CloudBurst および TSAM を使用してプライベート・クラウドを構築する

WebSphere CloudBurst と Tivoli Service Automation Manager を統合して異機種混合のプライベート・クラウドを構築する

プライベート・クラウド・コンピューティング環境を構築するときには、組織はさまざまな検討事項に対処する必要があります。具体的に言うと、プライベート・クラウドに対する全体的アプローチによって、サービスを作成、デプロイ、監視し、サービスの構成および提供を管理するためのすべての機能を組み込まなければなりません。これらの機能をユーザーに提供するのが、IBM TSAM (Tivoli Service Automation Manager) と IBM WebSphere CloudBurst アプライアンスです。この記事では、プライベート・クラウドを構築するために TSAM と WebSphere CloudBurst を統合する理由とその方法を説明します。

Dustin Amrhein, Technical Evangelist, IBM

Author photoDustin Amrhein は、WebSphere Application Server 開発チームのメンバーとして IBM に入社しました。この開発チームに在籍している間は、主に Web サービス・インフラストラクチャーと Web サービス・プログラミング・モデルに取り組んでいました。また、Java ランタイム用の RESTful なサービスのフレームワーク開発も行いました。現在の役割は、WebSphere Client Technical Professional です。


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        プロフェッショナル著者レベル

Marcin Malawski, Software Developer, Tivoli, IBM

Marcin は IBM Tivoli のソフトウェア開発者として、Tivoli Service Automation Manager およびその他の Tivoli ソフトウェアに取り組んでいます。



2012年 4月 26日

エンタープライズ・データ・センターのコストの上昇、複雑さの増大、そして管理にかかるオーバーヘッドの急増に対抗するために、多くの組織がプライベート・クラウド・コンピューティング環境に救いを求めるようになっています。プライベート・クラウドは、自動化、仮想化、標準化をベースに、企業が現在の環境の中で立ち向かっている非効率性の多くに対処するからです。

ツールの紹介

Tivoli Service Automation Manager [Tivoli の概要 | ソフトウェア情報] および WebSphere CloudBurst アプライアンス [WebSphere の概要 | ソフトウェア情報] は、クラウド環境を構築する際に必要な全体的アプローチを可能にする、プライベート・クラウドの管理オファリングです。

重要な点として、この 2 つは競合する製品ではなく、実際には相補的な製品です。主な違いは、それぞれの製品がどの程度特化されているかにあります。

  • WebSphere CloudBurst の主な目的は、WebSphere のワークロードに対処することです。
  • Tivoli Service Automation Manager は、広範なワークロードに対する標準的な管理機能を提供します。

WebSphere CloudBurst と Tivoli Service Automation Manager のどちらが、目的とするクラウドのニーズを満たすのに適しているかを決める際には、プライベート・クラウド環境に何が必要なのかを検討する必要があります。いずれか一方に決める必要はありません。実際、Tivoli Service Automation Manager と WebSphere CloudBurst の統合ソリューションが功を奏する使用シナリオはあります。

[TSAM に関する囲み記事 | CloudBurst に関する囲み記事]

けれども、プライベート・クラウドに移行するだけで問題が片付くわけではありません。満足のいく投資収益率を達成し、単純にコストを他に振り替えただけの結果にならないようにするためには、それぞれのクラウドに応じた適切な管理コンポーネントを選択することが不可欠です。効果的にクラウド管理コンポーネントを組み合わせることによって、クラウドで提供可能なサービスを作成、デプロイ、監視、および管理するための全体的なアプローチが実現します。クラウド環境で懸案事項となるサービスの作成、デプロイ、監視、管理の 1 つひとつに対応しないソリューションでは、クラウドの要件を満たすには不十分です。そのようなソリューションはその場しのぎの対処法という結果にしかならず、現在エンタープライズ環境の多くに見られる内在的な複雑さを軽減することにはなりません。

