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ITサービスマネージメント入門: KeyとなるITプロセスの自動化

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レベル: 初級

Lori Simcox (lsimcox@us.ibm.com), Advisory Software Engineer, IBM 
Kavita Shah (kashah@us.ibm.com), Staff Software Engineer, IBM 
Tina Dunton (duntontl@us.ibm.com), Advisory Software Engineer, IBM 
David Groves (groves@us.ibm.com), Advisory Software Engineer, IBM 

2005年 3月 17日

5月16日に発表いたしました「IBM IT Service Managemet Solutionの戦略について学びましょう。企業はITサービスマネジメントを利用することによって、KeyとなるITプロセスを自動化でき、ベスト・プラクティスに基づくITサービスを提供することができます。この記事ではITサービスマネジメントを紹介し、ITプロセス・モデリングやプロセス・コレオグラフィー(Process Choreography)、サービスレベル管理などに対して、ITサービスマネジメントがもたらす利点を説明します。

はじめに

ITサービスマネジメントは、IBM®の新しい戦略であり、製品やプロセス、サービス、ワークフロー、そしてITIL(Information Technology Infrastructure Library)のようなベスト・プラクティスを組み合わせることによって、既存のITサービス管理製品を、鍵となる戦略的ソリューションへと拡張します。この、ITサービスマネジメントによってITサービスの管理プロセスをモデル化でき、オンデマンド企業のビジネス要求に的確に応えられる、より効率的で効果的なIT組織を作ることができます。例えばTivoli®システム管理ツールを使うことによって、ビジネス目標に合ったITサービスを提供するべく、プロセス・タスクを実装、自動化することができます。

2回シリーズの第1回である今回は、IBMのITサービスマネジメント戦略の概念に関する概要と、オンデマンド企業にとってITサービスマネジメントがもたらす利益に関して説明します。またプロセス・モデリングとプロセス・コレオグラフィーによって、IT組織が、ビジネスの目標に合わせてのプロセス統合を可能にします。次に、自己管理のオートノミック技術をご紹介し、それがサービスレベルの管理にまつわるタスクを単純化、自動化すること、そしてITサービスマネジメント戦略の中で果たす役割について解説します。

次回の記事では、自己管理のオートノミック技術を、他の重要なIT管理タスクにどのように応用すべきか、また企業の目標と、ITサービスマネジメントが目標とするプロセス統合とを整合させる上で、オートノミック技術が果たす役割について説明します。その中で扱うITタスクとしては、アプリケーション管理や構成、変更やリリース・サイクル、セキュリティー、ストレージ、作業負荷、ITライフサイクルなどの管理です。第2回では、Tivoliシステム管理製品群に焦点を当て、これらのソリューションに固有な、自己管理のオートノミック技術がもたらす効果を説明してます。




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今日のIT管理を視覚化する

今日の企業は、増大し続けるITプロセス管理の問題に直面しています。ITプロセス管理では、企業が目標に近づくために、効率的に、信頼性を持って、セキュアに、そして、一貫してITサービスを提供することが求められます。企業の中には非常に様々なアプリケーションが存在します。それらは、ベンダーからパッケージ製品として購入したものもあれば、社内で開発されたものもあります。個々のアプリケーションは通常、企業における特定のビジネスに対応するために設計されています。

ビジネス・ロジックやアプリケーション・データは企業全体に分散しており、様々なシステム管理ソフトウェアがあります。多くのデータが、データベースやパッケージ・アプリケーション(例えばERP(enterprise resource planning)システムなど)、あるいはバックエンド・システム(例えばIBM CICS®など)の中に存在しています。他のビジネス・ロジックは、既存のJava™アプリケーションや、J2EEアーキテクチャーでのJ2EE(Java 2 Platform, Enterprise Edition)アプリケーションの中にあります。

オープン・スタンダードやオンデマンド・コンピューティングの普及に伴って、内部Webサービスを通して、あるいは外部Webサービスを通して、ビジネス・ロジックやアプリケーション・データにアクセスできるようになりました。企業は、新しいシステム管理ツールを構築する度にすべてをやり直す代わりに、既存のソフトウェアを再利用し、Webサービスを活用して、新しいJ2EEベースのアプリケーションを開発する方法を求めています。




