さまざまな機器とプラットフォームの組み合わせに対応したモバイル・アプリケーションをクラウドに統合する際の難題を解決する

モバイル開発環境に MEAP を使用する

最近、もはや切っても切れない関係になっているものとして、互いに密接に関係し合うクラウド・コンピューティングとモバイル・アプリケーションがあります。しかし、モバイル・アプリケーションをクラウドに統合しようとすると、その最初のステップに難題が待ち受けている場合があります。この記事では、MEAP (Mobile Enterprise Application Platform: モバイル・エンタープライズ・アプリケーション・プラットフォーム) の概要と、MEAP を選択することが皆さんの環境にとって最善のモバイル開発モデルとなる理由を説明します。また、クラウド指向の MEAP の実例として、著者が作成に関与した Convertigo Mobilizer を紹介します。

Olivier Picciotto, CEO, Convertigo

Olivier Picciotto は、Convertigo の共同創設者です。会社全体の管理に関与し、自社製品の技術擁護者の役目を担う彼は、15 年以上、ハイテク IT 企業の管理を経験してきました。Convertigo を設立する前は、強力な X.400 メッセージング製品を作成している Marben Produits のエンドユーザー向けエンタープライズ・メッセージング製品の開発と管理に携わっていました。彼は E.S.M.E で IT を専攻し、エンジニアリングの学位を取得しました。



2012年 9月 20日

エンタープライズ・モビリティー・プロジェクトは増加の一途を辿っており、そのなかでも価値をもたらすプロジェクトによって、さらに多くのプロジェクトの需要が生まれています。この需要は大きなボトルネックとなりますが、それは、IT インフラストラクチャーによる処理が、1 つのデータ・ソースを 1 種類のモバイル機器に接続するというものではなく、機器の多様なプラットフォーム、複雑なセキュリティー問題、そして大抵は API のない多様なエンタープライズ・アプリケーションとデータ・ソースに対処したものでなければならなくなるためです。

さまざまな機器とプラットフォームの組み合わせに対応したモバイル・アプリケーションをクラウドに統合するというシナリオはいくつかの難題をもたらします。

モバイル・アプリケーションをクラウドに統合するのに伴う難題

企業がモバイル・アプリケーションをクラウド環境に統合する際に直面する難題としては、以下のものが挙げられます。

  • 既存のアプリケーションのモバイル対応化
  • 複雑なモバイル開発言語
  • BYOD (Bring-Your-Own-Device: 個人所有の端末を業務に持ち込むこと) というトレンド
  • ビジネス・ロジックを構造化して位置付ける方法
  • モバイルの WOA (Web-Oriented Architecture: Web 指向アーキテクチャー) を SOA (Service-Oriented Architecture: サービス指向アーキテクチャー) と取り違えないための手段

まずは、これらの難題について詳しく検討します。その後、私のチームが、製品を開発する際の難題にどのように対処したかを詳しく説明します。

既存のアプリケーションはモバイル対応ではありません

モバイル対応にするとは、モバイル非対応のアプリケーションのデータとビジネス・ロジックをモバイルから利用できるようにすることを意味します。けれどもあいにく、新しいモバイル・ユーザー・インターフェースを作成する際に利用できる API やサービスを提供しているアプリケーションはほんのわずかしかありません。既存のアプリケーションをモバイル対応にするための作業負荷を軽減するには、既存のアプリケーションには手を加えることなく、コネクターを使用することでモバイル機能をサポートするという方法があります。

開発者に複雑なモバイル開発言語を使用した経験がない場合もあります

従来、モバイル・アプリケーションの開発には、一般的な Web 開発者が概してあまり詳しい知識を持ち合わせていない、複雑な Objective C および Java のリソースをある程度必要としていました。その一方で、構造上、モバイル・アプリケーションで使用されるユーザー・インターフェースに必要となるのは、Web 開発者が持っている HTML5 および JavaScript のスキルです。そこで、複雑なモバイル開発言語を使用するという難題を解決するには、Web 開発者が既知の技術を使用してモバイル・アプリケーション・コードを作成できるようにするブリッジを提供することが 1 つの方法となります。

