SmarterCloud Enterprise の Windows ベースのイメージをカスタマイズする

Microsoft Windows OS を必要とするソフトウェアの構成を自動化する

皆さんは現在、IBM SmarterCloud Enterprise 製品を利用していますか?もしそうであれば、これまでに Windows ベースのインスタンスをソフトウェアとコンテンツでカスタマイズするために、相当な時間を費やしていませんか?また、作業の進捗を保存して、それを同僚、パートナー、他のクラウド・ユーザーなどと共有したいと思いませんか?この記事では、IBM SmarterCloud Enterprise の Windowsベースのイメージで、ソフトウェアの実行、ユーザー入力の設定、イメージの構成を自動化するためのヒントを提供します。

Lisa Seacat DeLuca, Advisory Software Engineer, IBM

Author  photoLisa Seacat DeLuca は、IBM GTS (Global Technology Services) 傘下の Advanced Cloud Technologies チームに所属する Advisory Software Engineer です。エンタープライズ・ソフトウェア開発に 6 年以上の経験を積み、IBM SmarterCloud オファリングではOAuth サポートの取り組みを主導しました。彼女はテキサス大学で技術商品化の理学修士号を取得し、カーネギーメロン大学でコンピューター・サイエンスの理学士号を取得しました。



2012年 7月 26日

IBM SmarterCloud Enterprise の Windows ベースのイメージをカスタマイズするのは、Linux ベースのイメージをカスタマイズする場合よりも多少複雑です。複雑だとしても、Windows ベースのイメージをカスタマイズすることは可能であり、その作業は多くのビジネス・ニーズを満たすためには避けられません。そこで、この記事では IBM SmarterCloud Enterprise の Windowsベースのイメージで、ソフトウェアの実行、ユーザー入力の設定、イメージの構成を自動化するためのヒントを提供します。この記事ではすべての問題を網羅するのではなく、多くのよくある問題を取り上げ、イメージの取り込みの失敗や、インスタンスをプロビジョニングする際の説明のつかない問題を回避するために考えられるソリューションを説明します。

この記事で対象とする読者は、IBM SmarterCloud Enterprise を使用して Microsoft Windows ベースのイメージをカスタマイズすることに興味を持つ個人および企業です。記事では、読者に IBM SmarterCloud Enterprise の基本知識 (クラウド管理者ポータルのナビゲーション方法など) があることを前提とします。また、Windows オペレーティング・システムの基本的な操作の経験があれば、さらに望ましいです。

背景

表 1 に、Linux ベースのイメージと Windows ベースのイメージをカスタマイズする際の違いを記載します。この記事では、これらの違いのいくつかを詳しく説明します。

表 1. Linux ベースのイメージと Windows ベースのイメージをカスタマイズする際の違い
コンポーネントのカスタマイズ方法類似点と相違点
parameters.xml type=filetype=file のパラメーターをさらに追加することは、現在 Windows ベースのイメージではサポートされていません。
parameters.xml からの値の抽出同じ Perl スクリプトを両方のイメージ・タイプで実行することができます。ただし、Windows ベースのイメージには、Perl はプリインストールされていません。
アクティベーション・スクリプト同じ構造が必要です。イメージをカスタマイズするユーザーは、FirstProvisionStartup.bat スクリプトと VMInstanceStartup.bat スクリプトの両方を使用することができます。重要な点として、構成ステップが必要な場合、ユーザーが Windows にログインするのを待って、(例えば、一連の構成ステップを自動化する exe や マクロ・スクリプトなどを) 実行しなければなりません。したがって、これらのスクリプトは、探し求めているソリューションにはならないはずです。これらのスクリプトのいずれかに待機を伴う呼び出しが含まれていると、インスタンスのプロビジョニング・ステップはほぼ間違いなく失敗します。この記事では、その代わりとなるソリューションを説明します。
アクティベーション・スクリプトでの .exe の開始上述したとおり、アクティベーション・スクリプトでユーザー・プロセスを実行することは、プロビジョニングの失敗につながる可能性があるため、今のところサポートされていません。この記事を執筆している時点では、サポート・チームがこの機能を組み込む方法を模索しているところです。
取り込みステップユーザーは、IBM SmarterCloud ポータルを使用して既存のインスタンスのイメージを保存することができます。ただし、イメージを正常に取り込むためには、いくつかの追加ステップが必要になります。
注: 上記の相違点は、この記事を公開した時点で当てはまるものであり、その後、変更されている可能性があります。