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ITサービスマネジメントに光を当てる

ITサービスマネジメントは、KeyとなるITプロセスを企業が自動化し、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)のようなベスト・プラクティスに基づいてITサービスを提供するための戦略です。ITILは、ITプロセスの管理方法を記述したパブリック・ドメインの情報です。(ITILについて詳しくは、参考文献を参照ください。)

ITサービスマネジメントの目標は、企業がビジネス・ポリシーに基づくITサービスの提供を開始するために必要な時間を削減することです。ITサービスマネジメントは、手動でのITプロセス管理をオートノミック管理で置き換えることによって、プロセス運用に関わる人件費を削減します。ITサービスマネジメント戦略は、プロセス・ステップ運用の中にTivoliシステム管理ツールを統合することによって、ITサービスのプロセスをモデル化し、プロセスに関わる活動を自動化します。

ITサービスマネジメントは、共通の統合手法を使うことによって、既存のシステム管理ソフトウェア・ソリューションを活用します。この手法は、企業全体に渡るITプロセス統合に応用することができます。例えば企業は、顧客からの注文に対して一定時間以内に対応できるビジネス・ポリシーを持っているかも知れません。企業はITサービスマネジメント戦略を利用することによって、顧客の注文処理や、サーバーが過負荷となった場合に取るべきアクションに関わるステップをモデル化することができます。ビジネス・ポリシーのモデル化とITプロセスのモデル化に同じソフトウェア・ツールを使うことによって、企業はITサービスの提供を統合でき、しかもその統合が、自分たちのビジネス目標によって駆動されていることに確証が持てるのです。

プロセス・ベースのビジョン

ITサービスマネジメント戦略の中心となっているのは、ITサービスのモデル化や実装、テスト、デプロイに関して、プロセス・ベースの手法をとる、という考え方です。プロセスというのは、ITサービス提供という目標を達成するための、特定の順序に沿って実行される複数の関連した活動の組み合わせです。例えばITプロセス(ネットワークをセキュアにする、など)は、1つまたはそれ以上のタスク(ユーザー・アカウントを作る、パスワードを管理する、セキュリティー脆弱性を特定する、あるいはインストール用のパッチ当てなど)から成り立っています。

ITプロセスは、Webサービスのナビゲーションからビジネス・トランザクションのサポートまで、非常に様々です。企業のITプロセスは、自動的で回復可能なものもあれば、人の介在を必要とするものもあります。ITサービスマネジメント戦略では、プロセス・モデラーがITプロセス全体を記述し、ITILで概略説明されているベスト・プラクティスと、企業のビジネス目標に従ってモデル化を行います。次に、プロセス・エンジンが、(通常はWebサービスとして)そのモデルに従ってプロセスを実行し、IT管理者に対して、手動ステップや変則ステップを処理するように通知します。こうしたモデル化と実行によって、企業全体に渡って一貫性、信頼性のある行動が保証され、ITレスポンスやサービス提供を、企業のビジネス目標と整合させることができます。

プロセス・モデラーをハイライトする

IBM WebSphere® Business Integration Modeler(以下、Modeler)を、IBM WebSphere Application Developer(以下、Application Developer)と組み合わせて使うことによって、ITプロセスのモデル化や開発が単純になります。ビジネス・アナリストはModelerによって、企業のプロセスを設計し、シミュレートし、最適化し、文書化することができます。Modelerには使いやすいGUI(graphical user interface)が含まれており、ビジネス・アナリストは、これを利用してITプロセスのモデル図を作ることができます。Modelerにはテストやシミュレーション機能もあり、これらを利用するとプロセス設計を最適化することができます。モデルには、コストやリソースのリポジトリーが含まれており、投資に対するリターンを見積もることができます。図1は、Modelerを使ってモデル化したビジネス・プロセスを示しています。


図1. Modelerを使ってモデル化したビジネス・プロセス
図1. Modelerを使ってモデル化したビジネス・プロセス

Modelerを使って作られたプロセス・モデルは次に、WebSphere MQ Workflow環境とWebSphere Business Integration Server Foundation環境の中に直接デプロイされます。またプロセス・モデルをModelerからエクスポートし、プロセスのタスクを実際に実装するWebサービスを開発するために使われるWebSphereやRational®のツールで使うことができます。Application Developerは、そうしたWebサービスのコードを実装、維持管理するためのIT部門ツールです。ModelerをApplication DeveloperやWebSphere Business Integration Server Foundationと組み合わせて使うことによって、ITプロセス開発のための包括的な環境が実現します