企業は複数のプラットフォームをサポートするとともに、BYOD というトレンドをサポートしなければなりません

クロスプラットフォームの難題に対処するには、モバイル・アプリケーションを一度開発すれば、そのアプリケーションをさまざまなプラットフォーム (iOS、Android、Blackberry、Windows Phone など) 上や、メモリーやディスプレイ・サイズのパラメーターが異なるさまざまな機器 (スマートフォン、タブレットなど) 上で実行できるようにしなければなりません。前の段落で述べたように、一般的で使いやすいブリッジ環境が、この難題を解決するカギとなるはずです。

アプリケーション・ビジネス・ロジックに最適な位置付けとは何か

アプリケーションのビジネス・ロジックは、モバイル機器内にコーディングするべきではありません。アプリケーションのビジネス・ロジックを機器内にコーディングするとなると、同じビジネス・プロセスを扱うコードが複数のモバイル・アプリケーションで重複することになり、管理が大変になってしまいます。こうしたビジネス・ロジックは、サーバー・サイドにまとめて配置することで、より効率的かつ管理されたアーキテクチャーとして、複数のモバイル・アプリケーションで再利用できるようになります。複数のエンタープライズ・ソースからのデータを結合、オーケストレーション、そして計算することが可能なビジネス・ロジック層をサーバー上に作成するのが賢い考えです。

SOA と WOA を混同してはなりません

ほとんどの企業では、サービス指向アーキテクチャーの概念と構造を (専門知識ではないとしても) 認識しています。エンタープライズ・サービス・バスでオーケストレーションされた、SOAP Web サービス・ベースの情報システムを使用している場合もあります。けれども、モバイルの世界でベースとなるのは SOA ではありません。大抵のモバイル機器の環境では WOA を利用しています。WOA は、REST または JSON サービスをベースに OAuth プロトコルで認証を行う Web 指向アーキテクチャーであり、これらのプロトコルは主に低帯域幅の 3G ネットワーク用に最適化されています。したがって、組織が持つ SOA の特質を WOA の世界で活用する方法が必要になります。そのためのソリューションとして考えられるのは、構造化された厳格な SOA とアジャイルで柔軟な WOA との間にインターフェース層を設けることです。例えば、既存の SOAP Web サービスを数回クリックするだけで REST または JSON サービスに変更できるようなインターフェースです。

次は、ここまでで説明した、モバイル・アプリケーションをクラウドに統合するシナリオに、モバイル・エンタープライズ・アプリケーション・プラットフォーム、つまり MEAP をどのように対応させることができるかを簡単に見ていきましょう。


MEAP の仕組み

モバイル・エンタープライズ・アプリケーション・プラットフォーム (Mobile Enterprise Application Platform: MEAP) は、モバイル・アプリケーションの開発およびデプロイメント・プロセスの詳細を部分的に処理することによって、モバイル・アプリケーションを開発し、デプロイできるようにする製品とサービスの包括的なスイートです。MEAP は、一連の機器、ネットワーク、ユーザー・グループを扱う管理層を追加します。これにより、デプロイメント・フェーズおよびアプリケーションのライフサイクル全体にわたって、開発者がモバイル・ソフトウェアを開発する際の厄介な作業に対処できるように支援します。

MEAP に共通する代表的な特性には以下のものが挙げられます。

  • 特定のプラットフォームに依存することなく、一度作成すればどこにでもデプロイできる機能を実現します。
  • 開発者が基礎となるビジネス・ロジックを操作しなくても済むようにするインターフェースが用意されています。
  • MEAP は、以下の場合に適しています。
    • 企業が複数のアプリケーションを 1 つのインフラストラクチャー上にデプロイしなければならない場合
    • 企業の現在のモバイル・ユーザー・ベースの規模にアプリケーションをスケーリングさせる場合
    • アプリケーションをオンライン・モードとオフライン・モードの両方で使用できるようにする場合
  • プログラマーは簡単な開発テンプレートを使用することで、専門知識を持っていない複雑な言語でも扱うことができます。

