザーにとって本当に価値のある DBaaS を提供するための最も重要なステップは、データベースのテンプレートやイメージとしてどのような種類のものをクラウドで利用できるように用意する必要があるのかを事前に決定しておくことです。それらの決定を下すためには、ビジネス環境で発生する共通のワークロードと重要なプロセスを明らかにし、ベスト・プラクティスを収集する必要があります。こうして収集したベスト・プラクティスは DBaaS による自動化およびサービス提供の第 1 の候補であり、DBaaS の導入を成功させる上でカギとなります。

例えば、DBA はビジネスのマネージャー達と密接に協力して必須のデータ・セットを特定し、その情報を基にデータベースのテンプレートを作成することができます。そのテンプレートはフロントエンド・システムと効率的に接続し、クエリー実行ツールと適切に連携動作するものであり、DBaaS を通じて後からプロビジョニングするために容易に複製できるものにすることもできます。そうすれば、ユーザーやシステムがクラウドにアクセスすると、最新のデータ、ごく最新の更新情報、データ構造を含むテンプレート全体にアクセスできるようになり、スキーマの変更、マッピング、データのマイグレーションといったデータ管理の手間が発生することはありません。

別のエンタープライズ環境では、DBA は自動化の対象として、業界特有のメタデータやリファレンス・データが組み込まれていることが多いデータベース・イメージを選択することもできます。ビジネス要件をよく理解している DBA であれば、重要な一連のテーブル、ビュー、トリガー、ストアード・プロシージャー (そして重要なリファレンス・データ) を含む本番データベースのインスタンスを分離してデータベース・イメージを作成し、そのイメージを DBaaS によって自動化することができます。新しいブランチのサポートやアプリケーションのテストのためのデータベースをビジネスが要求する場合、そのデータベースを DBA が作成してくれるまで何週間も待つ必要はありません。クラウド内の DBaaS を利用することで、そのデータベースをクラウド内で直ちに利用することができます。


ステップ 3: 提供モデルを確立する

ここまでの段階でハードウェア・インフラストラクチャーを決定し、DBaaS による自動化の対象となるプロセスやプロシージャーを明らかにしたので、最後のステップではエンド・ユーザーと協力し、これらのデータ・サービスを利用するためのインターフェースをどう選択するかについて彼らを教育し、支援します。

DBaaS にアクセスする主な方法には、GUI (Graphical User Interface) による方法、CLI (Command Line Interface) による方法、標準的な REST (REpresentational State Transfer) インターフェースを直接使用する方法の 3 つがあります。最終的にどのインターフェースを使用するかは、エンド・ユーザーの好みに大きく依存します。例えば、この 3 つの中で最もユーザー・フレンドリーなのは GUI による方法ですが、既に CLI を使用するアプリケーションを利用しているエンド・ユーザーは、GUI に切り換えることを望まないかもしれません。あるいは、人間が介在するのを完全に排除し、REST を介して DBaaS と直接通信するアプリケーションをプログラミングすることで、自分たちの環境との強固な統合を推進したいと望むユーザーもいるかもしれません。皆さんが DBaaS にアクセスする方法を理解していれば、ユーザーとの作業を通じて彼ら特有の要望とニーズに最適な DBaaS インターフェースを使用するように導くことができると同時に、DBaaS パッケージ全体を 1 つにまとめるラッパーを選択することもできます。


希望に満ちたクラウド

今日の大企業において、急速に増大している大量のデータを扱い、データベース管理の必要性に対処するのは、至難の業であるということはよく知られていることです。DBA が過酷な仕事であることに議論の余地はありません。幸いなことに、データの専門家は DBaaS に関して独特な位置にあり、エンド・ユーザーに新たなレベルの自由およびサービスを提供できるのみならず、決まり切った日常業務から離れ、本質的な作業に従事することができます。そうなるためには多少の準備が必要ですが、クラウドは希望に満ちており、最高のものをもたらしてくれます。

パートナーの資料
Applied Analytix, Inc DBIFourth Millennium Technologies
IBMIBM Client Reference ProgramIBM Information On Demand
International DB2 Users Group (IDUG)Informix ConferenceMelissa Data
NetezzaNiteo PartnersQuest Software
Relational Architects InternationalSafari Books Online

参考文献

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