IBM WebSphere Business Integration Modelerについて詳しくは、参考文献を参照ください。

統合プロセスへの明るい道のり

IBM WebSphere Business Integration Server Foundation Process Choreographer(以下、プロセス・コレオグラフィー)は、あらゆる種類のITプロセスやワークフロー、システム管理ソフトウェア・ツールの間での対話動作を定義します。プロセス・コレオグラフィーによって、オープンなJ2EEアーキテクチャーが提供する他のサービスと、ITプロセス技術とを組み合わせることができます。プロセス・コレオグラフィーはビジネスの柔軟性を向上させるため、オンデマンド・サービス指向アーキテクチャーを利用した、変更に迅速に対応できるモジュラー・アプリケーションが構築できます。またプロセス・コレオグラフィーによって、WebSphere Application Serverの内部でITプロセスがサポートできるようになります。

開発者はプロセス・コレオグラフィーを利用することによって、様々なITシステム管理ソフトウェア資産の間での対話動作を、視覚的に振り付けることができます。ほとんど全てのソフトウェア資産に対して、それらを表現し、それらと対話動作するための標準的な方法を利用できるため、開発者は、より効率的に作業ができるようになります。従って、別々のインターフェースや、下位レベルのAPIに対応するために時間を浪費する必要がありません。ドラッグ・アンド・ドロップ・ツールによって、環境の中にある様々なシステム管理ツールの間で、情報シーケンスや流れを定義することができます。個々のシステム管理ツールや、あるいは大きなアプリケーション・ワークフローでさえも、他のツール開発のために再利用できる構成ブロックとなるのです。

様々なプロセスの間での対話動作を定義する典型的な例としては、次のようなものが考えられます。新しい、Webベースの注文入力アプリケーションを作るために、既存の、CRM(customer relationship management)ソリューション・パッケージからの顧客情報と、新しいビジネス・ロジックを持ったJ2EEコンポーネントを組み合わせるのです。このアプリケーションを、Webサービスとしてビジネス・パートナーに公開することによって、使い方を広げることができます。

企業で実装されるITプロセスは通常、人的リソースと、ITリソースを取り混ぜて必要とします。プロセス・エンジンは、自動プロセスを効率的に実行すること、そして例外を処理するために人を介在させることに責任を持ちます。プロセス・コレオグラフィーは、手動ステップを含めて、全ITプロセスの記述を単一プロセスとしてサポートします。プロセス・コレオグラフィーによって、企業は既存のソフトウェアを利用できる一方、新しいJ2EEベースのアプリケーション開発にWebサービスの力を利用でき、プロセスを統合することができます。

WebSphere Server Foundation Process Choreographerについて詳しくは、参考文献を参照ください。


図2.自動ステップと手動ステップの両方を含むITプロセスの例
図2.自動ステップと手動ステップの両方を含むITプロセスの例



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自己管理のオートノミック技術にスポットライトを当てる

自己管理のオートノミック技術を利用すると、ITインフラは、負荷や要求に対する変化を自動的に感知し、システムの可用性とパフォーマンスを維持するために応答することによって、予測できない変更にも適応できるようになります。自己管理のオートノミック技術は、自動的に問題を特定します。そして、問題を解決することによって、あるいはIT管理者に対して推奨アクションを提供することによって、問題に対応します。ITインフラの内部メトリックスはサービスレベルを維持するために常に監視、調整され、全体的なワークフローやパフォーマンスは連続的に調整されます。自己管理のオートノミック技術は、ウィルスやセキュリティーの脅威を検出、特定し、システムを保護することによって、システム・セキュリティーを維持する役割を果たします。ソリューションのデプロイ、中央管理、問題判別、プロビジョニングなどは、自己管理のオートノミック技術の側面として鍵となるものです。

