レベル: 中級 苧阪 浩輔 (osaka@jp.ibm.com), ITスペシャリスト, 日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業
2009年 6月 01日 このドキュメントでは、DB2 Workgroup Server Edition 9.5 for Linuxをインストールする方法をご紹介します。
はじめに
DB2 Workgroup Server Edition 9.5 for Linux (以下 DB2 WSE 9.5)は、2007年10月31日に公開された、DB2の最新バージョンです。このドキュメントではDB2 WSE 9.5のインストール方法を詳細に解説します。
DB2 WSE 9.5は、主に中小規模企業受けのエディションとして位置づけられており、主に以下のような制限があります。
DB2 WSE 9.5の主な制限
| 最大プロセッサ数 | 8コア | | 最大使用可能メモリー | 16GB | | 最大搭載物理メモリー | 上限なし(マシン依存) | | | | | 最大DBサイズ | 制限なし | | | |
また、DB2 9.5の主な特徴として挙げられるのがXMLネイティブ対応の“pureXML”や、メモリー管理の自動調整機能“STMM(Self Tuning Memory Manager)”ですが,pureXML機能は有償のオプションとして、STMMについては標準機能として搭載されます。
インストールの前提条件
DB2 9.5 for LinuxがサポートするLinuxディストリビューションは以下のURLに記述されています。
なお、このドキュメントで使用したDB2とLinuxディストリビューションは以下の通りです。
- DB2 Workgroup Server Edition 9.5 (Linux 32bit)
- Redhat Enterprise Linux 5
DB2 WSE 9.5のインストール
ここでは、DB2 WSE 9.5(以下DB2)のインストール方法を解説します。あらかじめ、DB2 WSE 9.5のインストールメディアが手元にあることを前提に話しを進めます。
まず、rootユーザーでログインして、マウントされたDB2インストールメディアのディレクトリーに移動します。
#cd /media/DB2_WSE_9_5_0_0_LNXX86/
ディレクトリーの内容を確認してみると、db2setupというファイルがあることが分かります。これが、DB2のGUIインストーラーを起動するプログラムになります。早速実行してみましょう。
# ./db2setup
実行すると、以下のような画面が表示されます。
図1. DB2 WSE 9.5 のインストールを開始した時の画面
すると、次のような画面が表示されますので、「新規インストール」をクリックします。
図2. 新規インストールボタンが表示
これから具体的なインストール方法を解説しますが、これはDB2インストール方法の一例ですので、他の選択肢からインストールしていただいても問題ありません。
DB2をインストールする前に、最低でも以下のことを計画しておく必要があります。
- DB2管理サーバー(DAS)のユーザー名 (デフォルト:dasadm1)
- DB2インスタンス・オーナー・ユーザー名(デフォルト:db2inst1)
- Fencedユーザーのユーザー名(デフォルト:db2fenc1、db2fencedユーザーについては後述)
- インスタンスのTCP/IPポート番号(デフォルト:50000番)
DB2のサーバー・プロセスは、上記の「DB2の管理ユーザー」で起動されます。また、DB2ではインスタンスが外部(クライアント)からの接続を受け付けるために、1インスタンス毎に1つ、現在使用していないポート番号が必要になります。
図3. インストール・ウィザードが開始画面
インストール・ウィザードが開始され、この画面が表示されます。「次へ」をクリックします。
図4. ソフトウェア・ライセンス情報の画面
つづいて、ソフトウェア・ライセンスについての情報が表示されます。内容を確認のうえ、「同意する」を選択して「次へ」をクリックします。
図5. インストール・タイプの選択画面
インストール・タイプを選択します。「カスタム」を選択すると導入するコンポーネントを細かく選択できます。「標準」を選ぶと、標準的なコンポーネントが選択され、またインストール時の質問事項の多くが自動的に決定されるため、質問事項が少なくなります。「フィーチャーの表示」をクリックすると、「標準」で導入されるコンポーネント一覧を確認することができます。
多くの場合、「標準」のままで問題ありません。ここでは「標準」を選択して「次へ」をクリックします。
図6. インストールおよび応答ファイルの作成を選択
ここでは応答ファイル(レスポンス・ファイル)を作成するかどうかを設定します。応答ファイルは、インストール時に選択した内容を記録しておくファイルで、同じ内容で次回インストールする際に、そのファイルを使用するとインストール作業を自動化できるというものです。
「応答ファイルに保管する」を選択したまま、「次へ」をクリックします。
図7. インストール・ディレクトリーの選択
ここではDB2を導入するディレクトリーを選択します。デフォルトでは/opt/ibm/db2/V9.5に設定されています。