一般的な MEAP 構造

MEAP は一般に、次の 3 つのコンポーネントで構成されます。

  • モバイル・ミドルウェア・サーバー: システムの統合、セキュリティー、通信、スケーラビリティー、クロスプラットフォーム・サポートなどのすべてを処理します。このサーバー上にはデータは格納されません。サーバーが管理するのは、バックエンド・システムと機器との間で受け渡しされるデータです。
  • モバイル・クライアント・アプリケーション: ミドルウェア・サーバーに接続して、機器上でユーザー・インターフェースとビジネス・ロジックを実行します。モバイル・クライアント・アプリケーションの形には、「シック」バージョン (機器上にインストールされたネイティブ・アプリケーション) と「シン」バージョン (HTML5 などを備えた機器のブラウザーでレンダリングされます) があります。
  • モバイル構成/開発ツールセット: モバイル・コンポーネントを作成、調整します。

MEAP の使用を検討するとよい場合

IT アナリストからなる Gartner 社では、組織のモバイル機能に 3 つ以上のモバイル・アプリケーションまたはモバイル・オペレーティング・システムをサポートさせる必要がある場合、あるいは 3 つ以上のバックエンド・データ・ソースを統合させる必要がある場合には、組織に MEAP を検討するように提案しています (「Gartner RAS Core Research Note G00211688」(2011年 4月 20日)。参照するには登録が必要です)。


実例: Convertigo Mobilizer

私のチームが作成した Convertigo Mobilizer は、組織がエンタープライズ・クラスのモバイル・アプリケーションを開発し、価値ある既存の IT アセットを再利用できるようにするために、単一の柔軟なモバイル統合ポイントを提供する MEAP です。Mobilizer が提供するコア技術プラットフォームは、企業のあらゆるデータ・ソースまたはアプリケーションから瞬時にデータを抽出して処理することができます。また、既存の Web サイトや Web アプリケーションから、動的なトランザクション形式の統合を実行することもできます。Convertigo は、IBM iSeries や zSeries などのシステム上で実行されるメインフレーム・アプリケーションおよびレガシー・アプリケーションと一体化します。図 1 に、環境全体のなかでの Convertigo Mobilizer の位置付けを示します。

図 1. 環境内での Mobilizer MEAP の位置
環境内での Mobilizer MEAP の位置

前述のモバイル・アプリケーションをクラウドに統合するのに伴う難題を覚えていますか? Mobilizer は、以下のようにしてこれらの難題に対処します。

  • 既存のアプリケーションのモバイル対応化。この難題を解決するために、Mobilizer は一連の強力なコネクターを提供します。これらのコネクターは、ターゲット・アプリケーションでの変更を一切必要とせずに、あらゆる Web アプリケーションまたはメインフレーム・アプリケーションに接続して、シームレスにアプリケーションの操作を行います。
  • 複雑なモバイル開発言語。この難題を解決するために、jQuery Mobile や Sencha Touch (Apache Cordova/PhoneGap 技術に関連) などのよく使われている Web ベースのフレームワークを使用します。これらのコンポーネントにより、Web 開発者は自分の好きな言語で、複数のプラットフォーム上でネイティブに実行されるモバイル・アプリケーションを作成することが可能になります。
  • BYOD というトレンド。上述のフレームワーク (jQuery Mobile、Sencha Touch、および PhoneGap) を統合することで、この難題を解決します。
  • ビジネス・ロジックを構造化して位置付ける方法。この難題を解決する方法は、企業の複数のソースからのデータを結合、オーケストレーション、計算できる強力なビジネス・ロジック層を提供することです。Convertigo Sequencer では、オペレーターが技術を熟知していなくても、複雑なビジネス・ロジックを処理し、プログラミングされたビジネス・ロジック・フローを実行することができます。しかも、Sequencer がフローを記述するメタデータを実行するので、コードの生成やコンパイルの必要もありません。つまり、極めてアジャイルな開発プロセスを促進し、時間と開発コストを削減します。
  • モバイルの WOA を SOA と取り違えないための手段。この難題は、前に提案したメカニズムをサポートすることによって解決します。つまり、高度に構造化された厳格な SOA の世界と、よりアジャイルで柔軟な WOA の世界とのインターフェースを取るために必要なミドルウェアを提供します。