この記事で焦点とするのは、TSAM (Tivoli Service Automation Manager) と WebSphere CloudBurst の 2 つを使用してプライベート・クラウドを管理する、統合アプローチです。記事では、この統合アーキテクチャーの概要を簡単に紹介し、このような統合アプローチにふさわしい使用シナリオを説明します。その後、統合をセットアップして利用する方法を手順に沿って説明します。

プライベート・クラウド・コンピューティング環境を構築しようとしている管理者および計画者にとって、Tivoli Service Automation Manager と WebSphere CloudBurst には以下の明らかなメリットがあります。

  • Tivoli Service Automation Manager は、ユーザーがクラウド環境で高度な標準化および自動化を促進するためのツールを提供し、多岐にわたるワークロードを迅速にプロビジョニングできるようにします。さらに、Tivoli Service Automation Manager は統合された管理および監視用プラットフォームとなるため、プライベート・クラウドの運用コストが削減されます。
  • WebSphere CloudBurst を使用することによって、ユーザーはプライベート・クラウド内にカスタマイズしたWebSphereベースのアプリケーション環境を作成し、デプロイ、管理することができます。WebSphere CloudBurst アプライアンスで採用しているパターン・ベースの手法は、ミドルウェア・アプリケーション環境のプロビジョニングを迅速化するとともに、一貫性を持たせます。
  • この 2 つの製品を統合すると、ユーザーが Tivoli Service Automation Manager に備わった広範なサービス提供機能と管理機能を手に入れられると同時に、WebSphere CloudBurst の WebSphere ならではの機能を利用できるようになります。しかも、この統合ソリューションでは、クラウド・ベースの環境をデプロイし、管理するための統一された手段として Tivoli Service Automation Manager を使用することができます。

それでは早速、統合の概要から説明します。

統合の概要

WebSphere CloudBurst は、パターンをサービス・オファリングとして Tivoli Service Automation Manager コンソールに公開することによって、Tivoli Service Automation Manager のユーザーに付加価値を提供します。このようにすることで、ユーザーは Tivoli Service Automation Manager の Web インターフェースから WebSphere CloudBurst のパターンを直接デプロイすることができます。

これは、ユーザーが WebSphere CloudBurst とそのパターンが提供する価値からメリットを得られるということでもあります。そのメリットとは、複数のサービス管理ポータルを切り替えることなく、迅速なプロビジョニングと一貫性のある構成を行えること、そして WebSphere CloudBurst に備わったWebSphere ワークロードに関する製品知識を利用できることです。

図 1 に、この 2 つのオファリングを統合する様子を示します。

図 1. Tivoli Service Automation Manger と WebSphere CloudBurst の統合
Tivoli Service Automation Manger と WebSphere CloudBurst の統合

図 1 に示されているように、この 2 つの製品を組み合わせる場合、Tivoli Service Automation Manager がプライベート・クラウドの最上位レベルの管理デバイスとなります。最上位レベルの管理デバイスとしての Tivoli Service Automation Manager は、指定された WebSphere CloudBurst デバイスのパターンと、単一の管理ポータル内にある固有のカタログに定義されたサービス・オファリングの両方を公開します。したがって、単一の Web インターフェースから、WebSphere CloudBurst のパターンやその他のサービス・オファリングを任意に選択し、構成を行い、デプロイメントを要求することができます。

Tivoli Service Automation Manager ポータルを使用して WebSphere CloudBurst のパターンのデプロイメントを要求すると、Tivoli Service Automation Manager は WebSphere CloudBurst アプライアンスのリポジトリーから要求されたパターンをプライベート・クラウドにデプロイするためにアプライアンスと通信します。

統合の技術的側面については、サンプル・シナリオで手順を追いながら詳しく説明することとして、その前に、この統合ソリューションについて念頭に置いておくべき点がいくつかあります。