Solution deploymentでは、ソフトウェアは前提条件をチェックしてインストールしてから、ソフトウェア自身をインストールすることができるため、システムが自分でコンフィギュレーションを行えるようになります。IBM Integrated Solutions Consoleは、単一ポータルからの異種構成アプリケーションを管理するための、ブラウザー・ベースの共通ユーザー・インターフェースを提供します。Integrated Solutions Consoleによって、システム管理者は別の新たなツールを学ぶ必要がなくなり、アプリケーションに対してポリシー・ベースの管理を行えるようになります。

問題判別の技術は、オートノミック・コンピューティングの持つ自己管理、自己修復という側面を表しています。問題の判別には、データ収集、問題の特定、原因分析、そして問題修正のための自動調整という、インテリジェントなサイクルがあります。システムは、アプリケーション・ログに含まれる情報に対して標準の共通ログ・フォーマット(あるいは、IBM Generic Log Adaptorを使った変換)を使うことによって、オートノミックになります。共通ログ・フォーマットは、システムがログ・イベントを分析し、問題があるかどうかを判定し、どのように解決すべきかを考えるためのボキャブラリーとなります。

プロビジョニング・ソフトウェアは、機能やシステムを、いつ許可、あるいは削除すべきかを予測します。システムはオートノミック・プロビジョニングを利用することによって、ネットワークに新しい機能を追加するために管理者が定義した一連のステップを、いつ行うべきか自動的に判定することができます。

オートノミックの視点から見たプロセス統合

オートノミック・システムの管理ソフトウェア・ツールが実装するコレオグラフィー・プロセスによって、企業はより効率的にオペレーションを行う事ができ、IT管理者をルーチン作業から開放します。プロセス統合ソリューションの中に自己管理のオートノミック技術を統合することによって、企業のITサービス管理ソリューションの中心に、オートノミック技術が埋め込まれます。Modelerやプロセス・コレオグラフィーを使ってオートノミック・プロセスを統合することによって、企業はより効率的にIT組織を管理できる一方、彼らのビジネス要求に応えるITサービスを、より的確に提供できます。この記事の、ここから先では、ITサービスレベル管理に対してTivoliシステム管理ツールが提供する、自己管理のオートノミック技術に関係したプロセス・オートメーションの例を挙げて行きます。




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サービスレベル管理における課題

ビジネス・マネージャーにとっては、24時間、毎日利用可能な、ミッション・クリティカルなアプリケーションを提供することが当然とされているため、彼らはIT部門が、ITサービスを提供するための特定な基準に合致することを要求します。こうした基準はSLA(Service Level Agreements)の中で定義されます。IT組織は、異なるプラットフォームで実行する何千台にも上るマシンから成る複雑な環境の中で、様々な領域のビジネスに対する複数のSLAの管理に、常時関係しています。こうした困難に対処するためには、サービスレベルの管理プロセスを用意することがソリューションとなります。

SLM(Service Level Management)は繰り返しの多いプロセスです。SLMには、ITプロセスを特定すること、ITプロセスに合致するサービスを提供すること、そのITプロセスにITサービスを適切に提供するために必要な、測定可能なパラメーターを定義すること、などが含まれます。これはつまり、適切なSLAをネゴシエーションすることやSLAを明確にすること、ITプロセスを監視すること、ビジネス・プラクティスやビジネス・インフラを微調整すること、などを意味します。これらによってビジネス目標を達成し、最終的には、より良いITサービスをビジネスに対して提供するのです。


図3. SLMとビジネス・システム管理、そして監視との間の関係を説明した統合ビュー
図3. SLMとビジネス・システム管理、そして監視との間の関係を説明した統合ビュー

ネットワークでの問題を特定する

IT組織が直面する大きな課題の1つは、増大し続けるネットワーク環境のサイズや複雑さに追いつくことです。ネットワーク・フェールの根本原因を迅速に、的確に特定する能力は、致命的に重要です。

この分野において、IBMのTivoli Switch Analyzerは、イベント相関や根本原因の分析を自動化します。Tivoli Switch Analyzerは、スイッチャーとルーターの両方に対して、IPアドレスで指定できないポートを含めてネットワーク相関を行います。これには、広範な種類のデバイスやネットワーク・トポロジーに渡ってスケーラブルな技術が使われており、それによって迅速な初期化プロセス、効率的なイベント管理、また最先端の相関技術を提供しています。こうした特徴のために、Tivoli Switch Analyzerはネットワークにまたがる様々なイベントを分析することができ、問題の特定に活用できるのです。

