専門家の知見を反映した PureApplication System のパターンについて学ぶ

この記事では、IBM PureApplication System の構造、そして専門家の知見を反映した仮想パターンについて説明しながら、エキスパート・インテグレーテッド・システムの IBM PureSystems 製品ファミリーを理解するための基本事項を紹介します。IBM PureApplication System ソリューションは、トランザクション処理を行う Web アプリケーションやデータベース・アプリケーションを特に意識して設計されており、クラウドにデプロイしやすいパターンとしてパッケージ化されています。この記事では、PureSystems 技術を用いて開発やデプロイを行う方法に関する知識を広げる上で役立つリソースについても紹介します。

Amit Acharya, Product Manager, IBM

Amit AcharyaAmit Acharya は IBM Workload Deployer のプロダクト・マネージャーです。彼はそれ以前、プライベート・クラウド分野の製品に関する戦略的品質計画と実現を指揮し、また Platform as a Service ベータ・プログラムの実行に重要な役割を果たしました。お客様指向のエンタープライズ・アプリケーション開発とミドルウェア・ソリューションに豊富な経験がある彼は、サービス指向アーキテクチャー領域で何本か IBM Redbooks を執筆し、IBM で特許の出願に積極的に貢献してきました。現在は Duke University で MBA 取得を目指しており、Purdue University では電子工学とコンピューター工学の修士号を取得しています。



2012年 5月 17日

IBM PureApplication System は専門知識・技術のパターンを使用した以下の 2 つの手法を組み合わせ、複雑さを増す IT を管理し、アプリケーションを迅速にデプロイします。

  • クラウドによる手法: すべてがサービスとして (as a Service で) 動作します。そのためユーザーは、さまざまなサービス (インフラストラクチャー、プラットフォーム、ソフトウェア、ビジネス・プロセス、データベース、ストレージなど) に対する機能強化として、それらのサービス領域のベスト・プラクティスを反映したモジュールを作成し、それらのモジュールをシステム環境全体に組み込むことができます。これはリソース指向の手法です。
  • ワークロード最適化システムによる手法: 同様のエキスパート・コンポーネントを環境に組み込み、タスク管理に関する実証済みのエクスペリエンスを実現することができます (タスクの例として、ワークロードの統合、新機能や強化した機能の迅速なロールアウト、ワークロードのライフサイクルの解決などがあります)。これはタスク指向の手法です。

専門知識・技術のパターンをデプロイする手法は PureApplication System の基本です。つまりクラウド・アプライアンスを使用することで、完全に構成されたアプリケーション環境を表現するパターンの構築とデプロイを行います。ある特定のアプリケーション環境を使用する準備が整ったら、パターンを 1 つ選択してデプロイします。PureApplication System は、環境を構成する多様な仮想マシンのデプロイメント、構成、統合を自動的に行い、完全な製品をものの数分で実現します。

ミドルウェア・アプリケーション環境に対してクラウド・ベースの手法を検討する場合、デプロイ時間の短縮、一貫性の向上、アジリティー (俊敏性) の強化というメリットを期待するはずです。PureApplication System によるソリューションはこうした問題に対処してくれるため、クラウドへのミドルウェア環境のデプロイメントは、再現可能で迅速かつ効率的なものになります。

専門知識・技術のパターンを使用してアプリケーションを設計、デプロイする

PureApplication System のアーキテクチャーは以下の 3 つのミドルウェア・セグメントをサポートしており、この 3 つはシステムの基礎として不可欠のコンポーネントです。

  • 仮想アプリケーション・パターン: 仮想アプリケーション・パターンはワークロード・プラットフォーム・サービスで使用され、アプリケーション・コンポーネント、動作ポリシー、そしてこれらの間の関係を 1 つの集合として表現します。このパターンのコア・コンポーネントには、Web アプリケーション、データベース、キュー、既存リソースへの接続、ビジネス・プロセス・モデル、バッチ・ジョブ、メディエーションなどがあります。このパターンのコア・ポリシーには、高可用性、SLA、セキュリティー、マルチテナンシー、分離などがあります。
  • 仮想システム・パターン: 仮想システム・パターンは仮想化されたミドルウェア・サービスで使用されるものであり、指定された一連のデプロイメント要件に対して再現可能なトポロジーを論理的に表現するものです。例えば WebSphere Application Server クラスター・パターンには、IBM Deployment Manager、1 つ以上のカスタム・ノード、IBM HTTP Server、そしてそのトポロジーにアプリケーションをインストールするための構成スクリプトなどが含まれています。
  • 仮想アプライアンス: 仮想マシン・イメージ・ファイルはクラウドの重要な問題 (ソフトウェア・ライセンスや標準化など) に対応するものであり、構成済みのオペレーティング・システム環境とアプリケーションで構成されます。IBM PureSystems ファミリーは、仮想アプライアンスを迅速かつ極めて自動化された方法で処理するように設計されています。IBM Virtual Appliance Factory は自動的にアプライアンスを作成するツールキットであり、開発者が OVF (Open Virtualization Format) で仮想アプライアンスを作成するための自動ツールを提供しています。