  • Tivoli Service Automation Manager は、明確に定義されたインターフェースを介して WebSphere CloudBurst を操作します。Tivoli Service Automation Manager が公開する WebSphere CloudBurst の機能はすべて、このアプライアンスの REST API を使用することによって提供されます。したがって、2 つの製品の結合は緩く、製品間の依存関係は、公式に文書化されてサポートされているインターフェースに限られます。これはさらに、WebSphere CloudBurst はユーザーが直接使用しているかのように振る舞うということを意味します。つまり、何よりもまず、仮想システムに対しても、このアプライアンスのインテリジェントな配置アルゴリズムを利用できるというメリットを引き続き得ることができます。
  • Tivoli Service Automation Manager は、他のソリューションの統合も可能にします。Tivoli Service Automation Manager は、IBM CloudBurst や IBM Service Delivery Managerといった IBM クラウド・オファリングの重要な部分となっています。このことから、WebSphere CloudBurst と Tivoli Service Automation Manager を統合するのと同じ方法で、WebSphere CloudBurst と IBM CloudBurst を統合したり、WebSphere CloudBurst と IBM Service Delivery Manager を統合したりすることができます。
  • Tivoli Service Automation Manager の管理ポータルに公開されるのは、WebSphere CloudBurst 機能のサブセットです。Tivoli Service Automation Manager インターフェースから WebSphere CloudBurst のパターンのデプロイメントを要求したり、必要に応じて仮想システムを削除したりすることができますが、プライベート・クラウドの定義、カスタム・イメージおよびパターンの作成、リソース・アクセスの管理などの作業を行う際には、WebSphere CloudBurst を直接操作することに変わりありません。
  • Tivoli Service Automation Manager および WebSphere CloudBurst のすべての機能は統合しても同じままです。Tivoli Service Automation Manager と WebSphere CloudBurst の統合によって、いずれかの製品の機能が制限されることは一切ありません。むしろこの統合は、異機種のサービスからなるクラウドを統一した方法で管理するための土台となります。

前述のとおり、2 つのソリューションを統合する手順を詳しく説明しますが、その手順に取り掛かる前に、Tivoli Service Automation Manager と WebSphere CloudBurst が皆さんの作業に対して何らかの価値を提供するシナリオについて説明します。


統合に適したシナリオ

Tivoli Service Automation Manager とは何か?

Tivoli Service Automation Manager によって、単一の管理インターフェースからクラウド・サービスを要求、デプロイ、管理、監視することが可能になります。クラウド・サービスのタイプや、そのサービスを構成するソフトウェア・コンポーネントとは関係なく、Tivoli Service Automation Manager を使用することで、クラウドにアプリケーション環境を提供するプロセスを標準化し、自動化することができます。アプリケーション環境が提供された後は、Tivoli Service Automation Manager が既存の IT インフラストラクチャーをベースに、クラウド・サービスの全ライフサイクルでの情報を提供します。

一般に、どのようなときに Tivoli Service Automation Manager と WebSphere CloudBurst を統合するとよいかを知るということは、あるオファリングが別のオファリングに付加価値を提供できる場合を明らかにするということです。考えられるあらゆるシナリオを列挙することはできませんが、ユーザーのニーズに基づき、以下の共通の統合シナリオを明らかにすることができます。

  • WebSphere が組み込まれたプライベート・クラウドを統一した方法で管理する必要がある場合。
  • WebSphere CloudBurst に要求ワークフローの機能を追加する必要がある場合。

WebSphere 指向のプライベート・クラウドの管理を統一する場合

クラウド・コンピューティングの構成計画を立てる際のステップの 1 つは、クラウドを介して提供する必要があるサービスを識別することです。これは、プライベート・クラウドでのアプリケーション環境の提供というコンテキストで検討しなければなりません。

エンド・ユーザーの要件を取りまとめるなかで、すべての要件を満たすためには多様な環境を提供しなければならないことに気付くことはよくあります。一部のユーザーには WebSphere などの IBM ソフトウェアをベースとしたアプリケーション・プラットフォームが必要な一方、別のユーザーのアプリケーションには IBM 以外によって提供されるソフトウェアが必要になるといった場合です。

WebSphere CloudBurst とは何か?