では早速、Convertigo Mobilizer を IBM SmarterCloud Enterprise で使用する方法を見てみましょう。


IBM SmarterCloud Enterprise での Convertigo Mobilizer

企業は IBM SmarterCloud Enterprise 上で Convertigo Mobilizer MEAP を使用することで、IBM SmarterCloud Enterprise がエンタープライズ・モビリティー向けに提供している強力な機能を利用できるようになります。

開始手順

  1. IBM SmarterCloud Enterprise にログインしてインスタンスを起動し、データ・センターを選択して、Convertigo Enterprise Mashup Server イメージを見つけます。図 2 は、Raleigh (ラーレイ) データ・センターでの Convertigo イメージの例です。
    図 2. インスタンスの追加
    インスタンスの追加

    Convertigo イメージは、BYOL (Bring Your Own License) として用意されています。つまり、本番環境で使用するには Convertigo から有効なライセンスを入手しなければなりません。ライセンスがない場合、Convertigo EMS (Enterprise Mashup Server) は 30 日間に限って完全なサービスを提供します。

  2. Convertigo EMS イメージを選択して「Next (次へ)」をクリックします。
  3. インスタンスを起動するための必須フィールドに入力します。Convertigo は、「Copper」または「Silver」モデルで実行することをお勧めします。これよりも上のクラスのサーバー構成で実行しても、パフォーマンスが向上することはありません。この Convertigo イメージは、2 つから 4 つまでの仮想コア CPU から使用する場合に合わせて調整されているためです。
  4. インスタンスを起動し、IBM SmarterCloud Enterprise のプロビジョニングが完了するまで待ちます。プロビジョニングが完了すると、以下のパネルが表示されます。
    図 3. IBM SmarterCloud Enterprise コンソール・ページ
    IBM SmarterCloud Enterprise コンソール・ページ
  5. IBM SmarterCloud Enterprise から割り当てられた IP アドレスを確認してください (図 3 では赤で囲まれています)。Google Chrome ブラウザーを起動して、http://<上記 IP アドレス> で実行中の Convertigo EMS インスタンスにアクセスします。これで、IBM SmarterCloud Enterprise のウェルカム・ページに Convertigo EMS が表示されます。

Convertigo サーバーのワークスペースを永続化する

デフォルトでは、IBM SmarterCloud Enterprise 上で Convertigo イメージを起動すると、イメージは永続ストレージが接続されていない状態で実行されます。Convertigo サーバーには、以下の極めて重要なデータを格納するための永続ストレージが必要です。

  • デプロイ済みの Convertigo プロジェクト
  • 実行ログ
  • ライセンス情報

以上のデータは、ワークスペースと呼ばれるファイルシステムに保管されます。永続ワークスペースをセットアップするには、IBM SmarterCloud Enterprise コンソールを使用して永続ファイルシステムを追加し、それを /mnt/extra にマウントします。このファイルシステムにはライセンス情報を格納します。そのため、永続ストレージをセットアップした後は、Convertigo 管理コンソールに入力できるのは有効な Convertigo ライセンス・キーのみに限られます (図 4 を参照)。

図 4. Convertigo サーバーの起動画面
Convertigo server start up screen

最初のモバイル・プロジェクトを開発する

  1. Convertigo Studio が、モバイル・アプリケーションの開発を手伝ってくれます。Convertigo サーバーの起動ページ (図 4) で「Download Convertigo Studio (Convertigo Studio のダウンロード)」ボタンをクリックして、Convertigo Studio をダウンロードしてください。Convertigo Studio は、Convertigo サーバーのプログラミング環境を提供する Eclipseベースの開発ツールです。プロジェクトの開発が完了した後、そのプロジェクトを IBM SmarterCloud Enterprise 上で実行される Convertigo EMS にデプロイすることができます。
  2. Convertigo Studio (約 250MB) がダウンロードされたら、convertigo-studio-6.x.x-vXXXX-win32-install.exe を起動します。インストール・プロセスでは、プロキシーを設定するよう求められるので、必ず正しく設定してください。プロキシーが正しく設定されていないと、IBM SmarterCloud Enterprise 上で実行される Convertigo EMS にプロジェクトをデプロイすることはできません。