IBM SmarterCloud Enterprise イメージのカスタマイズ方法を詳細に説明している記事は数多くあります。IBM SmarterCloud Enterprise ポータルの「Support (サポート)」タブにも、包括的なユーザーズ・ガイドが用意されています (アクセスするにはログインする必要があります)。しかし、これらの資料では Windows 固有の問題に対処しようとしてはいるものの、Windows ベースのイメージの動作が Linux ベースのイメージと異なる理由については詳しく説明していません。

Windows ベースのイメージでコマンドが実行されるようにするには、以下の 3 つの方法があります。

  1. アクティベーション・スクリプト
  2. Windows レジストリのエントリ
  3. Windows サービス

どの方法を選ぶかは、完全に、使用している環境とシステム要件次第です。この記事では、ユーザーがそれぞれの方法を使用するときに突き当たる問題を説明します。これらの方法を組み合わせることが、ニーズに最適な選択となる場合もあることを念頭に置いておいてください。

本題に入る前に、カスタム・イメージについて少し触れておきます。SmarterCloud インスタンスを保存した後、例えばカスタムの parameters.xml ファイルやアクティベーション・スクリプトを使用して、そのインスタンスの構成を変更すると、カスタム・イメージが作成されます。イメージを保存した元のインスタンスのオペレーティング・システムが Windows である場合、そのイメージもWindows ベースのイメージであると見なされます。この記事では、新規イメージがプライベート、共有、またはパブリックで使用されるかどうかとは無関係に、Windows ベースのイメージを構成する方法を説明します。


parameters.xml からの値の抽出

Linux ソリューションと同様に、Windowsベースのイメージでも、ユーザーが追加パラメーターに対する回答として入力した値を抽出することは可能です。これらのパラメーター値は、新規インスタンスの parameters.xml ファイルに保管されます。Windows イメージの場合、このファイルは c:/cloud ディレクトリーの下に置かれます。値を素早く抽出するために、parameters.xml の構造とマークアップを認識する Perl スクリプトが用意されていますが、Windowsベースのイメージには Perl がプリインストールされていません。そのため、この Perl スクリプトを使用するには、まず所定のバージョンの Perl をインスタンスにダウンロードしてインストールした後、そのインスタンスをイメージとして保存する必要があります。Perl のダウンロード Web サイトへのリンクについては、「参考文献」セクションを参照してください。extracted-parameters-new.pl スクリプト・ファイルは、「ダウンロード」セクションからダウンロードすることができます。

ほとんどの場合、parameters.xml から値を抽出しなければならないのは 1 回だけです。カスタマイズしたイメージにもこれが当てはまる場合には、値を抽出するためのコマンドを、1 回だけ実行されるアクティベーション・スクリプトに含めてください。リスト 1 に、param1param2 という 2 つのパラメーターのそれぞれを、extracted.txt という名前のテキスト・ファイルに抽出する例を記載します。

リスト 1. parameters.xml から値を抽出するためのコマンド
@echo off
CD C:/dir/where/perl/script/is/stored
perl extract-parameters-new.pl -v param1 parameters.xml > extracted.txt
echo. >> extracted.txt
perl extract-parameters-new.pl -v param2 parameters.xml >> extracted.txt
start extracted.txt

上記には、Windows バッチ・ファイルに関するヒントがいくつか示されています。その 1 つは、二重の >> を使用していることです。こうすることによって、スクリプトはファイルの既存の内容を書き換えるのではなく、値をファイルの終わりに配置することになります。

第 2 のヒントは、ファイルに改行を追加する echo. >> extracted.txt です。これにより、テキスト・ファイルが読みやすくなります。新しく作成されたファイルを開くには、start extracted.txt を実行します。ファイルを開くかどうかは、オプションです。セキュリティー上の理由から、構成およびインストールのステップが完了したら、抽出した値を格納するファイルと parameters.xml ファイルを削除することをお勧めします。これらのファイルには、ユーザー資格情報とパスワード情報が含まれていることもあるためです。