IT環境全体を視覚化する

サービスレベル管理は、個々のシステム管理ソフトウェア・ツールの状態を監視することによってシステムを積極的に監視し、またフェールを防止するための修正動作を起動します。企業には、ビジネス・ファンクションとIT環境での個々のコンポーネントを関連付けられる能力が必要です。

IBMのTBSM(Tivoli Business Systems Manager)は、エンド・ツー・エンドでの、統合企業ビューを提供するためのツールです。TBSMには、ITインフラ中のシステムとアプリケーションの状態を、迅速に見て理解するためのGUIが含まれています。TBSMは幹部レベルの人に対して、個々のコンポーネントやリソースが、どのようにビジネス・ファンクションに影響するかを示します。またオペレーションを行う人員に対して、ある1つのコンポーネントがフェールした場合に、どのビジネス・ファンクションが影響を受けるかを示します。TBSMは企業の様々な部分からリソースのステータス情報を収集することによって、リソースやアプリケーションをリアルタイムで監視することができ、また、ビジネス全体との関連として見た、システム・コンポーネントのビューを提供します。さらに、Tivoli Enterprise Data Warehouse用の、傾向分析データも提供します。


図4. IBMのTivoli Business Systems Managerのフローチャート
図4. IBMのTivoli Business Systems Managerのフローチャート

問題の特定を自動化するための、もう一つの方法は、ITM(IBM Tivoli Monitoring)と、IBM Tivoli Monitoring for Transaction Performanceを使う方法です。ITMは、問題の兆候をベースとした監視や、イベント管理に関するTEC(Tivoli Enterprise Console)との緊密な統合を通して、問題判別のクローズドループの、様々な面を自動化します。ITMは、リアルタイム情報と履歴情報を収集し、レポートします。ITMは、Tivoliの持つ、イベント管理とサービス管理ソリューションと緊密に統合されており、IT環境全体の可用性を保証します。

IBM Tivoli Monitoring for Transaction Performanceは、アプリケーションのパフォーマンスや可用性が低下すると、顧客に対して警報を発します。また、Tivoli Data WarehouseとTivoli Service Level Advisorに対して、SLAを妥当性検証するためのデータを提供します。ITMも、ITM for Transaction Performanceも共に、トランザクション中のパフォーマンスの問題に対する、オートノミックな問題判別機能を示すものです。

SLA(service level agreements)を検証する

サービスレベル管理の、もう一つの目標は、提供されるITサービスがSLAに従っていることを検証することです。SLAに関してレポートする作業は、多くの場合、環境中のデータをSLAと手動で(人手で)比較するという、労働集約的で時間を浪費するプロセスです。IT組織にとっては、彼らが提供するITレベルに対して証明あるいは検証を行うことが次第に困難さを増しており、要求に応えるためには、さらに多くの人員やリソースが必要と考えられるようになっています。

IBM Tivoli Service Level Advisorを利用すると、SLAに関して検証し、レポートするための時間やリソースを大幅に削減できます。SLAの検証やレポートは一晩で終わらせることができ、何日も何週間もかける必要はありません。Tivoli Service Level Advisorは、既存の監視アプリケーションや、イベント相関アプリケーションと共に動作し、サービスレベル・レポート用のデータを提供します。こうしたアプリケーションは、Tivoli Service Level Advisorメトリックスのソースです。Tivoli Service Level Advisorは、こうしたメトリックスをSLAの条件と比較することによって、積極的にSLAを監視し、レポートを行います。Tivoli Service Level Advisorは積極的にSLA違反を予測するために、幾つかのレベルのレポート、つまりSLA違反やSLA違反に関する傾向履歴ビューなどを提供します。IT組織はこの情報を積極的に利用することによって、将来のSLA違反発生を防止することができます。


図5. IBM Tivoli Service Level Advisorでのデータ・フロー
図5. IBM Tivoli Service Level Advisorでのデータ・フロー