    ここでは Windows 上でのみ Convertigo Studio を実行しますが、要求に応じて Mac 版も使用できるようになっています。

  3. Convertigo Studio を起動します。初めて Convertigo Studio を実行する際には、証明書を登録するよう求められます。この証明書は IBM SmarterCloud Enterprise には必要ないので、「Ignore (無視する)」ボタンをクリックします (図 5 を参照)。
    図 5. 登録ウィンドウ
    登録ウィンドウ
  4. 次に表示されるメッセージ・ボックスで、「yes (はい)」を選択して確定します。

これで、Convertigo Studio が起動されて実行中の状態になりました。

最初のプロジェクトを開発する

まず初めに、Convertigo プログラミング・モデルを理解する必要があります。このモデルのベースとなるのは、サーバー・サイドのプログラミングとクライアント・サイド (モバイル) のプログラミングです。サーバー・サイドとクライアント・サイドは、HTTP または HTTPS 上で JSON/REST/XML プロトコルを使用してやりとりを行います。Convertigo Studio では、固有の統合開発環境である Eclipse ベースの Convertigo Studio を使用して、サーバー・サイドとクライアント・サイドの両方をプログラミングすることが可能です。

図 6. モバイルとサーバーとのやりとり
モバイルとサーバーとのやりとり

サーバー・サイドのプログラミング・モデル
サーバー・サイドのプログラミングでは基本的に、コネクター、トランザクション、およびシーケンスと呼ばれる各 Convertigo オブジェクトのアセンブルと構成を行います。

  • コネクター・オブジェクトは、バックエンド・アプリケーションへの接続を処理します。コネクターには以下のタイプがあります。
    • SQL コネクター: 任意の JDBC 対応データベースに接続します。
    • HTTP コネクター: 既存の SOAP/REST/JSON Web サービスを使用します。
    • Legacy Screen コネクター: iSeries、zSeries、または UNIX の画面ベースの任意のアプリケーションに接続します。
    • HTML コネクター: 既存の Web ベースのアプリケーションに接続します。
  • トランザクション・オブジェクトは、リモート・システムとの基本的なやりとりを処理します。すべてのトランザクションは、既存の Convertigo コネクターのいずれかをベースとします。例えば、以下のトランザクションがあります。
    • SQL トランザクション: SQL コネクター上で特定の SQL リクエストを実行し、データベースに対する読み取り/書き込み操作を行います。
    • HTTP トランザクション: SOAP/REST または JSON による HTTP ベースの Web サービスを呼び出します。
    • HTML トランザクション: 既存の Web ベースのアプリケーションとの接続、これらのアプリケーションとのやりとり、フォームへの入力、任意の Web UI 要素のクリックなどを行うことでページを生成することができます。生成されたページは読み取られ、XML レスポンスとして構造化されます。
    • Legacy Screen トランザクション: 任意の画面ベースの TN5250、TN3270、Telnet アプリケーションに接続し、データの読み取り/書き込みを行ったり、構造化された XML レスポンスとしてデータを返したりするなど、アプリケーションを操作することができます。
  • シーケンス・オブジェクトは、さまざまなコネクターでのトランザクションのオーケストレーションを行います。シーケンスはビジネス・ロジック・フローを実装し、決定を行ったり、ループの処理をしたり、複数のスレッドを並行に実行したりすることができます。

Convertigo に用意されている SQL コネクターと Web サービス・コネクターは、他の MEAP でも極めて一般的なものですが、HTML コネクターおよび Legacy Screen コネクターは Convertigo MEAP ならではのコネクターです。この 2 つのコネクターは、あらゆる既存のビジネス・アプリケーションへの非侵入型の接続を可能にすることで、強力なモバイル・イネーブルメント技術となっています。