WebSphere CloudBurst アプライアンスは、WebSphere アプリケーション環境専用のクラウド管理デバイスです。WebSphere CloudBurst アプライアンスは、特殊な仮想イメージ (WebSphere Application Sever Hypervisor Edition など) をベースにしており、ユーザーがターゲットとするアプリケーション環境を表すパターンを作成できるようになっています。パターンには、特定の環境に必要なアプリケーション・インフラストラクチャー・ノードと構成がカプセル化されます。WebSphere CloudBurst を使用して、これらのパターンをプライベート・クラウドにデプロイすることができます。パターンがデプロイされた後は、WebSphere CloudBurst が提供する管理機能およびモニター機能を使って、実行中のアプリケーション環境に対して必要な制御を行うことができます。

このシナリオでは、WebSphere CloudBurst と Tivoli Service Automation Manager を組み合わせることで、多様な要件に対処することができます。Tivoli Service Automation Manager は、IBM 以外の製品を含め、あらゆる種類のソフトウェアをベースとしたアプリケーションを作成し、デプロイするために必要な柔軟性をもたらします。一方、WebSphere CloudBurst は、IBM ソフトウェアをベースとしたアプリケーション環境専用の機能を提供することによって、ワークロードのインストール、構成、統合、およびオーケストレーションのスクリプトを作成する負担を大幅に削減します。

当然のことながら、異機種混合のプライベート・クラウドを作成するために 2 つの製品を統合することによって可能になるのは、クラウド内に複数タイプのアプリケーション・プラットフォームを提供することだけに限られません。Tivoli Service Automation Manager は、オペレーティング・システム、アプリケーション・プラットフォーム、エンド・ユーザー・アプリケーションをはじめ、幅広いクラウド・サービスのプロビジョニングと管理を可能にします。そこに WebSphere CloudBurst を統合すれば、Tivoli Service Automation Manager を介して提供する他のサービスとは関係なく、WebSphere 環境の提供からもたらされる価値を実現するまでの時間を短縮することができます。さらに、この 2 つのオファリングの統合によって、クラウド・サービスを管理する手段を Tivoli Service Automation Manager の Web インターフェースに統一することもできます。

WebSphere CloudBurst に要求ワークフロー機能を追加する場合

WebSphere CloudBurst は権限制御と詳細なアクセス制御の両方によって、どのユーザーがどのアクションをどのリソースで実行できるかを制御します。ユーザーが WebSphere CloudBurst のパターンにアクセスし、そのパターンをクラウドにデプロイする場合、管理者はそのユーザーに対する定義を行うために権限制御を使用します。さらに管理者は、ユーザーがアクセスしてデプロイ可能なパターンに関して、正確な定義をするために詳細なアクセス制御を使用します。多くの場合、この 2 つのレベルの制御によって、パターンのデプロイメントに対する効率的なリソース管理が可能になります。

ただし、この手法では必要なデプロイメント管理が提供されないシナリオもあります。そのような場合、組織は、パターンのデプロイメント要求を承認するために必要な管理レベルの制御をさらに強化しなければなりません。

別の言葉に置き換えると、この場合、組織に必要となるのは、WebSphere CloudBurst のパターン・デプロイメントに要求ワークフロー機能を追加することです。WebSphere CloudBurst と Tivoli Service Automation Manager を統合すると、WebSphere CloudBurst のパターンは基本的に Tivoli Service Automation Manager カタログのサービス・オファリングとなります。つまり、ユーザーがパターンを選択してデプロイメントを要求すると、その要求には、他のすべての Tivoli Service Automation Manager サービス要求と同じ要求承認ワークフローが適用されることになります。したがって、権限制御と詳細なアクセス制御をさらに拡張した組織的な管理を WebSphere CloudBurst のパターン・デプロイメント・プロセスに追加できるというわけです。