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自己管理のオートノミック技術がもたらす利益

ITサービスマネジメントの目標は、IT組織がオンデマンド企業をサポートするために提供するITサービスを、改善しやすいものにすることです。つまり企業が、バラバラなシステム管理ソフトウェア・パッケージやシステム管理技術を単純に管理するのではなく、ビジネス要求に従った彼らのITプロセスを効率的に統合、管理できるようにすることが目標なのです。ITサービスマネジメント戦略を実現するためには、WebSphere Business Integration Modeler を使ってのITプロセス・モデルリングや、WebSphere Process Choreographerを使っての、プロセス・タスク間の対話動作定義などが必要です。このプロセス・フローによって、リソースやシステム、情報などの管理を、ビジネス・ポリシーとの整合性を持った統合サービス管理戦略にと集約するITサービスマネジメントが提供されるのです。

ITサービスマネジメントは、タイムリーな問題の予測と解決を行うことによって、共通なITタスクを効率的に自動化し、ITプロセスのエンド・ツー・エンド管理を行い、またサービスレベル管理を提供します。自己管理のオートノミック技術は、ITインフラにおけるルーチン作業、つまり問題を感知し、応答し、修正するための作業を自動化します。IBM Tivoli Business Systems ManagerやIBM Tivoli Service Level Advisor、IBM Tivoli Switch Analyzerなどの製品が提供するオートノミック技術によって、致命的で重要性を持つ監視機能や問題判別機能が提供され、IT組織は彼らのビジネス・ポリシーに基づいて、より効率的にサービスレベルを管理できるようになります。自己管理のオートノミック技術は、ITサービスマネジメント戦略におけるプロセス自動化に膨大な利益をもたらす、中心的な技術です。




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まとめ

本記事では、ITサービスマネジメントの概要と、ITプロセスのモデル化やプロセス・コレオグラフィ、サービスレベル管理などにおいてITサービスマネジメントがもたらす利益の概略を説明しました。次回は、IT管理の別な面を取り上げ、IT組織が今日の困難なビジネス環境に的確に対応する上で、ITサービスマネジメントと自己管理のオートノミック技術がどのような利益をもたらすのかを解説します。議論に取り上げるITタスクとしては、アプリケーションやコンフィギュレーションの管理、変更やリリースのサイクル、セキュリティー、ストレージ、作業負荷、ITライフサイクルなどの管理です。



参考文献



著者について

Lori Simcoxは、IBMの主任ソフトウェア・エンジニアであり、米国カリフォルニア州サンノゼでTivoliストレージ・ソフトウェアの開発を行っています。彼女は、ペンシルベニア州立大学にて数学の学位を取得しており、南カリフォルニア大学にてコンピューター・サイエンスの修士号を取得しています。彼女は、最近8年間にわたり、IBM Tivoli Storage ManagerとIBM TotalStorage Productivity Centerの開発に従事しております。グラフィカル・ユーザー・インターフェースの開発や使用容易性も彼女の関心事の1つです。メール・アドレスはlsimcox@us.ibm.comです。


Kavita Shahは、カリフォルニア州サンノゼにあるIBMの、Tivoliストレージ・ソフトウェア開発に従事するStaff Software Engineerです。ワシントン州立大学にてコンピューター・サイエンスで学位を取得し、現在はIBM TotalStorage Productivity Center Suite製品群に関する作業に従事しています。以前は、IBM Tivoli Storage Managerに関する業務に3年間従事していました。連絡先はkashah@us.ibm.comです。


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Tina Duntonは、カリフォルニア州サンノゼにあるIBMにて、TotalStorage Productivity Centerのソフトウェア開発に従事するAdvisory Software Engineerです。San Luis Obispoにある、カリフォルニア州立工芸大学で、コンピューター・サイエンスで学位を取得しています。以前はzOS製品群の開発に従事しており、この6年間はGUI開発と、ごく最近はファンクション・テストに関わりました。関心領域としては、使いやすさや、テスト・アーキテクチャーなどです。連絡先はduntontl@us.ibm.comです。


Author photo

David Grovesはカリフォルニア大学バークレー校にて、1982年にコンピューター・サイエンスで学位を取得しました。大学では熱心に勉強し、サンフランシスコ湾周辺の豊かな文化リソースを満喫しました。1993年にはスタンフォード大学にて、データベースとコンピューター・ネットワーク設計でコンピューター・サイエンスの修士号を取得しています。連絡先はgroves@us.ibm.comです。




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