アクティベーション・スクリプト

Linux ベースのイメージと同様に、Windows ベースのイメージでも、イメージ作成者がインスタンスの作成時とインスタンスが起動されるたびに実行される一連のアクティベーション・スクリプトを定義することができます。Windows ベースのイメージの場合、これらのスクリプトは c:/cloud ディレクトリーに保存されます。

  • FirstProvisionStartup.bat: このスクリプトは 1 回だけ実行されます。したがって、parameters.xml から値を抽出するためのコマンドを格納するには最適な場所です。
  • VMInstanceStartup.bat: インスタンスが起動されるたびに実行されるスクリプトです。

これらのスクリプトを作成するためのテキスト・ファイルには、ファイルが scripts.txt マッピング定義ファイルで正しくマッピングされる限り、任意の名前を付けることができます。ただし、スクリプト・ファイルの名前 (FirstProvisionStartup.bat および VMInstanceStartup.bat) は決まっており、変更することはできません。この方法の場合、スクリプト・ファイルとそのスクリプト・ファイルを作成するテキスト・ファイルとのマッピングを記述するテキスト・ファイルが必要です。そのファイルには、必ず scripts.txt という名前を付けてください。Linux イメージの場合と同じく、Windows イメージでも、これらのスクリプト・ファイルは IBM Rational Asset Manager の中で、そのイメージ用の activation_scripts ディレクトリーに保存されている必要があります。リスト 2 に、scripts.txt に含まれるマッピングの一例を記載します。

リスト 2. scripts.txt でのコマンドのマッピング
Run_always_on_VMreboot.txt=C:\cloud\VMInstanceStartup.bat
Run_only_once_on_VMreboot.txt=C:\cloud\FirstProvisionStartup.bat

リスト 2 の場合、activation_scripts ディレクトリーには Run_always_on_VMreboot.txt、Run_only_once_on_VMreboot.txt、scripts.txt の 3 つのファイルがあります。

Rational Asset Manager に関するヒント

IBM Rational Asset Manager を使用するメリットは、activation_scripts フォルダーを ZIP 圧縮して、その ZIP ファイルをアップロードできることです。ZIP ファイルの中身は、Rational Asset Manager が自動的に抽出してくれます。したがって、この方法を使えば、複数のファイルの変更を素早くアップロードできるというわけです。

一連の構成ステップを自動化する exe やマクロ・スクリプトなど、特定の Windows サービスが実行されることを確実にするために、ユーザーがログインすることを要件とする構成ステップが必要な場合、VMInstanceStartup.bat や FirstProvisionStartup.bat などのスクリプトを使用しても、それは探し求めているソリューションにはならないはずです。これらのスクリプトのいずれかに待機しなければならない呼び出しが含まれていると、インスタンスのプロビジョニング・ステップはおそらく失敗します。インスタンスのプロビジョニングの失敗という問題がアクティベーション・スクリプトに関連していることを検証するには、以下のいずれかの方法を試してください。その上で、インスタンスを作成し直します。

  • IBM Rational Asset Manager の中で、イメージ・アセット・カタログからアクティベーション・スクリプト・ディレクトリーを削除します。
  • Rational Asset Manager の中で、スクリプト内のコマンドをコメントアウトして更新します。
  • Rational Asset Manager の中で、ファイルの内容を消去して更新します。