以上は、WebSphere CloudBurst と Tivoli Service Automation Manager の統合ソリューションを利用することを検討すべき共通シナリオのうちの 2 つに過ぎません。共通の使用シナリオの話題はここまでとして、ここからは一例として、統合を行って利用するための手順をステップ・バイ・ステップで見ていきましょう。


統合およびデプロイメントの詳細

それでは、Tivoli Service Automation Manager と WebSphere CloudBurst の統合を行う方法を手順に沿って詳しく説明します。このセクションでは、統合を行う一例として、以下の 4 つの作業について見ていきます。

  1. WebSphere CloudBurst をプロビジョニング・コンピューターとして定義する。
  2. Tivoli Provisioning Manager で、WebSphere CloudBurst アプライアンスのディスカバリー・プロセスを実行する。
  3. 仮想サーバー・テンプレートをソフトウェア・テンプレートに接続する。
  4. Tivoli Service Automation Manager から WebSphere CloudBurst のパターンをデプロイする。

WebSphere CloudBurst をプロビジョニング・コンピューターとして定義する

Tivoli Service Automation Manager と WebSphere CloudBurst を統合する際の最初のステップは、WebSphere CloudBurst アプライアンスをプロビジョニング・コンピューターとして定義することです。そのためには、Web ブラウザーで http://<ホスト名>/maximo という URL を開き、Maximo ユーザー・インターフェースにナビゲートします。ユーザー・インターフェースが表示されたら、以下のステップに従って、WebSphere CloudBurst アプライアンスをプロビジョニング・コンピューターとして定義してください。

  1. 「Go To (移動)」 > 「IT Infrastructure (IT インフラストラクチャー)」 > 「Provisioning Inventory (プロビジョニング・インベントリー)」 > 「Provisioning Computers (プロビジョニング・コンピューター)」の順に選択します。
  2. Add Computer (コンピューターの追加)」をクリックします。
  3. WebSphere CloudBurst アプライアンスのホスト名 (例えば、wcahostname.ibm.com) を設定して、「Save (保存)」をクリックします。
図 2. プロビジョニング・コンピューターを定義する
プロビジョニング・コンピューターを定義する

WebSphere CloudBurst アプライアンスを定義した後は、Tivoli Service Automation Manager とアプライアンスの間に通信チャネルを確立するために、デバイスのネットワーク・インターフェースを構成する必要があります。それにはプロビジョニング・コンピューターのページから、以下のステップを実行します。

  1. Hardware (ハードウェア)」タブに進みます。
  2. New NIC Resource (新規 NIC リソース)」タブを開きます。
  3. Network Interface (ネットワーク・インターフェース)」タブに進みます。
  4. New Network Interface (新規ネットワーク・インターフェース)」をクリックします。
  5. ネットワーク・インターフェース名 (例えば、「WCA Network Interface」) を設定します。
  6. このインターフェースの IP アドレスを WebSphere CloudBurst アプライアンスの IP アドレスに設定します。
  7. Management (管理)」チェック・ボックスを選択して「Save (保存)」をクリックします。
図 3. WebSphere CloudBurst のネットワーク・インターフェースを定義する
WebSphere CloudBurst のネットワーク・インターフェースを定義する

通信を確立するために最後に必要な作業は、Tivoli Service Automation Manager が WebSphere CloudBurst アプライアンスとの通信を認証するために使用できる資格情報を定義することです。以下のステップに従って、必要な資格情報を指定します。