図8. IBM TivoliSystem Automation for Multiplatforms Base Component(SAMP Base Component)のインストール
SAMP Base Componentは、DB2サーバーの可用性を高めた構成を実現する構成です。本資料ではDB2単体のインストールに主眼を置いた解説を行うため、ここでは「SAMP Base Componentをインストールしない」を選択します。
図9. DB2 Administration Serverのユーザー情報の設定
DB2の管理ユーザーについての設定です。前述の通り、デフォルトではユーザー名にdasusr1、管理ユーザーが属するグループ名にdasadm1が指定されます。
ホーム・ディレクトリーもデフォルトで「/home/dasusr1」が指定されています。必要があれば、変更してください。
「デフォルトUIDを使用(U)」にチェックを入れると、インストーラーがユーザーIDを自動的に選択します。任意のユーザーIDを割り振りたい場合には、このチェックをはずし、適切なユーザーIDを割り振ってください。またグループIDについても同様に、任意のグループIDを指定することができます。
また、新規にユーザーを作成するのではなく、既存のユーザーを指定することができます。その場合には、既存ユーザーのチェックボックスをチェックし、管理ユーザーとするユーザーをリストから選択してください。
図10. DB2インスタンスのセットアップ
続いて、インスタンスのセットアップに移ります。ここで、「DB2インスタンスを作成する」を選ばない場合、データベースを扱うためのインスタンスの作成・構成はインストール・プロセスの中では行われず、インストール終了後にdb2icrtコマンドなどを用いてマニュアルで実施することになります。多くの場合では、ここでインスタンスを作成するのが良いでしょう。「DB2インスタンスを作成する」を選択し、「次へ」をクリックします。
図11. DB2 インスタンス所有者のユーザー情報の設定
管理ユーザーのときと同様に、インスタンス・オーナー・ユーザーについて指定する画面が表示されます。デフォルトではユーザー名に「db2inst1」、グループ名に「db2iadam1」が指定されています。DB2プロセスは、ここで指定したユーザーで実行されます。パスワードを設定してください。
その他のユーザー名、UID、グループ名、GID、ホーム・ディレクトリーなどについては内容を確認し、必要があれば変更してください。
また、既存ユーザーを指定することもできます。
確認・設定を終えたら、「次へ」をクリックします。
図12. fenced ユーザーのユーザー情報の設定
次は、Fencedユーザーの設定です。DB2のユーザー定義関数、ストアード・プロシージャーなどは、Fencedユーザー権限で実行されます。Fencedユーザーをインスタンス・オーナーと別に指定することで、ユーザー定義関数、ストアード・プロシージャーに問題があった際にインスタンス本体へ影響を及ぼすことを防ぎます。
ここでも、ユーザー名、UID、グループ名、GID、ホーム・ディレクトリーを確認し、パスワードを設定します。
もしくは、既存ユーザーを指定します。
これらの設定を終えたら、「次へ」をクリックします。
図13. DB2 ツール・カタログを準備する
ここでは、タスク・センターやスケジューラーを使用するために必要なDB2ツール・カタログの準備を行います。こうしたツールを使用すると、バックアップなどの一般的なタスクをスケジュールできます。
このタスク・センターについては、インストールが済んだ後にコントロール・センターを通して行うことができます。ここでは「DB2ツール・カタログを準備しない」を選択し、「次へ」をクリックします。
図14. 通知のセットアップ
次に、DB2にトラブルが発生した際に、管理者にアラートを送るために、Eメールやページャー(日本国内では機能しません)による通知を自動的に送信する機能の設定を行います。ここでは「現時点では、通知を送信するようにDB2サーバーをセットアップしない」を選択し、「次へ」をクリックします。
図15. ファイルのコピーの開始および応答ファイルの作成
最後に、これまでの設定内容を確認します。設定内容に間違いが無いことを確認して「完了」をクリックします。後は自動的にDB2のインストールが行われます。
図16. DB2 Workgroup Server Edition バージョン9.5 インストール中
図17. セットアップ完了
インストールが終了すると、上記のような完了の画面が表示されます。構成されたインスタンス名、インスタンス用のTCP/IPポート番号などが記されていますので、確認してください。TCP/IPポートはデフォルトでは50000番が使われます。また、ポート番号については/etc/servicesでも確認することができます。
これでDB2のインストールは完了です。「完了」をクリックしてインストールを完了します。
日本語環境を利用する場合には、引き続き「National Language Pack」をインストールします。National Language Packの導入はDB2インスタンスが停止した状態で行いますが、前述のインスタンスのセットアップが終わった時点でインスタンスが起動されています。まずはインスタンス・オーナー(db2inst1)にユーザーを変更し、DB2インスタンスを停止します。