既存のイメージのアクティベーション・スクリプトまたはその他のすべての側面を編集するには、以下の手順に従います。

  1. IBM SmarterCloud Enterprise ポータルで「Control Panel (コントロール・パネル)」タブに進みます。
  2. 「Control Panel (コントロール・パネル)」の一番上にある「View asset catalog (アセット・カタログの表示)」をクリックします。すると Rational Asset Manager が開きます。
  3. Rational Asset Manager で開くランディング・ページは、通常は「Assets (アセット)」タブです。ここには、IBM SmarterCloud Enterprise で使用可能なすべてのアセットが表示されます。ここで、イメージを検索することができます。
  4. イメージがプライベート・イメージであるか、自分のアカウントで作成したイメージである場合は、「My Dashboard (マイ・ダッシュボード)」タブをクリックします。より管理しやすいビューに、ユーザーに変更が許可されているイメージが表示されます。
  5. カスタマイズするイメージを見つけて、そのイメージの行に表示されている鉛筆の形のアイコンをクリックします。
    図 1. Rational Asset Manager の「My Dashboard (マイ・ダッシュボード)」ビュー
    Rational Asset Manager の「My Dashboard (マイ・ダッシュボード)」ビュー
  6. ページの一番下に、イメージと関連付けられたすべてのファイルが記載されるエリアがあります。前に説明したように、アクティベーション・スクリプトを更新するのに最も効率的な方法は、コンテンツを ZIP 圧縮して、その ZIP ファイルをアップロードすることです。それには、「Browse (参照)」をクリックして、ローカル・マシン上にある ZIP ファイルを見つけて選択します。あるいは、「More options (その他のオプション)」リンクをクリックするという方法もあります。この場合、最新の表示に更新されたページで、「activation_scripts」ディレクトリーをクリックすることができます。これで、ファイルを個別に削除したり、置換したりすることができるようになります。
  7. 変更内容に満足できたら、「Update (更新)」をクリックします。
  8. オプションで変更に関するコメントを入力して、「Update (更新)」をクリックします。

Windows レジストリのエントリ

前述のとおり、カスタム・イメージのインスタンスが正常にプロビジョニングされた後に exe または一連のマクロを実行しなければならない場合には、必ずしも FirstProvisionStartup.bat ファイルにコマンドを配置するのが最善とは限りません。このファイルにコマンドを配置すると、インスタンスのプロビジョニング・ステップが失敗する可能性があります。そこで代わりの手段となるのが、Windows レジストリのエントリです。

Windows に、ユーザーがログインした後にコマンド、またはコマンド一式を実行するように通知するためには、以下の 4 つの Windows レジストリのキーを使用することができます。

  • HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce

キーの種類には、Run と RunOnce の 2 つがあることに注目してください。RunOnce は、その名前が示唆するように、1 回だけ実行する必要があるコマンドに使用します。デフォルトでは、コマンドが実行される前にエントリが削除されます。コマンドの実行後にコマンドを削除するには、キー名の前に感嘆符を追加します。例えば、「!KeyName」のようにします。

この記事の焦点は、Windows イメージを作成することなので、CURRENT_USER エントリではなく、LOCAL_MACHINE エントリを使用します。LOCAL_MACHINE エントリを使用すると、あらゆるユーザー・ログインによってコマンドが実行されることになります。このエントリは特定のユーザーに直接結び付けられないため、どのユーザーがインスタンスにログインしても、コマンドが実行されます。CURRENT_USER エントリを使用するには、そのエントリを作成したユーザーに特別な許可が必要です。新しいインスタンスが作成されると Windows 管理アカウントが変更される場合があるため、不明なユーザーのそれぞれに、コマンドを実行する権限があることを確認しなければなりません。したがって、LOCAL_MACHINE エントリを使用するというわけです。

この記事を Windows のスクリプト作成や Windows レジストリのエントリの操作のための完全なガイドにするつもりはありません。このセクションを設けたのは、IBM SmarterCloud Enterprise アクティベーション・スクリプトの代わりに使用できる方法を提案するためです。Windows レジストリのキーおよびバッチ・ファイルの作成方法についての詳細は、「参考文献」セクションを参照してください。

図 2 に Windows レジストリを操作するためのウィンドウを示します。

図 2. Windows レジストリを操作するためのウィンドウ
Windows レジストリを操作するためのウィンドウのスクリーンショット

Windows レジストリを操作するためのウィンドウにアクセスするには、「Start (スタート)」をクリックし、ファイル名を指定して実行するためのボックスを表示させ、「regedit」と入力します。Windows レジストリを操作するためのウィンドウが開いた後は、適切な Run または RunOnce キーにナビゲートして、新規キー値を追加することができます。

Windows レジストリに新規キー値を追加するには、キー・エリアの空白スペースを右クリックして、表示されるメニューから「New (新規)」 > 「String value (文字列値)」の順に選択します。新規キー値に名前を付けます。前に説明したように、コマンドの実行後にコマンドを削除する場合は、感嘆符を使用することを忘れないでください。これで、新しいキーが作成されます。