ではそれぞれのパターンを詳しく見てみましょう。

仮想アプリケーション・パターン

仮想アプリケーション・パターンはアプリケーションを中心に設計されています。仮想アプリケーション・パターンは、その下層にあるミドルウェア・インフラストラクチャーを抽象化した単純なモデルでミドルウェア・アプリケーションを表現するためのメカニズムとして機能します。これらのパターンの実装には仮想アプリケーション・パターン・タイプを使用します。これらのタイプには特定の目的に焦点を絞った 1 つのソリューションの中に複数のミドルウェア・ソフトウェア要素の機能が統合されているため、これらのタイプを使用することで、完全な (ただし、多くの場合に複雑な) 環境を、1 つのデプロイ可能なユニットとして表現することができます。

仮想アプリケーション・パターンは、クラウド・アプリケーション・インフラストラクチャーを迅速にセットアップし、管理する上で不可欠の要素です。仮想アプリケーション・パターンについての知識を広げるために、記事「仮想アプリケーション・パターンを使用してアプリケーション・サービスを管理する」を読んでください。同記事の導入部を以下に紹介します。

・・・それは、仮想アプリケーション・パターンがアプリケーションを記述し、そのアプリケーションに適切なインフラストラクチャーを構成するためのツールを採用して、そのインフラストラクチャーにアプリケーションをデプロイするからです。何年にもわたるアプリケーション・インフラストラクチャーのデプロイメント経験とベスト・プラクティスを取り込んだ IBM PureApplication System の仮想アプリケーション・パターンには、特定のタイプのアプリケーション・ワークロードをホストする、さまざまなミドルウェア要素に最適なソリューションがカプセル化されています。この記事では、仮想アプリケーション・パターンと、エコシステムでのその位置付けを概説します。そして、仮想アプリケーション・パターンを構成するコンポーネントと機能について説明した後、仮想アプリケーション・パターンの基本的な作成方法と使用方法を紹介します。

仮想アプリケーション・パターンの好例は IBM Workload Deployer Pattern for Web Applications です。このワークロード・パターンを利用すると、デプロイメント、ライフサイクル管理、弾性スケーリング、セキュリティーを含め、Web アプリケーションの管理を 1 つのユニットとして完全に自動化することができます。

仮想システム・パターン

仮想システム・パターンはクラウドのミドルウェア・トポロジーを迅速に設定、管理するために不可欠の要素です。仮想システム・パターンについての知識を広げるために、記事「仮想システム・パターンを使用してトポロジーを管理する」を読んでください。同記事の導入部を以下に紹介します。

・・・それは、仮想システム・パターンがミドルウェア・トポロジーを記述し、そのトポロジーをクラウドに自動的に構成するためのツールを採用するからです。何年にもわたるインフラストラクチャー管理の経験とベスト・プラクティスが取り込まれた IBM PureApplication System の仮想システム・パターンには、さまざまなミドルウェア・イメージとランタイム構成に基づく再現可能なトポロジー定義がカプセル化されていて、ユーザーがデプロイ対象のミドルウェア全体を制御できるようになっています。この記事では、仮想システム・パターンと、エコシステムでのその位置付けを概説します。そして、仮想システム・パターンを構成するコンポーネントと機能について説明した後、仮想システム・パターンの基本的な作成方法と使用方法を紹介します。

専門家の知識を必要とするタスクの 1 つは、どのようにして仮想システム・パターンを設計するか、というタスクです。記事「仮想システム・パターンを設計する」では、以下に紹介するように仮想システム・パターンの設計計画を立てる上での基本的なチェックリストを紹介し、PureApplication System の仮想システム・パターンについて、専門家が説明しています。

IBM PureApplication System の仮想システム・パターンは、仮想マシンからアプリケーションに至るまでのシステムのデプロイメントを迅速に行えるようにするとともに、再現可能にします。仮想システム・パターンを使えば、トポロジー全体を完成させるために必要な手動タスクを完全に自動化できるため、従来はアプリケーションをデプロイするのに数時間、あるいは数日かかっていたところを、ものの数分でデプロイできるようになります。このようにパターン指向でミドルウェアのデプロイメントを行うことで、エラーの原因になりやすい手動による構成プロセスによってもたらされるバグが排除されるだけでなく、パターンにはベスト・プラクティスが組み込まれているため、ソリューションのデプロイメントが加速化および最適化されるというわけです。この記事では、仮想システム・パターンを設計して開発する際の重要な検討事項を明らかにします。