# su – db2inst1
$db2stop
SQL1064 DB2STOPの処理が正常に終了しました。
$exit
マウントされたインストールメディアのディレクトリーに、nlpackという名前のディレクトリーがあるので、そこに移動します。
#cd nlpack
ディレクトリーの内容を確認すると、製品イメージと同様にdb2setupというファイルがあるので、これを起動します。
# ./db2setup
図18. DB2 バージョン9.5 へようこそ(ユーザー:root)
DB2製品インストール時と同様に、セットアップ・ランチパッドが起動します。前回と同様に、製品のインストールを選択します。
図19. 製品インストール開始画面
製品インストール画面に遷りますので、「既存の製品を操作」ボタンをクリックします。
図20. DB2の既存コピーの処理
処理するDB2コピーとして、先ほど導入したDB2製品が表示されますので選択し、「DB2セットアップ・ウィザードの起動」ボタンをクリックします。
図21. DB2セットアップ・ウィザードの起動画面
DB2セットアップ・ウィザードが起動するので、「次へ」をクリックします。
図22. インストールおよび応答ファイルの作成を選択
同様に「次へ」をクリックします。
図23. インストールする言語の選択
続いてインストールする言語の選択行います。「選択された言語」の一覧に「日本語」が選択されていることを確認します。
最後に、設定内容の確認画面が出ます。設定内容が正しいことを確認し、「完了」ボタンをクリックします。
図24. DB2 National Language Packバージョン9.5 インストール中
図25. セットアップ完了の画面
上のような表示が出れば、セットアップは終了です。
インストール後の確認
インストールが終了したので、動作を確認しましょう。Rootユーザーからログアウトし、インスタンス・オーナー・ユーザー(db2inst1)でログインします。
シェル・ウィンドウを起動し、db2fsと入力します。すると、以下のようにブラウザーを設定する画面が表示され、「OK」をクリック下後に、「ファースト・ステップ」ダイアログが表示されます。
$db2fs
図26. DB2 ファースト・ステップ
「ファースト・ステップのブラウザー・プロファイルを作成する」で、「はい」を選択して「OK」をクリックします。
図27. DB2 Database for Linux,UNIX,and Windowsのファースト・ステップへようこそ
ここでは、このダイアログからサンプル・データベースを作成します。左のペインから「データベース作成」をクリックします。
図28. データベース作成画面
「SAMPLEデータベースの作成」ボタンをクリックします。
図29. SAMPLEデータベース作成のダイアログ
上記ダイアログが報じられますが、「XMLおよびSQLのオブジェクトとデータ」にチェックを入れ、「OK」をクリックします。少し時間がかかりますが、「完了」のダイアログが出ると作成終了です。作成が完了すると、/home/db2inst1/db2inst1/NODE0000というディレクトリーが作成され、その中にサンプル・データベースがSAMPLEという名前で作成されます。
次にシェル・ウィンドウからSAMPLEデータベースに接続してみます。新しいシェル・ウィンドウを開きます。まずdb2levelコマンドを実行してDB2のバージョンを確認してみましょう。画面にDB2のバージョン番号や導入先ディレクトリーが表示されます。
図1. DB2のバージョンの確認画面
次に、シェル・ウィンドウ上で以下のように入力し、SAMPLEデータベースに接続してみましょう。
$db2 connect to sample (データベースに接続)
$db2 list tables (表の一覧を表示)
$db2 “select * from staff “ (SQLを実行)
$db2 terminate (接続解除)
また、db2ccコマンドを実行すると、GUIの管理ツール「コントロール・センター」を起動してデータベースの内容を確認することができます。
$db2cc
図31. GUIの管理ツール「コントロール・センター」の起動画面
図32. コントロール・センターの表示方法
スプラッシュ・ウィンドウに続き、コントロール・センターの表示方法についての問い合わせ画面が表示されます。今回はデフォルトのまま、「OK」をクリックします。
図33. DB2 V9.5インストール後の動作確認完了の画面
上のような画面が表示されます。ツリーをたどっていき、データベースの内容が確認できたら確認は終了です。
著者について  | |  | 苧阪浩輔(おさかこうすけ)はDB2担当のテクニカル・セールスとしてIBMでのキャリアをスタートしました。現在多くのプリセールス活動やプロジェクト支援に携わり、DB2まわりの幅広い知識・経験を身に付けています。彼は書籍「DB2 9.7 エバリュエーション・ガイドブック」(2009年7月発行)の共著者でもあります。大学時代はRFIDのソフトウェア基盤技術を研究していました。休日は社会人になって始めたゴルフの練習に励んでいます。
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