キー値を変更するには、該当するキーを右クリックして、「Modify (修正)」を選択します。新しいウィンドウが開くので、そこにコマンド、場所、または実行するプログラムあるいはバッチ・ファイルを入力します。図 2 には、バッチ・ファイルを指す新しいキーの例が示されています。このバッチ・ファイルは、インスタンスに新しいユーザーがログインしたときに、カスタム・イメージの自動化および構成ステップを完了するためのファイルです。

Run コマンドを 1 回だけ実行するには、他のコマンドが完了した後に実行する DELETE コマンドのエントリを含めるという方法もあります。リスト 3 に、レジストリのエントリを削除するための Windows バッチ・コマンドを作成する例を記載します。

リスト 3. Windows レジストリのエントリを削除するバッチ・ファイル・コマンド
REG DELETE HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run 
	 /v REGKEYNAME /f

リスト 4 に、Windows レジストリに対して問い合わせを行い、レジストリのキーの有無を確認する Windows バッチ・ファイル・コマンドを記載します。

リスト 4. Windows レジストリのエントリに対して問い合わせを行うバッチ・ファイル・コマンド
REG QUERY HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run 
	 /v REGKEYNAME || start SOMECOFIGEXE.exe

キーが存在する場合は何も実行されませんが、存在しない場合には、二重パイプの後に続くコマンドが実行されます。キーは、セマフォーとして使用されます。これは、FirstProvisionStartup.bat ファイルを使用せずに、カスタム・マクロまたは実行可能ファイルを 1 回だけ実行する 1 つの方法です。

実行可能ファイルが実行された後は、コマンドを実行してレジストリのエントリを追加することができます。すると、次にインスタンスが起動されるときには QUERY コマンドがレジストリのエントリを検出するため、.exe ファイルは実行されません。レジストリのエントリを追加するには、リスト 5 に記載する REG ADD コマンドを使用します。

リスト 5. Windows レジストリのエントリを追加するバッチ・ファイル・コマンド
REG ADD HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run 
	 /v REGKEYNAME /f

以上のバッチ・コマンドの例では、いずれもレジストリのエントリ・キーの場所 (例えば、LOCAL_MACHINE と CURRENT_USER) を、実際にレジストリのエントリが保存されている場所と一致するように更新する必要があります。


Windows サービス

Windows ベースのイメージにソフトウェアをインストールすると、そのソフトウェアに Windows サービスが関連付けられます。これらのサービスに関連付けられたユーザーが、Windows ベースのインスタンスを作成するために使用された特定のユーザーではなく、一般ユーザーであることを必ず確認してください。そうでないと、Windows アカウントが同じでない限り、インスタンスがイメージとして保存されて新しいインスタンスが作成されたときに、ユーザーはインストール済みのソフトウェアから奇妙な動作が引き継がれていることに気付くことになります。それは、新しい Windows ユーザー・アカウントには、ソフトウェアを起動および停止するのに適正な権限がないためです。

図 3. Windows サービス
Windows サービスのスクリーンショット

任意のユーザーが Windows サービスを起動および停止できるように Windows サービスを変更するには、以下の手順に従います。

  1. Start (スタート)」 > 「Control Panel (コントロール パネル)」の順にクリックします。
  2. Administrative Tools (管理ツール)」をクリックします。
  3. Services (サービス)」を選択します。すると、Windows サービスのウィンドウが開きます (図 3 を参照)。
  4. 特定の Windows ユーザー・アカウントに不適切に関連付けられているサービスを見つけます。サービスの名前がわからない場合は、「Log On As (ログオン)」列に注意しながらリストをスクロールしてください。値が「Local System」または「Network Service」以外になっている場合、そのサービスは特定のユーザー・アカウントに関連付けられている可能性があります。
  5. サービスの名前をダブルクリックします。
  6. 新しいウィンドウが開いたら、「Log On (ログオン)」タブをクリックします (図 4 を参照)。
    図 4. Windows サービスの「Log On (ログオン)」ウィンドウ
    Windows サービスの「Log On (ログオン)」ウィンドウのスクリーンショット
  7. This account (アカウント)」のラジオ・ボタンが選択された状態になっているので、「Local System account (ローカル システム アカウント)」のボタンをクリックします。
  8. OK」をクリックします。