Convertigo Mobilizer は、これらの一連のコネクターを使用してターゲット・アプケーションの任意の層に接続することができるため、既存のすべてのビジネス・ロジックをモバイル・アプリケーションに継承することが可能です (図 7 を参照)。

図 7. ターゲット・アプリケーションのすべての層への接続
ターゲット・アプリケーションのすべての層への接続

図 8 に、各 Convertigo コンポーネントの間でのやりとりを示します。

図 8. Convertigo コンポーネントの全体像
Convertigo コンポーネントの全体像

サーバー・サイドのプログラミングについての詳細は、「参考文献」で紹介している入門者向けチュートリアルを参照してください。

クライアント・サイドのプログラミング・モデル
Convertigo MEAP では、HTML5 および JavaScript フレームワークを使用してクライアント・サイドのプログラミングを行います。Convertigo は、ユーザー・インターフェース用に jQuery Mobile および Sencha Touch フレームワークのサポートを統合し、クロスプラットフォームのネイティブ・アプリケーション・サポートには PhoneGap/Apache Cordova を使用します。

これらのフレームワークを利用してクライアント・アプリケーションを作成すると、そのアプリケーションを 4 種類のプラットフォーム (iOS、Android、Blackberry 6、Windows Phone 7.5) で実行することができます。また、作成したアプリケーションはモバイル Web アプリケーションとして実行することもできるので、アプリケーション・ストアにデプロイする手順を省くことができます。クライアント・サイド UI プロジェクトを初めて開発する際には、入門ガイド (「参考文献」に記載) を参考にしてください。

モバイル US Directory サンプルを利用してプロジェクトを開発する
Convertigo Studio では、US Directory という実際に機能するサンプルを使用できるようにもなっています。このサンプルは、US Directory Web サイトをモバイル対応にする手順を実演するプロジェクトです。

  1. Convertigo Studio にサンプルをロードするために、「File (ファイル)」 > 「New (新規)」 > 「Project (プロジェクト)」の順に進みます。
  2. 「Convertigo projects (Convertigo プロジェクト)」 > 「Sample (サンプル)」 > 「Mobile Samples (モバイル・サンプル)」の順に進み、「Sencha-based US Directory Sample (Sencha ベースの US Directory サンプル)」を選択します (図 9 を参照)。
    図 9. US Directory サンプル
    US Directory サンプル
  3. ウィザードに従います。このプロジェクトでは Sencha フレームワークを使用するため、ウィザードはこのフレームワークをお使いのワークステーションにダウンロードすることを要求します。
    図 10. Sencha ダウンロード・ウィザード
    Sencha ダウンロード・ウィザード

    必ず、Sencha Touch 1.x フレームワークをダウンロードしてください。ウィザードに表示されるリンクからは、Sencha 2.0 ダウンロード・ページにアクセスされる可能性があるため、必ず Sencha 1.X ダウンロード・リンクを探してください。

  4. Sencha フレームワークのダウンロードが完了したら、その zip ファイルをウィザードに示されているディレクトリー (上図で赤く囲まれているディレクトリー) にコピーして、「Finish (完了)」をクリックします。これで、US Directory サンプルが Convertigo Studio にロードされます。
    図 11. ロードされたサンプル
    ロードされたサンプル

プロジェクトを IBM SmarterCloud Enterprise 上で実行中の Convertigo EMS にデプロイする
プロジェクトは現在、ローカルの Convertigo Studio で開かれています。このプロジェクトを IBM SmarterCloud Enterprise アカウントの Convertigo サーバーにデプロイするには、以下の手順に従います。