  1. Credentials (資格情報)」タブをクリックします。
  2. Add Credentials (資格情報の追加)」をクリックします。
  3. New Service Access Point (新規サービス・アクセス・ポイント)」を選択します。
  4. サービス・アクセス・ポイントの名前を「WCA HTTPS」に設定します。
  5. Protocol Type (プロトコル・タイプ)」リストを開き、「Network protocol IP (ネットワーク・プロトコル IP)」を選択します。
  6. Application Protocol (アプリケーション・プロトコル)」を開き、「HTTP Secure Access (HTTP セキュア・アクセス)」を選択します。
  7. ポート番号を設定します (デフォルト・ポートは 443 です)。
  8. New Password Credential (新規パスワード資格情報)」をクリックします。
  9. Search Key (検索キー)」を「master」に設定します。
  10. User Name (ユーザー名)」を WebSphere CloudBurst アプライアンスの管理ユーザーの名前にします。
  11. 適切なパスワードを設定し、「Save (保存)」をクリックして確定します。
  12. Default Credential (デフォルト資格情報)」チェック・ボックスを選択して「Save (保存)」をクリックします。
図 4. TSAM に WebSphere CloudBurst 資格情報を定義する
TSAM に WebSphere CloudBurst 資格情報を定義する

WebSphere CloudBurst アプライアンスをプロビジョニング・コンピューターとして定義し、Tivoli Service Automation Manager がアプライアンスとセキュアに通信できるようにするための作業は、これですべてです。次は、Tivoli Provisioning Manager でアプライアンスのディスカバリー・プロセスを実行します。

Tivoli Provisioning Manager で WebSphere CloudBurst アプライアンスのディスカバリー・プロセスを実行する

Tivoli Provisioning Manager が WebSphere CloudBurst のハードウェア構成およびデプロイ可能なパターンのリポジトリーに関する必要な情報を取得するためには、Tivoli Provisioning Manager で WebSphere CloudBurst アプライアンスのディスカバリー・プロセスを実行する必要があります。Tivoli Provisioning Manager 製品には、このディスカバリー・プロセスが組み込まれています。以下のステップに従って、ディスカバリー・プロセスを呼び出してください。

  1. 「Go To (移動)」 > 「Discovery (ディスカバリー)」 > 「Provisioning Discovery (プロビジョニング・ディスカバリー)」 > 「Discovery Configurations (ディスカバリー構成)」の順に選択します。
  2. WebSphere CloudBurst Appliance Discovery (WebSphere CloudBurst アプライアンス・ディスカバリー)」を見つけて (検索フィールドを使用)、開きます。
  3. Run Discovery (ディスカバリーの実行)」をクリックします。
  4. Computers (コンピューター)」をクリックして、お使いの環境で WebSphere Cloudburst アプライアンスを表すデバイスを選択します。
  5. OK」をクリックし、「Submit (サブミット)」をクリックしてディスカバリー・プロセスを開始します。
図 5. WebSphere CloudBurst ディスカバリー・プロセスを実行する
WebSphere CloudBurst ディスカバリー・プロセスを実行する

このディスカバリー・プロセスは、完了するまで数分かかることがあります。プロセスが完了したら、最後に以下のステップに従って、Tivoli Provisioning Manager に WebSphere CloudBurst アプライアンスを新規イメージ・リポジトリーとして定義します。

  1. 「Go To (移動)」 > 「IT Infrastructure (IT インフラストラクチャー)」 > 「Image Library (イメージ・ライブラリー)」 > 「Image Repositories (イメージ・リポジトリー)」の順に選択します。
  2. wcahostname.ibm.com を選択し、リポジトリーの場所を追加して、「New Repository Location (新規リポジトリーの場所)」ボタンをクリックします。
  3. New Repository Location (新規リポジトリーの場所)」タブで、以下の属性値を設定します。
    1. Directory (ディレクトリー): WCA ディレクトリー
    2. Computer (コンピューター): wcahostname.ibm.com.
  4. OK」をクリックし、次に「Save (保存)」をクリックします。
図 6. WebSphere CloudBurst をイメージ・リポジトリーとして定義する
WebSphere CloudBurst をイメージ・リポジトリーとして定義する