以上の変更によって、イメージとして保存されたインスタンスが、1 つ以上の新しいインスタンスとしてプロビジョニングされてからも、Windows サービスは特定の Windows ユーザー・アカウントに依存することがなくなります。


プライベート Windows イメージの作成

イメージの取り込みに関して言うと、Windows イメージを取り込むのは Linux ベースのイメージの場合よりも少し複雑です。IBM SmarterCloud Enterprise ポータルでインスタンスを選択し、「Create private image (プライベート・イメージの作成)」ボタンをクリックするという最後のステップは同じですが、このステップの前に一連の追加ステップを行っておかなければ、取り込みは失敗します。このセクションでは、必要となる構成手順の基本的な概要と各ステップを説明します。これらのステップを詳細に説明している資料へのリンクは、「参考文献」セクションに記載されています。

注: ここで説明する追加ステップは、Windows ベースのイメージを取り込む前に実行する必要があります。これらのステップに正しく従わなければ、Windows イメージの作成は失敗する可能性があります。最新のステップについては、ユーザーズ・ガイドを調べてください。

以下の手順 (Windows Vista の場合) に従って、Windows を構成します。

  1. リモート・デスクトップ・プロトコルを使用してインスタンスにログインします。
  2. インスタンスをリブートする操作を行います。
  3. もう一度ログインします。Windows が円滑に起動されるように、必ずポップアップ・ウィンドウは無効にしてください。ポップアップ・ウィンドウの例としては、ファイアウォールに関する警告、Windows Update などがあります。すべてのポップアップ・ウィンドウが無効にされたことを確認するために、インスタンスを再起動します。
  4. システム時刻を同期させます。
    1. Windows タスク バーを右クリックします。
    2. Properties (プロパティ)」を選択します。
    3. Notification Area (通知領域)」タブを選択します。
    4. Clock (時刻)」をクリックします。
    5. OK」をクリックします。
    6. Windows タスク バーに表示された時刻を右クリックします。
    7. Adjust Date/Time (日付と時刻の調整)」をクリックします。
    8. Internet Time (インターネット時刻)」タブを選択します。
    9. Change Settings (設定の変更)」をクリックします。
    10. Update now (今すぐ更新)」をクリックします。これにより、時刻が同期されます。1 回目で同期されない場合は、もう一度試してください。

    以上のステップが Windows ベースのイメージで上手く行かない場合は、日付と時刻を同期させる正しいステップをオンランで調べてください。

  5. Windows を起動します。
    1. Start (スタート)」をクリックします。
    2. 「Command Prompt (コマンド プロンプト)」アイコンを右クリックします。
    3. Run as administrator (管理者として実行)」をクリックします。
    4. slmgr -ato」と入力して、Enter キーを押します。
    5. メッセージ・ウィンドウで「OK」をクリックします。
  6. デスクトップ・アイコンをダブルクリックして AUTOLOG.bat を実行します。
  7. インスタンスをシャットダウンする操作を行います。「Start (スタート)」 > 「Log Off (ログオフ)」 > 「Shut down (シャットダウン)」の順に選択します。
  8. インスタンスがシャットダウンされます。これで、IBM SmarterCloud Enterprise ポータルを使用して、プライベート・イメージを作成することができます。

Windows イメージの取り込みに関する資料へのリンクについては、「参考文献」を参照してください。


まとめ

この記事では、IBM SmarterCloud Enterprise 環境での Linux ベースのイメージと Windows ベースのイメージとのさまざまな違いを説明しました。さらに、IBM SmarterCloud Enterprise の Windows イメージのカスタマイズおよび取り込み作業を容易にするために、Windows イメージの既知の問題に対する数々の次善策についても説明しました。


ダウンロード

内容ファイル名サイズ
Perl script to extract parameters.xml valuesextracted-parameters-new.pl3KB

参考文献

学ぶために

製品や技術を入手するために

  • parameters.xml から値を抽出する Perl スクリプトをはじめ、Perl スクリプトを Windows ベースのイメージで実行するには、Perl をダウンロードしてください。
  • IBM SmarterCloud Enterprise に用意された製品イメージを調べてください。

議論するために

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