  1. Convertigo Studio のプロジェクト・エクスプローラーでプロジェクト名を右クリックし、「Deploy (デプロイ)」を選択します。
  2. デプロイメント・ウィンドウが開きます。最初のフィールドに、IBM SmarterCloud Enterprise 上での Convertigo サーバーのアドレス (<IBM SCE で割り当てられた IP アドレス>/convertigo) を入力します。
  3. 「Server administrator (サーバー管理者)」フィールドに「admin」と入力し、「Password (パスワード)」フィールドにも同じく「admin」と入力します。http や https の接頭辞を使用しないでください。以下に例を示します。
    図 12. デプロイメント・ウィンドウ
    デプロイメント・ウィンドウ
  4. Deploy (デプロイ)」をクリックします。
  5. プロジェクトがデプロイされるまで待ちます。
    図 13. デプロイメント
    Deployment
  6. プロジェクトがデプロイされると、確認ウィンドウが表示されます。
    図 14. デプロイメント完了
    デプロイメント完了
  7. プロジェクトを実行するために、表示されているリンクをクリックします。必ず、Google Chrome ブラウザーを使用してください。
    図 15. プロジェクトのテスト・プラットフォーム
    プロジェクトのテスト・プラットフォーム

プロジェクトは、IBM SmarterCloud Enterprise 上で実行中の Convertigo に正常にデプロイされました。

アプリケーションをモバイル Web アプリケーションとして実行するには、以下の手順に従います。

  1. プロジェクト画面の「Build mobile applications (モバイル・アプリケーションのビルド)」アコーディオン・メニューから任意の機器 (例えば、「Android」) のメニューを開きます。
    図 16. Web アプリケーションとして実行する
    Web アプリケーションとして実行する
  2. 「Execute (実行)」をクリックするか、WebApplication QR コードを Android 機器でスキャンするという方法を選択することができます。「Execute (実行)」ボタンをクリックすると、Convertigo のテスト・プラットフォームでモバイル・アプリケーションが実行されます。
    図 17. プロジェクトの実行
    プロジェクトの実行

    (図 17 を拡大したものはこちら)

ページ内の赤で囲まれた URL をコピーすれば、この WebApplication の完全な URL を入手することができます。

ネイティブ・クロスプラットフォーム・アプリケーションをビルドする
機能するモバイル Web アプリケーションが用意できたので、サポートされるプラットフォームのそれぞれに応じたネイティブ・パッケージをビルドする作業に取り掛かることができます。以下のプロセスでは、iOS プラットフォーム (iPhones および iPad) の .IPA ファイルと、Android プラットフォーム (Android フォンおよびタブレット) の .APK パッケージを生成します。

ネイティブ・パッケージをビルドする手順は以下のとおりです。

  1. Build mobile applications (モバイル・アプリケーションのビルド)」をクリックします。
    図 18. ネイティブ・アプリケーションのビルド
    ネイティブ・アプリケーションのビルド

    (図 18 を拡大したものはこちら)

  2. Build mobile devices (モバイル機器のビルド)」をクリックします。すると、Convertigo がプラットフォームごとのアプリケーションをビルドするための処理を開始し、待機サインを表示します。アプリケーションのビルドが完了すると、待機サインに変わって QR コードが表示されます。
    図 19. ネイティブ・アプリケーションのビルド
    ネイティブ・アプリケーションのビルド

    (図 19 を拡大したものはこちら)

  3. QR コードをスキャンするかクリックして、ネイティブ・アプリケーション・ファイルをワークステーションにダウンロードします。ダウンロードが完了したら、これらのアプリケーションを Apple ストアや Android ストアに申請することも、企業専用のストアでアプリケーションを公開することもできます。

まとめ

MEAP は、モバイル・イネーブルメントをクラウド環境に素早くもたらす強力なツールになります。しかも、容易に使いこなせるツールです。MEAP の役割と機能を理解することで、MEAP の使用を検討する必要が生じたときに、さまざまな機器とプラットフォームの組み合わせに対応したモバイル・アプリケーションをクラウドに統合する際の難題をより簡単に解決できるようになります。

参考文献

学ぶために

製品や技術を入手するために

  • Convertigo Enterprise Mashup Server (C-EMS) に関する情報を含め、IBM SmarterCloud Enterprise で使用できる製品イメージを調べてください。
  • Convertigo は、企業の既存のエンタープライズ・アセットと密接に結び付いたモバイル・アプリケーションの構築に取り組む開発者を支援するオープンソース・ソフトウェアを提供します。

議論するために

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