以上のステップで、ディスカバリー・プロセスを完了して、WebSphere CloudBurst アプライアンスを新規イメージ・リポジトリーとして定義するところまでが終わりました。Tivoli Service Automation Manager から WebSphere CloudBurst のパターンをプロビジョニングできるようにするための最後のステップは、仮想サーバー・テンプレートを Tivoli Provisioning Manager のソフトウェア・テンプレートに接続することです。

仮想サーバー・テンプレートをソフトウェア・テンプレートに接続する

Tivoli Service Automation Manager から WebSphere CloudBurst のパターンを正常にプロビジョニングできるようにするには、以下の手順で仮想サーバー・テンプレートを Tivoli Provisioning Manager のソフトウェア・テンプレートに接続しなければなりません。

  1. 「Go To (移動)」 > 「IT Infrastructure (IT インフラストラクチャー)」 > 「Provisioning Inventory (プロビジョニング・インベントリー)」 > 「Virtual Server Template (仮想サーバー・テンプレート)」の順に選択します。
  2. 仮想サーバー・テンプレートのそれぞれをソフトウェア・テンプレートに接続するには、以下のステップを実行します。
    1. テンプレートをクリックします。
    2. Virtual Server Template (仮想サーバー・テンプレート)」で、「Software Stack (ソフトウェア・スタック)」フィールドの隣にある「Select Value (値の選択)」をクリックします。
    3. ソフトウェア・スタックを、テンプレートの名前と一致する名前に設定します。
    4. Save (保存)」をクリックして、変更内容を保存します。
図 7. 仮想サーバーとソフトウェア・テンプレートを接続する
仮想サーバーとソフトウェア・テンプレートを接続する

これで、Tivoli Service Automation Manager から WebSphere CloudBurst のパターンをプロビジョニングする準備が整いました。

TSAM から WebSphere CloudBurst のパターンをデプロイする

この時点で、以下の作業が完了しています。

  • WebSphere CloudBurst をプロビジョニング・コンピューターとして定義する。
  • Tivoli Provisioning Manager 内でディスカバリー・プロセスを実行する。
  • 仮想サーバー・テンプレートをソフトウェア・テンプレートに接続する。

Tivoli Service Automation Manager から WebSphere CloudBurst パターンを正常にデプロイできるようにするためには、以下のステップを実行します。

  1. Tivoli Service Automation Manager の Web インターフェースにログインして、「Home (ホーム)」 > 「Request a New Service (新規サービスの要求)」 > 「Virtual Server Management (仮想サーバーの管理)」の順にナビゲートします (図 8 を参照)。
    図 8. 仮想サーバーの管理ページ
    仮想サーバーの管理ページ
  2. 「Virtual Server Management (仮想サーバーの管理)」ページで、ページの右下隅にある「Create Project with a WebSphere CloudBurst Pattern (WebSphere CloudBurst のパターンを使用してプロジェクトを作成)」アイコンをクリックします。
  3. 新規プロジェクトの名前と説明を入力します。
  4. アクセス権を付与するチームを選択します。
  5. 新規プロジェクトの開始日および終了日を設定します。

    これらの日付によって、パターンをデプロイすることによって作成される WebSphere CloudBurst 仮想システムの存続期間が決まります。終了日には「Indefinite (無期限)」を選択することができます。その場合、管理者が手動で削除するまで、仮想システムが実行されることになります。図 9 に、Tivoli Service Automation Manager プロジェクトの構成パネルを示します。

    図 9. TSAM プロジェクトを構成する
    TSAM プロジェクトを構成する
  6. プロジェクトの構成パネルのリストから WebSphere CloudBurst のパターンを選択します。
  7. パターンのデプロイ先とする WebSphere CloudBurst クラウド・グループを選択します。クラウド・グループとは、ハイパーバイザー・ホストの集合のことです。これらのグループは、WebSphere CloudBurst 内で定義します。