仮想システム・パターンの好例は、IBM Transactional Database Pattern と IBM Data Mart Pattern を含む IBM Database Patterns です。Transactional Database Pattern を利用すると、データベースを高度にカスタマイズする必要のない、部門レベルのオンライン・トランザクション処理アプリケーションに対応できるため、情報中心のアプリケーションに対してトランザクション処理を行うデータベース・インフラストラクチャーを提供することができます。また、Data Mart Pattern はプロビジョニング機能と管理機能を備えているため、これらの機能を利用することで、セキュアなプライベート・クラウド内でデータ中心のアプリケーションのデータ・マート・インフラストラクチャーを操作することができます。Data Mart Pattern はデータ・マートのワークロードに必要な独特の I/O スループットに合わせて調整されています。

プラグインによってアプリケーションを使用可能にする

IBM PureApplication System 環境に既存のアプリケーションをデプロイするために、プラグインを使用することができます。IBM Workload Plug-in Development Kit は、このような既存のアプリケーションと PureApplication System との間を橋渡しするプラグインを作成する上で役立ちます。

仮想アプリケーション・パターンを実現するためには、アプリケーション中心のデプロイメント・モデル、(個々のコンポーネントとポリシーで構成される) 仮想アプリケーション、それらのアプリケーションが使用するインフラストラクチャーとミドルウェア、ワークロード特有のコンテンツ (仮想アプリケーション・パターンの記述やデプロイメントに使用されるコンポーネント、リンク、ポリシーを定義する拡張機能またはプラグイン) を組み合わせる必要があります。記事「仮想アプリケーション・パターンの作成とカスタマイズ」では、開発者は仮想アプリケーション・パターンを作成、カスタマイズする上で、このツールキットをどのように使用して作業を始めればよいかについて、専門家が説明しています。

このツールキットに慣れるための基本的な実践演習が必要な場合のために、記事「IBM Workload Plug-in Development Kit を使用する」では以下の方法を説明しています。

  • Eclipse でサンプル環境を設定する
  • コマンドラインから新規プロジェクトを作成する
  • コマンドライン・ツールを使用して 1 つのプラグインとパターン・タイプを作成する
  • Eclipse フレームワークを使用してプラグインを作成する

このツールキットを使用してプラグインを作成するための実際のシナリオを調べたい場合には、記事「プラグインを使って新しいアプリケーションを IBM PureSystems にデプロイする: 第 1 回」を読むことで、IBM Cloud 研究所チームが PureSystems 環境のための最初のプラグインを作成した際の作業を追体験することができます。同記事では、(アプリケーション・パッケージとシステムとの間を橋渡しする) プラグインを作成する方法について、SugarCRM (顧客関係管理のためのエンタープライズ・アプリケーション・パッケージ) の場合を例に挙げて説明しています。PHP アプリケーションの場合、PureApplication System の最初の状態ではサポートされていないソフトウェア・スタックが必要です。そこで IBM Cloud 研究所チームは、アプリケーションのモデリング、デプロイメント、運用をサポートする新しいパターン・タイプと一連のプラグインを Linux と IBM AIX のベース・イメージ上に作成する必要がありました。その課程でチームが学んださまざまな教訓を知りたい場合は、記事「Deploy new applications on IBM PureSystems with plug-ins, Part 2」を読めば、それらの教訓のなかに、複数プラットフォームのサポート方法、データベースの管理方法、スクリプトの作成方法、プラグインのデバッグ方法、等々についての情報が含まれています。

仮想アプライアンス

仮想クラウド・アプライアンス (アプリケーションと、適切に構成されたオペレーティング・システムとミドルウェアとの組み合わせ) により、アプリケーションを 1 つのユニットとして管理することができます。IBM Virtual Appliance Factory を利用すると、KVM 環境や PowerVM 環境へのクラウド・アプライアンスのデプロイメントが自動化されるため、さらに作業が容易になります。記事「IBM PureFlex System への仮想クラウド・アプライアンスのデプロイメントを自動化する」は IBM Virtual Appliance Factory の技術について説明しています。


PureApplication System に対する準備を整える

では、どのようにして PureApplication System に対する準備を整えればよいのでしょう。そのためには以下の関連する記事やチュートリアルが役に立ちます。

参考文献

学ぶために

製品や技術を入手するために

  • IBM SmartCloud Enterprise で利用可能な製品イメージを調べてみてください。

議論するために

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