    パターンとクラウド・グループを選択した後は、パターンに含まれるパーツをデプロイメント用に構成するだけです。必要な構成パラメーターは、選択したパターンによって異なりますが、これらのパラメーターは、WebSphere CloudBurst から直接デプロイする場合と変わりません。図 10 に一例として、パターンに含まれる WebSphere Application Server スタンドアロン・サーバー・パーツの構成を示します。

    図 10. スタンドアロン・サーバー・パーツの構成
    スタンドアロン・サーバー・パーツの構成
  8. 必要な構成パラメーターの設定が完了したら、「OK」をクリックしてサービス要求を送信します。この要求は、Tivoli Service Automation Manager に定義した通常の要求ワークフローの承認プロセスに従います。

サービス要求が必要な承認を得た後は、デプロイメント・プロセスを開始できるようになります。即時にデプロイが実行されるように指定した場合、デプロイメント・プロセスはサービス要求が承認された直後に開始されます。将来のある特定の時点でプロジェクトが開始されるように開始日を選択した場合は、デプロイメント・プロセスはその指定された時点で開始されることになります。

デプロイメントを実行するために、Tivoli Service Automation Manager は WebSphere CloudBurst と通信して、要求されたデプロイメントに関する情報を伝達します。この情報には、ターゲットとするクラウド・グループ、デプロイするパターン、デプロイメントの構成データが含まれます。

情報が伝達された時点から、WebSphere CloudBurst がデプロイメント・プロセスを引き継ぎ、そのインテリジェントな配置手法を使用して、パターンに含まれる各パーツをホストするクラウド内のマシンを決定します。要求されたパターンをホストするのに十分なクラウド・リソースがない場合には、WebSphere CloudBurst は通常のプロセスに従ってデプロイメントを拒否します。その場合、Tivoli Service Automation Manager はデプロイメント失敗に関する情報を受け取り、その情報を Web インターフェースで伝達します。

一方、パターンをサポートするのに十分なクラウド・リソースがある場合、WebSphere CloudBurst は必要な仮想マシンを作成して IP アドレスとホスト名を割り当て、仮想マシンとソフトウェア・コンポーネント (WebSphere Application Server など) を起動し、パターンに含まれているあらゆるスクリプトを実行します。デプロイメントが完了すると、Tivoli Service Automation Manager の Web インターフェースに仮想システムが正常に起動したことが示されます (図 11 を参照)

図 11. TSAM コンソールに表示された正常な仮想システム
TSAM コンソールに表示された正常な仮想システム

WebSphere CloudBurst アプライアンスにログインして「Virtual Systems (仮想システム)」ページにナビゲートすると、そこにも正常にデプロイされた仮想システムが表示されているはずです。


まとめ

おめでとうございます!これで、WebSphere CloudBurst と Tivoli Service Automation Manager は見事に統合されました。そのために行った作業を簡単にまとめると、まず始めに Tivoli Provisioning Manager で WebSphere CloudBurst をプロビジョニング・コンピューターとして定義しました。続いてディスカバリー・プロセスを実行して WebSphere CloudBurst リソースをディスカバーし、仮想サーバー・テンプレートをソフトウェア・テンプレートに接続しました。そして最後に、Tivoli Service Automation Manager の Web インターフェースから WebSphere CloudBurst のパターンをデプロイしました。

プライベート・クラウド環境の構築に取り掛かるときには、効果的かつ包括的な方法でクラウドの管理に取り組むことが不可欠です。その点で、Tivoli Service Automation Manager と WebSphere CloudBurst は両方とも並外れたクラウド管理機能を提供します。しかも、この 2 つは互いに相容れないソリューションではありません。

この記事から理解できたように、むしろこの 2 つのソリューションを統合することで、クラウド管理のすべてを網羅した手法を実現することができます。Tivoli Service Automation Manager と WebSphere CloudBurst の組み合わせは、クラウド・サービスの管理機能の多様さと奥深さという点で、比類のないクラウド管理ソリューションとなります。

参考文献

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